番付に温情を!-琴太豪新十両ならず-

琴太豪幕下2枚目で勝ち越し

琴太豪
令和2年春場所
西幕下2枚目で4勝3敗

13日目、朝玉勢との一番に勝利した後、
花道の奥で同郷の先輩嘉風に握手を求められていました。

長く大相撲を見て来ても、幕下と十両の狭間における
ドラマと熱き戦いは、変わらず胸を熱くさせてくれます。

常に幕下15枚目以内にいる実力者ながら、5枚目以内では勝ち越せない。

琴太豪の名前を聞くとそんな印象がありましたが、ここ最近では琴ノ若や琴勝峰など後輩の躍進もあり、期するものもあったのではないでしょうか?

そんな中で、春場所は幕下5枚目以内での始めての勝ち越し。

琴太豪新十両は見送りに

当然周りも新十両を期待していたでしょう・・・。

しかし結果は、

新十両見送り。

恐らく来場所の番付は東幕下筆頭になるでしょう。

昇進が、朝弁慶、千代ノ皇、富士東。

陥落が、友風、朝玉勢、失後

幕下上位と十両下位の星勘定をすると、妥当であり不当な扱いとは思いません。公傷制度が無くなった際、東西14枚になったと記憶しており、
これが定数なのはわかっていますが歯がゆい限り。

十両の枠調整は出来ないのか??

こういった十両昇進をめぐる不運なことが起きるたびにいつも思うのが
「十両の枠が増やせないのか?」ということです。

毎場所でなくていいです。本当に微妙な時だけでも出来ないでしょうか?

以前は張出横綱や大関、関脇や小結などもあったと思います。

もちろん番付のバランスも理解しているつもりです。

しかしでも敢えて言いたいのです。
幕下以下の力士はみな関取になる日を夢見て、毎日辛い稽古に歯を食いしばって精進しているのです。

東幕下筆頭いわゆる大頭と、西十両14枚目は1枚ではなく、わずか半枚しか変わらないにも関わらず、その待遇には天と地の差があるのです。
4枚目4勝の昇進など、今回とは逆で番付運に恵まれる事もあります。

だからこそ、十両の定数に関しては少し温情を見せて欲しいのです。
それを乗り越えてこそという意見もあるかもしれませんが、
色々と乗り越えなければ既に幕下の上位まではこれないはずです。

藤ノ花・下田・春日国・ 駿河司

番付運とは違いますが、これまで十両あと一歩で涙を飲んだ力士がいます。

藤島部屋にいた藤ノ花は、幕下4枚目5勝で見送られてしまいました。
智ノ花引退が遅れたのが原因でしたが、番付編成会議以降にも
新十両昇進が認められていればと当時思ったものです。

初土俵で全勝を果たし、幕下1場所通過の快挙と騒がれた下田でしたが、
翌場所は幕下筆頭に留め置かれました。
実力者だったので、遅かれ早かれ上がると思われましたが、
結局最初で最後のチャンスでした。
宇映、若圭翔と四股名を変えましたが、流れは変わらなかったようです。

昨年引退した春日国も、幕下5枚目6勝。
結局上がり切れずに翌場所筆頭どまり。

個人的に可哀そうだと思ったのは、駿河司。
5枚目以内で2回勝ち越しも、陥落者との兼ね合いで共に見送り。

十両昇進は特別

番付は生き物なので、番付運に左右されるのは当り前かもしれません。
新入幕や三役昇進、朝乃山の大関昇進も、大関の片方が空位という
番付運の面を多少含んでいたはずです。

しかし、十両昇進は特別な意味を持っています。

そして、通常であれば昇進出来たようなケースは、
そう頻繁に起こるものではありません。

十両昇進を決め、花道で泣く力士。
これまでの精進を想うと何とも言えない気持ちになります。

誰も損をしません、誰も悲しみません。
ぜひ十両昇進に幅を持たせる制度を作ってほしいと思います。

琴太豪次こそ新十両昇進を祈ります!

 

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