横綱-外国人初の横綱-曙太郎

外国人初の横綱曙太郎

横綱が書いた「横綱」

今回は大相撲に関する書籍をご紹介させて頂きたいと思います。

今回ご紹介するのは、第64代横綱曙太朗氏が書いた書籍その名も、、、

「横綱」

横綱が書いた横綱。ややこしいサブタイトルもなく、まさにそのまんまのタイトルです。

ネットで探そうとすると「曙」と「横綱」がキーワードになりますので、なかなかに困難な一冊です(笑)。

曙が語る真情

現在と同じように相撲人気が高かった曙貴時代・若貴フィーバーの頃、それに便乗した相撲関連の特番や出版物も多かったのですが、曙や若乃花、貴乃花といった当人同士は、現役時代土俵外での交わりがほとんどなく、現在の心境やお互いの存在について自ら語ることがほとんどありませんでした。

そんな中、曙が引退した直後に発行された一冊です。

曙引退時には、ライバル貴乃花をはじめと、実際に土俵上で対戦した力士の多くがまだ現役で相撲をとっていたため、生々しい話も多く非常に興味深い内容でした。 (既に引退していた若乃花も「独白」という本を発行していましたが、若乃花側の視点からで、曙側からの視点が新鮮でした)

現役時代はどちらかと言うとヒール役の曙でしたが、「横綱」という日本人にとっても説明・理解するのが難しい地位で、圧倒的な伝統に囲まれ、かつ無形の存在を理解をするため、懸命に考え、周囲に耳を貸す青年横綱曙の姿には心を打たれます。

外国人横綱について改めて考える

高見山が切り開き、小錦が道を作った上を自分は歩いた」

このように発言している曙ですが、たとえ高見山や小錦が切り開いた道や、築いた礎がすでに存在いていたとしても、異国の地からやって来た力士が「横綱」を絞めることに対しては、横綱曙誕生当時の日本人にも違和感があったはずです。

そして、海外出身力士として最高位を勝ち取った 曙太朗という横綱が存在し、横綱という地位について、曙が懸命に理解しようと努力し振舞い土俵を勤めたからこそ、その後次々と誕生することになる外国人横綱に対して日本人は多少なりとも寛容に見ることが出来たのではないでしょうか?

その一方、外国出身力士や横綱が当たり前になった現代でさえなお、「日本人の心」や「横綱という地位」は外国人には理解出来ないという空気は、残念ながら変わらず存在しています。

若貴フィーバー当時、真っ先に番付の頂点を極め、そのど真ん中にいた横綱が語る心の内なので、読んでいて楽しめる一冊ですが、その一方で日本人力士や外国人力士、そして横綱というそれぞれの存在や立ち位置について、改めて考えさせられる、そんな一冊でもあります。

若貴時代から相撲に興味を持った方にはぜひ読んで欲しい一冊です。

 

横綱
序章 一人の力士として
第1章 引退
第2章 ハワイ
第3章 日本へ
第4章 横綱昇進
第5章 試練
第6章 家族
第7章 復活

  

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