朝乃山1年ぶりの関取姿
12月26日令和5年の番付発表が行われ、注目の朝乃山は十両12枚目、約1年ぶりの関取復帰となりました。
番付発表と言えば、先場所の優勝力士はもちろん、横綱大関の上位陣、新三役、新十両といったところが注目されるのですが、今場所はこの「再十両力士」である朝乃山が大きく注目を集めています。
新型コロナウィルスのガイドライン違反で出場停止になったのが一昨年の夏場所。その後6場所連続の出場停止となり、復帰したのが昨年名古屋場所の三段目でした。
関取として土俵に上がったのがちょうど昨年の初場所になるので、ファンからすれば待ちに待った、関取としての大銀杏朝乃山関の復活になるわけです。
初場所久々に15日間相撲を取る朝乃山ですが、果たして何勝出来るのでしょうか?そして初の十両優勝は達成出来るのでしょうか?
今回は初場所朝乃山を中心に繰り広げられる十両の土俵を予想し、一人わくわくしたいと思っています。
朝乃山十両優勝出来るか?
15日間の方が有利?
来場所の話の前に、まずは朝乃山土俵復帰後の成績を見てみたいと思います。
名古屋場所:7勝 ※優勝
秋場所:6勝1敗
九州場所:6勝1敗
半年で関取復帰と順調ではあるものの、その評価としては賛否両論でしょう。
私の復帰前の予想では、令和5年初場所に関取復帰としていたので、ここまでの番付の戻しは順調のように思えますが、九州場所を幕下15枚目以内で迎えたことを考えれば、二場所続けて1番ずつ不覚をとっているのは頂けません。むしろ九州での関取復帰の可能性もありました。
しかしそれだけ「本場所は何が起こるか分からない」ということであり、7番の中で「1番も落とせない」というのはなかなかに難しいことなのでしょう。
しかし、初場所はむしろ15日間の相撲になるので、実力差や星の差が出やすく、特に四つ相撲の朝乃山とすれば、7番しか取れず1敗の重みが出てしまう幕下以下の土俵よりも成績を安定させやすいのではないでしょうか?
また、十両の土俵は昔から力士同士の実力差があまりないので、優勝成績が10勝、11勝などに落ち着くことも多く、朝乃山俄然有利の条件は揃っています。
場所前に十両優勝は決まりでしょうか??
十両の全勝優勝は難しい?
ここまでお読み頂き、朝乃山の十両優勝の可能性が高いことはご理解頂けたかと思いますが、これが「全勝優勝」となってくると話はまた別になります。
もちろん幕内においても全勝優勝は難しいですが、実力差があまりない十両での全勝優勝はさらに難しく、過去に達成した力士は5人しかいません。
(十両の全勝優勝達成者)
栃光正之 1955年3月場所大関
豊山勝男 1961年11月場所 大関
北の富士勝昭 1963年11月場所 横綱
把瑠都凱斗 2006年3月場所大関
栃ノ心剛史 2014年9月場所大関
北の富士以前の力士はリアルタイムで知らないので分かりませんが、十両では他を圧倒するような実力者が、怪我をして落ちて復帰してくる中で達成しているような印象です。
とにかく全員が後に大関以上に昇進しているので、勢いだけでは無理ということだと思います。
ちなみに十両優勝には「北の富士賞」という非公式な賞(多分)が存在し、十両で全勝優勝をすると北の富士さんから金一封を受け取ることが出来ます。
北の富士さんが達成して以来、40年以上十両での全勝優勝が現れておらず、「達成者が出たら金一封」と言ったのがきっかけで誕生した賞だったと思います。
この「北の富士賞」ですが、十両の全勝優勝に限らず、NHK放送の中で勝手に決めて、毎場所の三賞のように授与したら面白いなと思うのは私だけでしょうか・・・??
しかしやっぱり把瑠都は強かったな。。。
大関との対戦を楽しみたい
十両優勝や全勝優勝、一気に幕内復帰など、朝乃山に対しては色々と期待もあると思いますが、折角十両に大関の実力者がいるので、最後は今場所朝乃山との対戦を勝手に楽しみにしている力士をご紹介します。※星勘定で当たると予想。
北青鵬戦
まずは長身北青鵬。 動きはスローながら、どんなに不利になっても体格で勝ってしまう。技を覚えてスピードが出たら・・・
一気に番付を掛け上がってきた頃(と言ってもほんの少し前ですが)、把瑠都級の怪物が現れた!と衝撃を受けました。しかし、相撲に進歩がみられず番付も上昇してはいるものの思ったよりもスローペース。周囲も研究してきています。
恐らく朝乃山は簡単に廻しを取らせてくれませんし、幕内上位ではどんな相撲を取るべきなのか?を教えてくれるはずです。北青鵬爆発のきっかけになる一番を期待しています。
金峰山戦
次にカザフスタン出身初の関取として売り出し中の金峰山。
十両2場所が終わり10勝、8勝と悪くはないのですが、北青鵬同様に怪物級の期待をしていたので(新十両優勝くらい)、ここまでは少々物足りません。
十両では小さくまとまってほしくないので、豪快な相撲で朝乃山に立ち向かって欲しいです。
初場所十両で期待している「突き押しVS四つ相撲」という注目の取組です。
欧勝馬戦
豊昇龍と同時に日本に来たと少し話題にもなった欧勝馬ですが、大学時代には学生横綱を獲得して、15枚目格付出でデビューしました。
4場所で幕下を通過、琴欧洲が育てた初めての関取として名古屋場所で十両昇進、先の九州場所では十両優勝を果たしましたが、大学4年時にすぐにでも十両で10勝と言われた実力からすると若干物足りなさを感じている方も多いのではないでしょうか?
デビューから1年がたち、ようやくプロの土俵にも慣れてきたでしょうか?元大関相手にどこまで善戦できるか?期待したいと思います。
日本人力士も立ち上がれ
とりあえず3人と思ってすぐに浮かんだ力士が全員外国人力士でしたが(他にも狼雅)、やはり日本人力士にも奮起を期待したいと思います。
まずは「たちつてと」でお馴染みの栃武蔵。
新十両で優勝を飾りましたが、先場所は2場所目のジンクスか苦戦。十両で少し時間を費やすかことになるか?それとも一気に昇っていくか?今場所は重要な場所になります。頑張れたちつてと。
続いて豪ノ山。大関豪栄道の「豪」を継承、武隈部屋初の関取としてまずまず順調かもしれませんが、先場所土俵を沸かせた豊昇龍と王鵬が1つ下の学年というのを考えると、十両でモタモタしている時間はありません(同級生栃武蔵もですが)。
現実力で元大関とどこまで渡り合えるのか?楽しみです。
最後はイケメン北の若。
デビュー時から実績とイケメンぶりは注目されていますが、思ったよりも幕下で苦戦、ようやく十両昇進してから早1年と、気が付けば同学年の平戸海が先に幕内昇進を果たしています。
ここまで名前の出た力士に比べて歳下とは言え、ほぼ同世代の北の若。
初場所は、朝乃山を破りそのイケメンぶりと実力を世に知らしめるチャンスの場所です。
というわけで、約2年ぶりに15日間土俵に上がる朝乃山。
初場所は十両も盛り上がりそうですね。