親方が去り、兄弟子が去り、そして兄が土俵を去った貴源治。
来場所は自身も十両からの出直しになります。
このブログでも何度も話題にしてきましたが、九州場所は
今度こそ貴源治にとって心機一転の場所になるはずです。
そして、きっかけの場所にしなくてはならない場所です。
恵まれた身体とセンス、そして何より血の滲むような努力をしてきた結果、
早くから出世し話題にもなってきました。
これは評価できることであり紛れもない事実ですが、
ここまでの相撲人生で注目してもらえていたのは、
平成の大横綱を師匠に持ち、双子力士・双子関取という
副産物があったこともまた事実です。
関取昇進直後は、メディアでも取り上げられたり、
解説などでも親方衆は絶賛していました。
西岩親方の「数年後には大関に・・・」という発言は今でも鮮明に覚えています。
あれから数年経ちました。
貴源治の現在の立ち位置は、幕内の壁に弾かれた十両力士です。
かってしのぎを削った貴乃花一門や同世代の若手力士達は皆どうしているか?
貴景勝はじめ、阿武咲、明生、阿炎・・・
もう貴乃花の弟子ではありません。
双子関取でもありません。
千賀ノ浦部屋の十両力士であり、
部屋頭を務めるのは弟弟子の大関です。
しばらくは、多くの雑音が耳に入り、
嫌な質問などもあるかもしれません。
来場所は豊昇龍や琴手計が関取になり、
続々と若手が番付を駆け上がってきます。
かつては貴源治にかけていた、末は横綱大関という言葉が、
次々と別の若手の代名詞になっていきます。
しかし、相撲未経験にも関わらず、
学生相撲の実力者正代に土を付け少年は、今もまだ錆びついてはいないはずです。
貴源治に光り輝く未来を予感している人が今も沢山います。
そんな期待のためにも、これからは二人分の「貴」を背負い
土俵に立ち続けなければなりません。
兄の情熱も背負い、相撲道に勇往邁進する姿を期待しています。