どすこいFM放送終了-相撲人気を陰で支えた功労者-

どすこいFMってなに?

相撲人気が盛り上がるなか残念なニュースが一つ。この秋場所を最後に、10年以上にわたり館内で放送されてきた「どすこいFM」が終了することになったそうです。最近相撲ファンになった方は「どすこいFM」と聞いてもあまりピンと来ないかもしれませんが、今回は「どすこいFM」について少し話していきたいと思います。

そもそもこの「どすこいFM」が何なのか?ということなのですが、簡単に言うと「国技館内限定で聞けるラジオ放送」です。

十両の取組以降に親方やゲストを呼び、土俵の裏話や現役時代の話などNHKとは一味違う解説を館内のお客さんに楽しんでもらおうと誕生したサービスでした。ラジオを持参して国技館に相撲観戦に行き、ラジオ周波をFM83.4MHzに合わせると、この「どすこいFM」を聞くことが出来ました(国技館内でのラジオの貸し出しも行っていました)。

相撲協会の革命どすこいFM

平成の若貴フィーバーで大相撲人気は絶頂期を迎えましたが徐々に客足も鈍くなり、平成15年初場所の貴乃花引退によって、長年続いた若貴時代が完全に終焉しました。この平成15年にスタートしたのが、今回テーマにしている「どすこいFM」です。それまで若貴人気頼みで来ていた協会としては、日本人が主役の座を奪われるだろう現実と共に、「何か手を打たなければまずい!」という中で考え出したアイディアだったのでしょう。

革命などと大げさと感じる方もいらっしゃると思いますが、「やってもらうごっつあん体質」だった相撲協会が、自ら工夫をし、お客さんに楽しんでもらうサービスを企画して実施した「どすこいFM」は、相撲協会の”危機感”や、”何かしなければいけない”という姿勢を見ることができた取り組みだったのではないかと思います。

そんな相撲協会のアイディア「どすこいFM」でしたが、残念ながら当時はコアなファンを除き正直あまり話題にはならなかった記憶があります(そもそも相撲人気自体もあまりなかったです)。

相撲人気の復活と共に

現在盛り上がる相撲人気の一因に、「どすこいFM」がどれくらい貢献したのかはわかりませんが、残した功績は大きいと感じます。

今やゴールデンタイムに数々の相撲番組が放送され、多くの女性ファンが国技館に訪れ、人気力士達の認知度も飛躍的に上がりました。地方巡業、相撲関連のイベント、コラボグッズなど、はっきり言って、今は何をやっても大成功になるレールが引かれている相撲協会。

対照的に、徐々に相撲人気が低迷する中で放送をスタートさせ、注目度が低いだけでなく、挙句に不祥事まで起こる中も継続してきた「どすこいFM」。今では想像できませんが、空席の枡席で放送した回もあったそうです。

絶頂を迎える相撲人気の陰で、その役目を終えたかのように終了する「どすこいFM」。低迷期に耐え継続してきたこのサービスに敬意を表したいと思います。
今の人気がある一因に確実に貢献したと私は思っています。
お疲れ様でした「どすこいFM」!

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