試練の先へ【貴景勝未来に向かって】

それにしても相撲の神様は彼に次々に試練を与えるようです。

自らの名に刻まれた師匠との決別、部屋の閉鎖。
貴景勝はそれを乗り越え、初優勝という結果で応えました。

その直後、今度は入門時から鍛え上げてくれた貴ノ岩との別れがありました。
貴景勝は恩人を追い抜き、大関昇進という結果で
彼らが歩んだ相撲道が間違っていなかったことを証明しました。

しかし大関昇進のムードが、まだ残る直後の場所、今度は怪我が貴景勝を襲います・・・

じっくりと休養を取り復帰をかけた秋場所直前、切磋琢磨した貴ノ富士の躾問題が発覚。
例のごとく周りがざわつきます。
そんな中、貴景勝は大関復帰どころか場所を引っ張り優勝決定戦まで進む大活躍を見せます。

ところが今度は再び怪我。そして貴ノ富士の引退。

わずか1年余りでの出来事です。
力士は怪我との戦いではありますが、貴景勝は怪我との戦いだけでなく、環境が変化し、マスコミに追われ続け(一部で叩かれ)る集中しづらい中でずっと稽古に精進してきました。

先代が「どちらか選ぶ時は、厳しい方を選べ」と言っておりましたが、
自然に試練が貴景勝を襲い続けています。
にも関わらず、貴景勝は一度も弱音を吐かず、
その試練に正面からぶつかり、それを超えてきました。
弱音も吐かず、誰かや周りのせいにすることもなく、淡々と。

そんな貴景勝をサムライのように表現する向きもありますが、
時々見せている可愛らしいところを見ると、やはり23歳の青年だと感じます。
唯一、相撲道において「不惜身命」を貫いていることだけが、
他の力士と異なる部分なのかもしれません。

貴景勝は、試練を試練と思っていないかもしれないですが、
個人的には、そろそろ相撲の神様から大きなご褒美があることを願っています。

腐らずに歩み続ける青年の未来が更に輝くことを願ってやみません。

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