横綱のDNA-元横綱の親方が少ない-

悪い意味で相撲が話題に

2017年初場所に稀勢の里が横綱昇進を果たし、盛り上がっていた相撲人気が更に上昇するだろうと思っていたのですが、昨秋辺りからこの一年色々ありましたね相撲界、ホントに。

様々な立場の人々が様々な番組やメディア上で、好き勝手にしゃべり倒したここ最近でしたが、ようやく野次馬達も去っていき静寂を取り戻してきた。一年納めの九州場所を前にそんな気がしております。ここ数年は「相撲人気」を華やかに取り上げられる機会が多かったと思うのですが、ここ最近は悪い意味で相撲界が話題になることが多いです。

二人の横綱を失った

色々な出来事があり、一人一人意見や考えも異なると思うので、最近のことに関しては書きませんが、一つだけはっきりしていることは、「相撲協会は2人の横綱を失ってしまった」ということです。非常に残念なことです。

ここ最近、現役の力士よりも(良いのか悪いのか)親方がメディアに取り上げられることが多くなりました。そこで改めて思ったのですが、

元横綱の親方が少ない

大相撲は伝統ある国技、古くから歴史があり様々な技術を伝承してきたですが、
その象徴である横綱の文化や教えを繋ぐ者が協会内で絶滅危機。これは非常にマズイことです。

協会を去る元横綱達

昔から力士、特に横綱は平均寿命が短いとは言われていますが、最近では急逝に加え、定年よりもずっと前に協会を去っている元横綱が非常に目に付きます。

2010年代に入ると、2013年に大鵬、2015年に北の湖、2016年に千代の富士と、昭和の3代横綱を立て続けに失いましたが、2000年に3代目若乃花が断髪式後に退職、2003年には曙も退職。朝青龍もまさかの展開で引退。そして今回の騒動で日馬富士、そして貴乃花も角界を去りました。曙以降に横綱昇進した力士で現在協会に残るのは武蔵丸のみ。現在相撲協会全体で元横綱で親方をしているのは、第61代横綱北勝海、第62代横綱大乃国、第63代横綱旭富士、第67代横綱武蔵丸。以上4名だけです。

協会の外にはまだまだ健在

相撲協会内で減少する元横綱に対し、一方で協会外に目を向けてみると、栃ノ海、北の富士、2代目若乃花、三重ノ海、双羽黒、曙、貴乃花、3代目若乃花、朝青龍、日馬富士と10名の元横綱がいます。

見て頂くと、現在の執行部よりも下の世代の方が多く相撲協会の外に出ていることが分かると思います。

「長期休場明けの土俵になった稀勢の里が、先場所貴乃花に色々と相談した。」という記事を何かで読みました。事実かどうかはさておき、やはり綱の重圧というのを考えた時、その気持ちを組みことが出来る存在が減少していくことはあまり好ましいことではないと思います。

横綱は引退後、5年間は現役時代の四股名で協会に残れる特権がありますが、一旦協会外に出たとしても戻れるような制度もあってもいいような気がします。

「横綱は選ばれた者がなれる存在」

だからこそ、そのDNAをしっかりと協会内で繋いで欲しいと思います。輪島さんが亡くなった際、「輪島さんがもし協会に残っていたらどうなったか?」という声がありましたが、今そんなことを言うのではなく、検討してもらいたいです。横綱土俵入りを教えることが出来る親方がいなくなったら洒落になりません。

親方に元横綱は何人いるか?
最新情報をチェックしよう!
広告