貴乃花ドキュメンタルでも大活躍
8/17からアマゾンプライムで配信されている、「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」に貴乃花が出演しています。
こちらの番組、密室に集まったメンバーがお互いを笑わせる(自分は笑ってはいけない)という企画で、通常はお笑い芸人同士で行っているものを、今回はお笑い芸人以外のジャンルということで、貴乃花に加えて「 気志團の綾小路翔、香取慎吾、上地雄輔、高橋克典、六平直政、森内寛樹」 が出演して行われました。※敬称略
当初は、「笑いというジャンルで貴乃花が?」という見方もあったようですが、出演後ネット上での感想は「外れ回かと思ったらまさかの神回の可能性ある。貴乃花がバグ」 「ドキュメンタルに天才現る」「貴乃花がマジでツボ過ぎて一生笑ってた」「好み分かれるだろうけど、ここ最近ので一番好きなシーズンだった」 など評判も良く、貴乃花自身の評価も「95点」ということで、企画としては大成功だったようです。
そして貴乃花ファンにおいても、楽しそうな貴乃花を見ることが出来、大きく話題にもなったことで満足しているファンも多いようです。
貴乃花の現在地
これまでこのブログでは、幾度も貴乃花については取り上げ、応援もしてきており、何より今でも貴乃花は最高の横綱だという気持ちは変わりません。
しかし本当にこれでいいのでしょうか?
貴乃花ファンの方は気分を害するかもしれませんが、今回は少し厳しい内容を書かせて頂きます。
角界を引退した経緯について改めて書くつもりはないですが、その際に貴乃花は。。。
「ずっと相撲で生きて来たので、土俵には関わっていきたい」
「土に触れる喜びを子供達に知ってもらいたい」
など、相撲の普及や教育に対して意欲的な発言をし、その姿勢を見せていました。
また「貴乃花道場」の旗揚げ時にも、はっきりと方針は決まっていないながらも、そのような気持ちは語っていたことを記憶しています。
しかし現状はどうでしょうか?
確かに貴乃花道場のHPを見ると、多少は子供達と関わるような事業はされているようですが、現実的にはバラエティーへの出演が殆んどです(貴乃花道場としての活動ではないでしょうが)。
北海道のイベントや、神奈川の大学イベントにもご出演されたようですが、子供達との触れ合いというよりも、芸能人などゲスト枠のような印象を受けました。
現役時代は孤高の横綱として、巡業と言えども気安く触れ合うことが出来るような存在ではなかったので、引退したとは言え始めて本物の貴乃花を見て、ちゃんこを振舞われた方は喜ぶと思いますが、昔からの相撲ファンとしては、あの「経験や技術」を相撲の発展に使う事が出来ていなことが歯がゆくてなりません。
「貴乃花はそれを目指していたのに、相撲協会が貴乃花を追い出したのだろう!」
そう話す方も多くいると思いますし、たしかに現在の立場であれば現状は仕方ないのかもしれませんが、協会を引退する際に「こうなること」はある程度予測できたような気がします。
引退直後の貴乃花は、一連の騒動もありマスコミにとって「視聴率男」であり、全国的な人気・知名度を狙う政界にとっては「票のとれる候補者」だったため、貴乃花の目指す方向性を支持するスタンスを取る人も多くいたと思われます(事実貴乃花御縁会には政界の顔も集まっていました)。
真面目で真っすぐな貴乃花はそれを信じますが、結局リップサービスはせずに、野心がないため、何となく梯子を外されたようだと感じるのは私だけでしょうか?
多くの賛同者や支持者がいるような錯覚を覚えますが、本当にあの「相撲道」や、技術伝承の重要性を理解している人は一握りだと思います。
切に願うのは、そういった機会が生まれるよう、その道筋が出来るように本当の意味で協力してくれる人が現れることです。
もしかするとこれまでにも、彼を相撲道に戻す動きをした人がいるかもしれませんが、恐らく貴乃花は少しでも妥協を許さなかったはずです。
平成の大横綱も50を超えました。もしもチャンスがあれば、もう少し「開けたコミュニケーション」や「協調力」を持って、本当の賛同者たちと行動を起こして欲しいと願っています。
若乃花の現在地
そして私が、貴乃花同様の気持ちを抱き、その活躍を見ているもう一人の人物が、お兄ちゃんこと「三代目若乃花」です。
私は彼こそが、「大相撲史上最高の天才力士」だと思っています。
弟が心配なので付き添いで入門。全てを相撲に捧げた弟に比べて、色々なことに興味がある兄。「相撲を愛することが喜び」と語った弟に対して「相撲は嫌いだった」と何度も豪語する兄。にも関わらず横綱昇進を果たしたのが、この横綱3代目若乃花です。
現在abemaの解説を聞いていると、いかに頭を使って相撲をとっていたのか?を知ることが出来、技術の高さ、相撲が奥の深い競技であることを教えてくれる分かり易い説明です。
若乃花の技術はもちろんですが、この分かり易い説明に人当たりの良さを見ていると、角界にいないことが残念でなりません(勿論卓越した技術も)。
以前、若隆景の記事でも書いたと思うのですが、若乃花が指導すれば若隆景はもっと強くなるはずです(決して蒼国来が悪いわけではないです)。
相撲界という狭い世界に息苦しさを感じ外に飛び出した若乃花ですので、戻る気はさらさらないとは思うのですが(実際に藤井さんのyoutubeでも言っていたような)、こちらもチャンスがあれば少しでも相撲界との接点を持って欲しいと思っています。
人当たりの良いお兄ちゃんのことなので、もう少し時が経ち、魁皇や栃東あたりが角界での発言力が強くなってきたらあるのかな?などと思っていますが、、、
角界の技術伝承
各時代の横綱たちは一部例外を除き皆角界に残り、これまで相撲協会の運営に携わってきました。
しかし、史上最高の豊作と言われた昭和63年春組が生んだ三横綱は皆角界を去り、そのあとを継いだ朝青龍も角界を去り(追われ?)ました。
そんな背景もあった為、随分前に元横綱の親方が激減し、様々なことが伝承されないのでは?と不安に思ったことがありましたが、とりあえず数年前の四横綱は三人が角界に残り、土俵入り含めて文化の伝承が途絶えることはなくなりました。
しかし、曙のように体調面に不安がある例を除いて、相撲界の頂点を極めた力士の技術や経験を現役力士達に直接伝承出来ないのは、相撲界、相撲の歴史においても大きな痛手であることは間違いありません。
稀勢の里世代には大いに期待しています。
彼らの世代が角界を背負う頃には、今よりも良い相撲界になっていると信じています。
彼らから下はいわゆる「ゆとり世代」と呼ばれていますが、むしろおだやかな時代だった昭和に比べ、よほど世知辛い時代を生きてきています。
だからこそ、その間を繋ぐ世代にもう少し関わって欲しいなと願っています。
恐ろしく強かった横綱武蔵丸ですが、かつて背中を追いかけ、そして戦い、最期は共に綱を巻いた戦友たちが次々と去ってしまったからなのか、武蔵川親方となった現在、何となく物悲し気で、一歩引いた所から相撲界を見ているような気がします(体調面もありますが)。
今回は、特に落としどころの無い話ではあるのですが、秋場所を前に色々と感じることを書かせて頂きました。。。
秋場所初日まで一週間切りました!初日は現地予定なので、たまには観戦記なるものを書いてみようか検討中(笑)