大相撲春場所は開催できるのか??

コロナの影響で休場44名

1月31日、幸せ続きの反動かのような御嶽海の新型コロナウイルス感染が判明。2月2日には隆の勝や大栄翔などの関取6人の感染が判明。

花相撲が続くために参加者にPCR検査をしたところ、4日には横綱照ノ富士と、大関貴景勝など12人の関取衆や親方衆などの感染が判明しました。

その結果、2月5日の嘉風引退相撲では濃厚接触者も含めて44名の力士が休場、急遽当日の割が組み直されるという事態になりましたが、様々な機転を利かせて引退相撲は無事に終了。翌日開催予定だった大相撲トーナメントの方は中止となりました。

これまでも延期をしており、鋏を入れるためにスケジュール調整をしている多くの来場者がいる断髪式を急には中止できません。

細かい裏事情は分かりませんが、今回の「引退相撲は実施」、「トーナメントは中止」という決定に関しては、個人的には良い選択だったと思っています。

今回は、この大量離脱というピンチを乗り切った形になりましたが、来月に迫る春場所をどうするのか?決断をしなければならないタイミングが、刻一刻とやって来ています。

大きく感染者が増えている状況の中、春場所の開催に関して、どのような決断をすれば良いのか?を考えてみたいと思います。

前年の春場所はどうだったか?

もう忘れてしまった方も多くいらっしゃるかもしれませんが、昨年の春場所は「東京(国技館)開催」でした。

なぜ春場所を、大阪ではなく東京開催に決めたのか?

その理由を当時のネットニュースから拾ってくると、相撲協会はこのように説明をしています。

「大阪府を含めて出されている緊急事態宣言の解除が見通せないことや、約900人にも及ぶ協会関係者の移動や宿舎の感染予防策、感染した際の医療体制の確保などが十分でないことなどから東京開催に至った。」

昨年は、ほぼ何かしら発令されていたので忘れていましたが、昨年はまん防ではなく緊急事態宣言だったようです。

緊急事態宣言なのか?まん防なのか?はさて置き、昨年東京開催に至った理由に挙げられている「協会関係者の移動や宿舎の感染予防策、感染した際の医療体制の確保 」に関しては、少しは改善された部分があるのかもしれませんが、最も場数を踏んだ国技館での感染予防や、部屋での感染対策と比べると、大阪開催の場合でのリスク面は、今年も状況はあまり変わらないような気がします。

エディオンアリーナか?国技館か?

大阪開催のメリット

コロナ禍になってからの本場所の開催状況を見てみると。。。

(令和2年)
初場所:国技館、春場所:大阪(無観客)、夏場所:開催中止、名古屋場所:国技館、秋場所:国技館、九州場所:国技館

(令和3年)
初場所:国技館、春場所:国技館、夏場所:国技館(3日目まで無観客)、名古屋場所:名古屋開催、秋場所:国技館、九州場所:九州開催

この2年間を辿ってみると、特に大阪は昨年開催しておらず、その前年も無観客開催です。万が一今年も国技館開催になった場合は、大阪で有観客の興行を3年間実施していないことになり、関西の後援者やファン離れを考えると大きなデメリットになります。

各部屋(特に関西に太いタニマチを持つ部屋)の懐事情、利益的な部分はもちろんですが、今回のコロナで最も貧乏くじを引いている春場所(関西のファン)の為にも、何とか有観客で開催したい想いは強いはずです。

大阪開催のデメリット

大阪開催を前向きな姿勢で考えたい一方で、やはりデメリットもあります。

まずは「感染者の大量発生とそれに伴い興行が立ち行かなくなること」です。

今回嘉風の引退相撲を見ても分かるように、現在の感染者と濃厚接触者への対応が変わらない限り、本場所で割り返しや不戦勝が大量に発生するはずで、場合によっては途中での中止になる可能性もあるかもしれません。

現在の感染力を考えた時、正直今回の引退相撲での休場者は、それほど驚く数字ではありませんでした。仮にどこかの組織全員を対象に検査をすれば、あれくらいの数字は出てくるのではないでしょうか?

しかしそのような状況になった場合、恐らく世論的にバッシングが始まり、マスコミ的には最高のネタになることでしょう。そこは避けるべきです。

そして多くの感染者は無症状だと言いますが、相撲界の場合は基礎疾患を持っている力士や親方も多いので、蔓延が酷くなるとそれも心配です。

国技館無観客が無難か?

こうして考えてみると、東京(国技館)での無観客開催が最も無難な気がしてきました。

現在の感染力から考えると全員に毎日検査を行った場合、毎日感染者がゼロというのは考えにくく、そこに大阪への移動などが伴えばより可能性が高くなるはずです。

そうなると東京で開催し、かつ無観客で行うのが最もリスクが少ないように思えます。

ガイドライン違反者に対して最も厳しい処分を下したのは、本場所の実施が出来なくなる事によっての損害という理由が大きいのであれば、なおさら確実に放送権の収入を得るための動きをするのが妥当かと思います。

全国の相撲ファンも「本場所がない」「途中で中止になってしまった」というよりも、テレビでもいいから見たいという意見になるはずです。

色々ご意見があると思いますが、ぜひ最低でも東京無観客で開催して欲しいと思います(気持ち的には開催して欲しい)。

嘉風引退相撲に見る創意工夫

最後にコロナ繋がりの話題になりますが、今回直前で44名もの休場者が出ることが判明した嘉風の引退相撲ですが、直前での対応だったにも関わらず見事なまでの対応力だったと思います。

今回休場者の名前を見た時、少人数での土俵入り(昨年の十両でもありましたが)や、取組の少なさや物足りなさを心配しましたが、素晴らしい案で魅了してくれたと思います。

十両と幕内合同の土俵入りや、幕内VS十両の取組。むしろ1日限定、史上初のプレミア感満載の割です。

当日の出迎えに関しても関取が立てないのであればと、これまでの嘉風が出迎えに立つという工夫。

人生には予期せぬアクシデントが度々起こりますが、それをマイナスと捉えずに、そのタイミングでしか出来ないやり方や工夫で乗り越える。

相撲同様に、逃げずに立ち向かう嘉風らしい引退相撲。

ファンは、最後にまた勇気をもらったのではないでしょうか?

 

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