横綱と大関に力の差はあるのか?

横綱と大関を比べてみる

以前のブログで、2000年前後より後に大関昇進した力士達の昇進前と後の成績を見比べてみましたが、今回は後に横綱昇進した力士達の大関時代前後の成績を見ていきたいと思います。

果たして最高位が大関で終わった力士達と、横綱まで昇進した力士達に数字的な違いはあるのでしょうか??(あるから横綱になったとは言わないでください笑)

前回のブログ
↓ ↓

横綱の大関昇進に関わる数字

今回対象にする力士ですが、2000年前後よりも少し広げて(人数が減ってしまうので)、曙以降の横綱を対象にしたいと思います。

まずは大関昇進に関わる数字。

前回と同条件で算出してみたいと思いますので、各力士達の大関昇進5場所前までの各場所の勝星と合計、その平均勝利数を記してみたいと思います。

曙:7勝、8勝、13勝、8勝、13勝(優勝)。合計49勝(平均9.8勝)
貴乃花:9勝、8勝、14勝(優勝)、10勝、11勝。合計52勝(平均10.4勝)
若乃花:9勝、10勝、14勝(優勝)、10勝、13勝。合計56勝(平均11.2勝)
武蔵丸:9勝、8勝、8勝、13勝、12勝。合計50勝(平均10勝)
朝青龍:10勝、8勝、11勝、11勝、12勝。合計52勝(平均10.4勝)
白鵬:6勝、9勝、9勝、13勝、13勝。合計50勝(平均10勝)
日馬富士:8勝、9勝、10勝、12勝、13勝。合計52勝(平均10.4勝)
鶴竜:10勝、9勝、10勝、10勝、13勝。合計52勝(平均10.4勝)
稀勢の里:10勝、8勝、10勝、12勝、10勝。合計50勝(平均10勝)
照ノ富士:6勝、8勝、8勝、13勝、12勝(優勝)。合計47勝(平均9.4勝)

平均勝利数はおおよそ10勝前後になり、以前のブログで書いた最高位大関の力士達と比べてみても、正直それほど変化はない印象を受け、むしろ前回のブログの主役だった正代の11.2勝が高いとさえ感じます。※対戦力士の顔ぶれや部屋のパワーバランス、上位陣の人数などは考慮していません。

三役で二桁勝利を納め始めた頃から「大関昇進」の声が出てきますが、やはりコンスタントに10勝出来る実力を付けた辺りが、大関昇進の目安と言えるようです。

横綱の大関昇進後に関わる数字

それでは次に、その力士達の大関昇進後の成績を見ていきたいと思います。条件は前回と同様、大関昇進後8場所の数字です。

貴乃花:96勝(平均12勝):優勝3回、負け越し1回、二桁7回
若乃花:69勝(平均8.6勝):負け越し2回、二桁4回
武蔵丸:96勝(平均12勝):二桁7回
日馬富士:79勝(平均9.8勝):優勝1回、二桁4回
鶴竜:73勝(平均9.1勝):二桁3回
稀勢の里:81勝(平均10.1勝):二桁7回
照ノ富士:57勝(平均7.1勝):負け越し3回、二桁2回

貴乃花の圧倒的な数字が目立ちますが、同じくらい武蔵丸の強さや安定感が分かります(そもそもこの数字で8場所優勝がないことにも驚きますが)。

横綱昇進に疑問を持った意見も一部ではあった稀勢の里も、この数字を見ると十分に実力があったことが分かり、日馬富士も大関では納まりきらなかった実力が垣間見えます。

ちなみに今回の条件は大関昇進後8場所の成績ですので、8場所後に横綱に昇進していた白鵬や、同じく5場所後に横綱に昇進していた曙は算出できず、朝青龍にいたっては4場所後には連続優勝から横綱昇進を果たしていました。

参考程度に彼らの数字を記載します。

曙:休・9勝・14勝・13勝:優勝2回
朝青龍:10勝・14勝・14勝:優勝2回
白鵬:14勝・13勝・8勝・休場・10勝・13勝・全勝:優勝3回

朝青龍は平均勝利数が12.3勝。

曙と白鵬も全休の1場所を入れずに算出すると、こちらもやはり12勝で、貴乃花や武蔵丸と同じ数字になります。

どうやら後に二桁優勝を果たす横綱は、大関昇進直後から既に実力が抜けているようです。

横綱昇進力士も分かれる成績

今回改めて数字を算出してみたことで、横綱昇進を果たす力士はやはり全体的に数字が良いという傾向が分かりました。

しかしその中でも、前述したような大関昇進直後から既に実力が抜けているような「早期横綱昇進タイプ」と、挑戦を受ける側に変わり、苦戦しながら徐々に星を伸ばしたり連続優勝したりで昇進を果たす「努力型昇進タイプ」に大きく分類されることが改めて分かりました。

正代の成績がきっかけで始めた今回の数字集めですが、個人的にはなかなか面白い結果になりましたので、これからも何か気になることがあれば調べてみたいと思います。

(おまけ)

ちなみに照ノ富士ですが、後に横綱昇進を果たした力士としては、今回の条件の中で例外的な存在でした。

興味のある方は調べて頂ければと思うのですが、2回目の大関昇進の数字が圧倒的です。

大関昇進8場所前は幕下におり、大関に在位していたのはわずか2場所。再浮上してくる中で、既に横綱の力を付けていたことがわかります。

 

にほんブログ村 格闘技ブログ 相撲・大相撲へ
横綱と大関に力の差はあるのか?
最新情報をチェックしよう!
広告