夢を与える蒼樹山【全敗でスタートした土俵人生】

大相撲は野球のようにドラフトもなく、体格次第で誰でも入門出来るように、
比較的この世界に入ることは容易です。

ただし、誰にでもチャンスがある世界のように思えますが、
実際は横綱・大関になるような素質のある力士は、最初の頃から際立っています。

入門した力士達の多くは、白鵬をはじめ、横綱大関陣など上位の人気力士に憧れ、
そして目指しますが、稽古を続け、次第に相撲がわかるようになると気がつきます・・・

「彼らはモノが違う。」 

確かに白鵬は初めての場所で負け越しましたが、運動神経も良く、
お父さんがモンゴルの大横綱でサラブレット・・・

他の力士達も、やはり最初から強い・・・。
こんなところで負け越しているようじゃ先はないかな・・・・。

いやそんな事はないのです。稽古は嘘をつかない。本当です。

ちょっと前に蒼樹山っていう力士がいたのを、若い相撲ファンは知っていますか??

彼は初土俵で、何と7戦全敗・・・

本人も「やばい」と思ったんじゃないでしょうか?

しかし蒼樹山は諦めませんでした。
のちに彼は前頭筆頭まで這い上がり、
貴乃花を土俵下に突き出し「ああいう方が強くなるんでしょう」的な
発言をさせるまでになります。

実は夢を与える力士というのは、蒼樹山のような力士を指すのかもしれません。

ひいきの力士が伸び悩んでいる、序ノ口で負け越している、
これは駄目だと思うのはまだまだ早過ぎます。
じっくり応援してあげましょう。

目を逸らすと、何年後かに化粧廻しをしめて土俵入りしてるかもしれません。

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