逸ノ城の処分はなぜ軽いのか?

逸ノ城は初場所出場停止

日本相撲協会は12月26日に臨時理事会を開き、逸ノ城の師匠湊親方(元湊富士)夫人への暴力疑惑などについて協議し、二人に対しての処分は「逸ノ城の1場所出場停止。師匠である湊親方は、監督責任として3カ月の報酬減額20%の懲戒処分 」となりました。

今回の「逸ノ城の女将さん暴行事件」ですが、元はと言えばyoutubeの「貴闘力部屋」が発端となり、九州場所前には文集砲も炸裂して注目を集めていましたが、疑惑発覚後も特に処分の動きがなく、モヤモヤした状態での九州場所だっただけに、今回正式に相撲協会から処分が下ったことで、逸ノ城をはじめとした周りもようやく一段落(一件落着ではないですが)と言ったところかもしれません。

しかし今回の処分、よくよく内容を確認すると。。。。

一昨年11月と昨年8月の2度、新型コロナウイルス感染防止策の一環として、外出禁止となっていたにもかかわらず、無断で外出したことに対する処分ということで、暴力事件に対しての処分ではないです。

注目を集めた暴力事件に関しては、「一部事実関係を確認したものの、悪意の暴行ではなく、5年以上前の出来事でそれ以後の暴行はなかった」と、処分の対象にはなりませんでした。

この処分内容とその処分対象の項目、様々な部分において多くの方が疑問を持ったのではないでしょうか?

 

 

悪いのは湊親方?

今回起きた一連の騒動、逸ノ城にスポットが当たっていますが(もちろん当事者なので仕方ないですが)、一番悪いのは親方の様な気がします。

「黙っていたけど表に出てしまったので仕方なく報告しました」という雰囲気が漂っていますし、(協会の規定で本人からコメントを出すのは禁止なのかもしれませんが)「5年前の出来事」であれば、当初からそう言えばいいのにとも思ってしまいます。

そして最も問題なのは、「5年前に女将さんに暴力をふるっていた」という処分対象にはならない遠い過去の出来事よりも、湊親方が話し合いを求めても「弁護士を通して話してください」と返答されてしまう破綻した現在進行形の師弟関係です。

今回、湊親方に下った懲戒処分は、「ガイドライン違反の監督責任」になるのですが、相撲部屋として親方としてどうなのか?という問題の方が大きいと思います。

過去にも師弟の関係崩壊は色々あったと思いますが(表裏関わらず)、これだけ表ざたになったタイミングなので、「よくあること」では済ませずに、ここは多少なりとも相撲協会がもっと介入してもいいような気がします。

相撲部屋は、力士の育成を相撲協会から委託されているはずなので、逆を言えば協会は、部屋の環境改善に介入しなければいけないようにも思えるのですが。

処分基準が不明確

相撲協会の話しが出た流れで次は協会側の対応になりますが、私の記憶が確かならば、当初広報部長は「内輪の問題」というような表現を使ったような気がします。

もしも「内輪の問題」で「被害者側に訴える意思がない」という状況が処分対象にならないのであれば、これまで起きた弟子や付き人への暴力問題も同じ基準となります。

付き人を殴ってしまったものの、殴った方も殴られた方も非があったと反省していたら、内輪の問題ではないのでしょうか?

もっと言ってしまえば、悪意のない暴力の場合何年すれば時効になるのでしょうか?貴ノ岩もバレなければもう時効になっていたということでしょうか?

そして処分対象となった「新型コロナウイルスのガイドライン違反 」の内容に目を向けてみると、、、わずか1場所の休場。

私の記憶が確かならば、以前ガイドライン違反した幕内力士は3場所出場停止で、横綱候補と言われていた大関は1年の休場を余儀なくされ、三段目からやり直しになったような気がします。

今回はなぜ1場所なのか?その理由が。。。

「キャバクラなどの接待を伴う飲食店ではなく、飲食店滞在が短時間だったこと、聞き取り調査で反省の態度を示したこと だそうです。」

ということは、朝乃山も吉野家で15分なら1場所で大丈夫だったのでしょうか?それとも大関なので2場所でしょうか?そもそも朝乃山や阿炎、竜電も間違いなく反省はしていたと思いますが。

朝乃山のケースは、たしか事実を隠したから6場所だったと思うので、今回の件も隠ぺいしていたらもっと処分が重かったのでしょうか?

むしろ「後から言ったら処分が重くなるルール」からすると。。。

明確な処分ルールがない

今回の処分内容ですが、恐らく疑問や不満を持つ相撲ファンが多く出てくると思います。暴力事件の部分に関しても、もっと相撲協会はしっかりと説明すべきでしょう。

面白がって連鎖して問題が発覚してくると、また「相撲界⁼暴力」の構図が浮き上がります。いつも会見では一方的な発表だけに終わりますが、もっと質問して欲しいなと思います。

そうする中で相撲協会も、そういった見解もあるのだと気づいてくれるかもしれません。

私としては、処分の対象が暴力事件に及ばないのはおかしいと思いますし、先程書いたように「湊部屋」の現状に対して、もっと相撲協会が介入すべきだと思います。

「力士を育成して相撲界を盛り上げていく」というのが、相撲協会の共通した目的の一つのはずです。そんな中で幕内優勝する力士の稽古・生活環境が悪いというのは、マイナスに外ありません。少しでも師弟関係の改善を望みます。

そしていつも言われる明確なルールを作って欲しいと思います。

とにかくモヤモヤする処分でした。。。

 

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