史上最強の大関は誰だ??

魁皇は本当に最強大関なのか?

先日SNSで魁皇が話題になり、その際に「最強大関は魁皇」と発言をしました。

以前から「最強の大関はだれか?」という話題になる度、幕内最高優勝5回を誇り、長く上位に君臨した魁皇こそ「最強大関」と言い続けてきました。

しかしその根拠は?と聞かれたら、優勝回数を除いて、明確な数字を出してまで証明したことがなかったので、今回は最強大関は本当に魁皇だったのか?もしそうでなければ真の最強大関は誰なのか?というところを勝手に考えていきたいと思います。

最強大関の条件

歴代の大関達を比べるにあたり、期間や条件を絞って決めていきたいと思います。そうしないと、大相撲史上最強と言われる雷電為右衛門まで入ってしまいますので(笑)

横綱昇進力士を除く

以前大関昇進前後の成績を、最高位大関の力士と、後に横綱昇進した力士で比べる記事を書きましたが、やはり今回も「最高位が大関の力士」に限定したいと思います。

 

 

そして「最高位大関」ということになると、当然現役の力士も対象外になってきます。

年6場所制のみ経験

次に期間を定めますが、こちらは現在と同じく本場所が年6場所開催されている中で相撲を取って来た力士とさせて頂きました。この期間に限定すると豊山以降の大関が対象になります。

なぜ年6場所制にするのかと言えば、昇進や優勝のチャンス、在位場所数などが統一して比べることが出来ないからです。また、昇進基準が昔は甘い印象もありますので。※境目辺りの力士で間違っている力士がいたらすみません。

大関在位場所

ここまでの2条件で対象になる大関は、豊山~豪栄道までの27人になりますが、最後の条件として、大関在位18場所という条件を加えたいと思います。

ワンチャンスであっても一度大関昇進をしたら、3年は努めて欲しいという気持ちで18場所とさせて頂きました。

この条件を加えると、27人の大関達から下記9人が外れます。

琴光喜(17)、霧島 (16) 、把瑠都 (15) 、出島 (12) 、前の山 (10) 、魁傑 (9) 、雅山 (8) 、増位山 (7) 、大受 (5)

ということで、最強大関の対象者は残り18名中で決定したいと思います。

優勝回数

まず大関としての優勝回数から見ていきたいと思いますが、今回の対象者の中で、大関として優勝を飾っている力士は全部で11名います。

トップは魁皇の4回。魁皇は小結時代にも優勝を飾っているので、生涯で5回の優勝を飾っています。これは最高位大関の力士としては最高の数字で、横綱に昇進した力士でも、優勝回数が5回に届いていない力士も数多存在します。当然横綱目前まで迫った力士でした。

次に多いのが小錦と栃東で、共に3回の優勝を飾っています。

特にそれぞれ3回目の優勝は印象的で、小錦は優勝後にあの有名な「外国人力士不要論」が巻き起こり、栃東に至っては、この優勝の後10年間日本出身力士の優勝が誕生しませんでした。

その他複数回優勝を飾っている力士は、貴ノ浪、若嶋津、千代大海、貴ノ花の4人です。

在位場所数

次に大関に在位していた場所数を見ていきたいと思います。

今回の選出条件として、「3年間以上大関に在位」という条件を設けましたが、やはり長く続けることは大切です。

こちらは65場所で2人の大関が並びました。

一人目はこちらでもトップの魁皇。10年以上大関に君臨していました。

そしてもう一人がウルフが育てた千代大海。魁皇よりも初土俵は遅かったですが、大関昇進は魁皇よりも早く、彼の大関昇進が、当時しばらく昇進のない閉塞感に終止符を打ちました。

ちなみに千代大海に引導を渡したのが魁皇というのも面白い運命を感じます。

その他、30場所(5年)以上大関に在位していた力士は、下記の通りです。

貴ノ花(50場所)、琴欧洲(47場所)、北天佑(44場所)、小錦(39場所)、貴ノ浪(37場所)、朝潮(36場所) 、豊山(34場所) 、豪栄道(33場所) 、琴奨菊(32場所) 、栃東 31場所)

大関として複数回優勝した力士の殆んどは、やはり長く大関に在位しているのが分かります。

大関在位中の二桁勝利

大関は2場所続けて負け越さなければ陥落しないので、極端な話ギリギリ勝ち越しを続ければ、綱渡りで続けることも出来なくありませんので、大関の勝ち越しと言われる二桁10勝について触れてみたいと思います。

二桁勝利回数

まずは大関として二桁勝利した場所数ですが、1位が千代大海の27場所、2位が魁皇の23場所。

必然的に在位数の長い力士にチャンスが多くなるので、在位数トップの二人がワンツーフィニッシュしています。

3位以下の顔ぶれを見ると、貴ノ浪18場所、小錦17 場所、北天佑16 場所、豊山16場所、貴ノ花 15場所 、琴欧洲14場所。。。

やはり在位場所数と似た顔ぶれが並んでいる印象です。

大関としての二桁率

ここまでの項目は、在位数に依存する傾向になるので、ここで少し見方を変えて、在位場所中どれだけ二桁勝利を挙げることが出来たのか?という「二桁勝利率」を調べてみたいと思います。

全18力士中二桁率40%を超えた力士は6名。

トップは琴風の22場所中13回の「59.09%」。ちなみに二桁率50%を超えた大関は琴風のみで、7場所連続二桁勝利も挙げています。

その他40%超えの力士は下記の通り。

貴ノ浪37場所中18回「48.65%」、豊山34 場所中16回「47.06%」、小錦39場所中17回「43.59%」、若嶋津28場所中12回「42.86%」、千代大海65場所中27回「 41.54%」

琴風は現役時代を知りませんが、貴ノ浪の安定感イメージはたしかに強かったです。「大関で安定期が長く、綱渡りで大関維持する期間は短く陥落は比較的あっさり」そんなタイプがランクインしているのかもしれません。

10年以上在位している中で、千代大海の40%超えは高い評価に値すると思います。

総合的にはやっぱり魁皇

ということで、色々と数字を調べてみましたが、結論としては「最強大関」と言えば魁皇になるのではないでしょうか?

今回ご紹介した数字を魁皇だけでまとめてみると。。。

大関在位中での優勝回数4回(1位)
大関在位数65場所(1位タイ)
大関在位中二桁勝利数23回(2位)
大関在位中二桁率35.38%(10位)

ちなみに二桁の中でも、優勝に絡む可能性のある12勝以上を挙げた数も、歴代3位の9回。12勝以上の確率も13.85%でこちらは歴代5位。充分に最強大関に値する数字だと思います。

(参考までに12勝以上の回数と在位中の確率上位5名)
貴ノ浪10回(27.03%)、小錦10回(25.64%)、若嶋津5回(17.86%)、栃東5回(16.13%)、魁皇9回(13.85%)

晩年しか知らない相撲ファンは、ギリギリで大関を維持をしている印象かもしれませんが、モンゴル隆盛時代最後までその壁となり、横綱稀勢の里誕生よりずっと前に、一瞬でも日本人横綱誕生の期待を持たせてくれた力士でした。

魁皇は大関昇進前も実力者ではありましたが、全盛期だった藤島部屋勢や曙、その後絶頂期を迎える武蔵川勢全てと対戦をする立場であり、生まれてくる時代が少し早すぎたかもしれません。

ということで、個人的には最強大関は魁皇ということで締めさせて頂きたいと思います。

ちなみにこの「魁皇」という四股名ですが、本当にカッコいい四股名だと思いますので、ぜひ継承してもらいたいなと思っています。

 

にほんブログ村 格闘技ブログ 相撲・大相撲へ
史上最高の大関は魁皇
最新情報をチェックしよう!
広告

魁皇その他の記事