もうひとたびの朝青龍【抜群の運動神経が生み出す攻撃】

現役時代のその実績に比べると、今一つ評価が低い?横綱朝青龍の魅力を伝えるこのシリーズも今回で3回目を迎えました(笑)。
3回目は朝青龍の土俵に目を向けたいと思います。

私が感じた朝青龍の相撲における凄みは、

「スピード溢れる途切れぬ攻撃」
「全身がバネのような圧倒的な運動神経」
「他を寄せ付けぬ勝利への執念」

この3つです。
1つずつ紹介していきたいと思います。

スピード溢れる途切れぬ攻撃

私は千代の富士が関脇から横綱に駆け上がる、いわゆる「ウルフフィーバー」を
リアルタイムでは見ていませんので、もしかすると当時の相撲ファンが千代の富士から受けた感覚が、私が朝青龍の相撲で受けた感覚に近かったのかもしれません。とにかく朝青龍の動きは力士のそれではなく、アスリートの動きでした。

第一の攻撃で決まらなければ、第二第三と攻め手を出す。
休む間もなく繰り出される攻撃。
相手の攻めを受けながら、徐々に攻撃に転じる貴乃花相撲の時代に青春を送った身としては、朝青龍のスピード感は新たな王者誕生を感じました。

最近話題になる「ダメ押し」。朝青龍もしばしば注意されていましたが、朝青龍のダメ押しは、攻撃が激しすぎて止まらなかった惰性ような、とにかく超攻撃型の横綱でした。 「勝つ」というよりも「倒す」と言った表現がはまるような、
朝青龍ファンとしてはさぞ勝った後に爽快感が残ったことでしょう。

全身がバネのような圧倒的な運動神経

後ろに回られたと思った瞬間や、土俵際で決まったと思った瞬間、
ギリギリで素早く向き直す反射神経や逆転するバランス感覚など、
朝青龍は運動神経の良さを感じる取組が沢山ありました。
その中でも私が朝青龍の取組で最も印象に残っている相撲は、
平成16年名古屋場所対琴ノ若戦。

覚えている方も大勢いると思いますがまさにアニメの世界。
「投げられても一回転して着地すれば負けない」
これまで冗談半分で、口にしたことはありますがまさか現実になるとは・・・。
次に紹介する勝利への執念も滲み出ており、この取り組みはまさに
「横綱朝青龍」を見事に表した一番だと思います。
違うスポーツをやっていても、一流になったのではないでしょうか?
お相撲さんは身体が大きいので、スピードが遅いイメージを持っている方も多いですが、一線で長く活躍する人は屈強な身体に加え、運動神経も持ち合わせているのです。(そういえば昔豊真将が阿炎の運動神経を褒めていました)

他を寄せ付けぬ勝利への執念

「ハングリー精神」
モンゴル力士の出世が多い理由としてよく使われる言葉ですが、
朝青龍の場合は他とは一線を画、すものだったように思います。
日本で必ず成功してやるんだというものではなく、
目の前にある一番に懸ける想いが他の誰よりも強かった、
朝青龍の相撲からはそんな強い気持ちを感じることが出来ました。
本来神事である相撲において、土俵上において喜怒哀楽を表にだすことは美しいことではありませんが、勝ったあとのドヤ顔や雄叫び、負けた時の悔しい表情。
朝青龍の勝利への執念は凄まじいものでした。
貴乃花と最後に取り組んだ一番で敗れた花道での雄叫びを見た時、
この力士を超える想いを持つことが出来なければ、朝青龍時代が天下を取るのも近いだろうと予感したものです。

以前平成相撲史をNHKで特集した際、朝青龍がゲストで登場しました。
その時現役時代の破天荒な映像を見て「これはダメです」と一言。
大人になった朝青龍。でもあの頃の横綱朝青龍のファンは、今も沢山日本にいるはず。

戻って来てほしい朝青龍

最後が歯切れの悪い終わり方になってしまったので、実績のわりに公式の場で特集されたり取り上げられる機会が少ないですが、紛れもない実績とそれ以上のインパクトを残した朝青龍。その技術と横綱の矜持をぜひ後進に伝えて欲しいと思っています。

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