毎場所、千秋楽翌日は「相撲ロス」に襲われるにも関わらず、時間のたつのは早いもので月曜日お待ちかねの秋場所番付発表が行われました。
ということで、今回は令和4年秋場所の個人的見所チェックをしていきたいと思います!
朝乃山関取復帰が1場所短縮?
通常ならば番付上位からの話になるはずですが、今回真っ先に目が行ったのが、何だかんだで話題になるあの力士。1年ぶりの復帰となった名古屋場所で、見事(当たり前?)三段目優勝を果たした朝乃山です。
今場所の番付が15枚目以内に入るか?それとも16枚目以下になるのか?
15枚目以内であれば全勝で十両復帰することが出来ますが、16枚目以下であれば、たとえ全勝優勝したとしても九州場所では幕下に留まることになります。
そして結果は東幕下15枚目。
これで年内関取復帰も見えてきました。
秋場所、関取を目指す若手のホープや、関取復帰を目論む元関取の実力者達が、元大関の実力者の胸を借り、日大出身で学生横綱にもなった川副圭太も同じ幕下15枚目格の付け出しでデビューするので、対戦の可能性もあります。
相撲ファン達が最も面白いという「幕下上位」ですが、今場所は更に熱くなりそうですね。
平戸海新入幕で幕内最年少へ
名古屋場所十両8枚目で初の二桁勝利10勝を挙げ、一気に新入幕を決めた平戸海。番付運の良さという声があるかもしれませんが、勢いのある時などはこんなもの。
最近減少した中卒叩き上げで、新入幕会見でも郷土について「魚がおいしいところ。タイとかアジとか」とコメントをしており、十両昇進時から郷土を背負っている感満載の力士です。
親方のコメントも相変わらずの褒め様ですが、 先場所のような相撲が取れれば、敢闘賞や技能賞もあり得ます。
幕内の土俵でも変に意識せず、持ち味の真っ向勝負を見せてほしいですが、平戸海の入幕によって幕内の土俵に少し変化が起こりました。
それは「豊昇龍・王鵬・琴勝峰」という学年が長く言われてきた、「幕内最年少」の称号がついにそうではなくなったということです。※学年的に
まだまだ若手なので期待値は変わらないのですが、もしかすると彼らの中に「いつまでも若手でいられない」という意識が芽生えるかもしれません。
特にここ数場所、幕内下位で停滞している感の否めない王鵬。
やはり幕内で若手と言われていた埼玉栄の先輩琴ノ若、王鵬同様に今一つ伸び悩んでいたものの、「豊昇龍・王鵬・琴勝峰」世代の台頭後、最近の活躍はご存じの通りです。
豊昇龍やっと新関脇
一部では張り出し関脇をなぜ作らないのか?という議論も起こっていましたが、3場所連続小結勝ち越しを続け、この秋場所ようやく新関脇を決めた豊昇龍。
通常の力士であれば、「腐らずによく無限小結ループを脱出し見事!」となるのですが、豊昇龍の場合はやはり違います。
ここからが本当のスタートであり、もっと言えば関脇で二桁勝利を納めた瞬間からが、豊昇龍NEXTステージの始まりです。
彼はその先を目指す資格のある力士、運命に挑戦できる力士です。
来年が飛躍の年になるように、秋場所の「関脇豊昇龍」に期待しています。
※スケールは異なりますが、今回3場所連続優勝でやっと横綱昇進した玉錦を思い出しました。
横綱大関陣による優勝争い
名古屋場所、途中休場をした御嶽海を除けば、千秋楽まで優勝争いをした照ノ富士、同じく優勝次点の勝ち星11勝を挙げた貴景勝、負け越し必至から奇跡挽回二桁勝った正代と、終わってみれば上位陣はまずまずの成績で及第点でした。
しかし、優勝戦線を大きく引っ張ったとは言い難く、今年に入ってからの4場所で言えば、初場所御嶽海(当時関脇)→若隆景→照ノ富士→逸ノ城と、上位陣で賜杯を取ったのは夏場所の照ノ富士のみで、残りは下位力士に持っていかれています。
「毎場所盛り上がっている」という見方も出来るかもしれませんが、相撲の醍醐味は上位が充実してこそ、波乱があり優勝争いが盛り上がるのです。
秋場所はぜひ「上位陣によるレベルの高い優勝争い」を見たいと思っています(勝ち星のレベルもそうですが、相撲内容が重要)
逸ノ城何度目の正直?
名古屋場所念願の初優勝を果たし、秋場所三役復帰を果たす逸ノ城。
これまでも10場所以上三役は経験している逸ノ城、しかし二桁勝利は一度もなく、かと言って大負けもほぼなく、可もなく不可もない状態。
ファンの方には申し訳ないですが、「期待感の割にまとまっている」いつもの逸ノ城らしい成績。。。
会見では「大関」という言葉も出てきたようですが、そのスケールとしては何ら不思議ではない言葉です。
逸ノ城はもう一度夢を見せてくれるでしょうか??
吉井幕下一桁に突入
前述した平戸海が幕内最年少なら、こちらは更に年下の吉井。
名古屋場所では幕下優勝を飾り、自己最高位の幕下3枚目まで番付を上げた元中学横綱の吉井。秋場所は初の幕下一桁代で相撲をとることになります。
8月に19歳になったばかりの吉井。
世間で言えば大学1年生の年齢なので出世は順調に思えますが、吉井は16歳で幕下昇進を果たしているので、ようやく上がって来たと感じている相撲ファンもいるはずです。
幕下に16歳で昇進した力士は過去3人。吉井の他二人は「貴花田と萩原(のちの稀勢の里)」。
相撲ファンから彼に注がれる期待値を、この一文以外に書く必要はないでしょう。
大勝させたい一山本
最近四股名いじりで何かと話題になる一山本ですが、個人的には二桁三賞と頑張って欲しいと思っています。
場所男になりそうな雰囲気から一転、ギリギリ勝ち越しの夏場所。
今度こそ三賞狙えるか?という好調な出足から一転、コロナ休場の名古屋場所。
秋場所は、幕内初の十山本達成なるか??
場所中のコロナガイドライン
力士の仕上がりや土俵上の取り組みに目が行きがちですが(当たり前)、もう一つ大きな課題としては、やはり場所中のコロナに対するガイドラインです。
名古屋場所は、場所前に田子ノ浦部屋所属全力士が休場になったのを皮切りに、大量に感染者が発覚し、これに伴う所属部屋の力士・協会員の途中休場が相次ぎ、約3割が休場となり本場所の運営にさえ支障をもたらす結果となりました。
「好調だった力士が突然休場」などという、盛り上がりに水を差すようなことや、コロナ休場に伴う番付の在り方などを問う声も多くありました。
今場所も検査をすれば必ず感染者は出てくるはずです。
先場所の反省から同じ轍は踏まぬようにして頂けばと思っています。
秋場所まであと少し!