小さなファン対応の積み重ねが重要
連日満員御礼の本場所に、老若男女問わず地元ファンが駆けつける地方巡業、トーナメントや断髪式などの花相撲と、相変わらずの相撲人気が続いております。
各会場どこに行ってもファンに囲まれる力士たち。お相撲さんは比較的フレンドリーな方が多いとはいえ、 親切な力士もいればつれない力士もいるなど、そのファン対応は千差万別みんなバラバラです。
真剣勝負の本場所はもちろんですが、巡業も稽古が目的になるわけで、しばしばしつこいファンが存在し、力士が一人ひとり丁寧に接することは正直難しいことも事実です。
しかしながら、こうした巡業をはじめとした場所でのファン対応は非常に重要です。友達から誘われた、知り合いからチケットを貰ってたまたま会場に来た、という方への何気ない一つの対応が新しいファンを生みだす可能性があり、逆にこれまで長く相撲ファンだった人への何気ない一つの対応が、1人のファンを失う可能性も秘めています。
そして、その一つ一つの小さなファンサービスの積み重ねが相撲人気の根底を支え苦しくなった時に力を発揮するのです。
ということで今回は、私がぜひ知って欲しい、誰かに話したい言神対応力士の話をさせて頂きます。
宇良和輝のファンサービスは可愛くて丁寧
この春場所に新入幕を果たし、小さな体とアクロバットな相撲で土俵を沸かせている宇良。だいぶ全国区の力士になってきました。
この宇良ですが、派手な決まり手や取り口ばかりでなく、インタビューを受ける際のたどたどしい感じや、ふとした仕草の可愛らしさがスー女受けするど真ん中の力士のため、個人的には人気先行している力士だなと少し斜め見ていました。
私の中でそんな彼の評価が覆ったのが、巡業時に見たファンへの対応です。
自身の取組が始まるかなり前の時間帯から花道の少し横に待機する宇良。他の力士の邪魔になる花道のど真ん中ではなく、花道の横であればスペースもあるため、ファンの並ぶスペースを作って、出番ギリギリまでサインと撮影に応じていました。そして取組後にそそくさと戻る力士もいる中、最後まで一人ひとりに丁寧に対応をしていました。
これにはとても感動しました。ファンの中には子供も多かったのですが、もしわんぱく相撲をやっていてあのような丁寧な対応をされたら憧れます。宇良のこの対応は、少なからず相撲人口の底上げに貢献していると思います。
「そりゃ応援する人も増えるわ。」そう感じた瞬間でした。
巡業中は稽古はもちろんですが、毎日の移動で力士は疲れています。そんな中、嫌な顔一つしないあの宇良のファン対応はまさに神対応です。
若手力士でかつ新入幕なので真面目な対応というのもあるかもしれませんが、
これからも出来る限り続けて欲しいと思います。そして力士を囲むファンは、そんな疲れている背景を理解しつつ接して欲しいなと思っています。