一時は開催も危ぶまれた大相撲春場所でしたが、手に汗握る熱戦を制した新関脇若隆景の見事な優勝で幕を閉じ、終わってみれば大いに盛り上がった場所となりました。
相撲ファンの中においては場所ごとに人気を上げている若隆景ですが、今場所の優勝とそのイケメンぶりで人気は更に高まり、今後一気に全国区になっていくことでしょう。
今回はそんな若隆景について、私の感じる魅力を勝手に紹介していきたいと思います。
色気のある力士若隆景
優勝争いをする中でテレビ画面に映し出される回数も多くなりましたが、若隆景の魅力は何と言ってもまずそのビジュアルです。
そのイケメンぶりに、今回の優勝でファンになったスー女達も多いのではないでしょうか?
非常に髷の似合う顔立ちになりますので、 顔のつくりは異なるものの、イケメンの部類としては、 春日山親方(元関脇勢)と同じになるように思います。
そしてその顔立ちはもちろんですが、体系、筋肉の付き方、土俵上での所作などその姿は凛としており、まさに「美しいお相撲さん」です。
個人的に若隆景の好きな瞬間は、水を付けられた後に、蹲踞したまま花道奥を見つめる刹那と、激しい相撲を取った後、乱れた髷で花道を引き揚げる姿です。
まさに技能賞!その相撲ぶり
技能賞を3回受賞している実績は勿論ですが、今場所も多くの解説者や親方達が評価した「下から攻める」その相撲ぶりも魅力的です。
幕内では照強、石浦に続いての軽量力士ながら、大きな力士に対しても真っ向から立ち向かい、おっつけで相手の身体を起こしてから攻めるという、ケレン味のない爽やかな相撲を取ります。
アクロバティックな投げ技や足技を使うのではなく、小さい体の力士が大きな力士に正攻法で勝つ方法を見事に体現しているように思います。
大波三兄弟の三男
テレビでも散々紹介されましたが、若隆景は三人兄弟の三男で、兄二人と共に角界では「大波三兄弟」として有名です。
兄二人は同じ荒汐部屋に所属しており、長男は幕下若隆元(わかたかもと)、次男が幕内若元春(わかもとはる)。
幕内定着し始めた頃からアナウンサー泣かせとなった四股名、「わかたかかげ」ですが、この四股名はこの二人の兄達とセットになっているものです。
毛利元就が、息子3人に対して「矢は1本では折れてしまうが、3本束ねると折れない。だから兄弟で力を合わせろ」と語った話は有名ですが、その息子3人の名前を長男から順に取った四股名になっています。
大波三兄弟の話題になると、井筒三兄弟が引き合いに出される事も多いですが、実はこの三兄弟は「同時関取」は果たしていません。鶴嶺山と寺尾が入れ違いになっています。
今場所、勝って花道を引き揚げる若隆景の付き人として、長男の若隆元の姿が映し出されることが多かったですが、多くの相撲ファンが史上初の3兄弟同時関取を期待しています!
そして、次男の若元春も徐々に番付を上げてきており、こちらには若貴以来の兄弟同時三役そして三賞も期待しています。
おじいちゃんは元小結若葉山
この大波三兄弟は兄弟だけでなく、家族も相撲一家として有名です。
今回の優勝でメディアにも度々紹介されたお父さんですが、元幕下若信夫という力士でした。そしておじいちゃんは「足取り名人」と言われた元小結若葉山で、先場所若元春が、若葉山の化粧まわしを復刻して付けたのが話題になりました。
通常であれば、おじいちゃんの四股名を誰が継ぐか?という話題になりそうですが、三兄弟の四股名セットのクオリティーが高いので、どうやら若葉山は永遠におじいちゃんの名前のようです(この若葉山も実は以前の力士から継いだようですが)。
ちなみに男系での相撲一家と思われがちですが、若葉山の息子が若信夫ではありません。若信夫が若葉山の娘さん(大波三兄弟のお母さん)と結婚しました。
荒汐部屋でハコ推し
今回の優勝で若隆景のファンになり、これから応援しようと思われている方は、ぜひ「荒汐部屋」をハコ推ししてください。
大波三兄弟の応援はもちろん、苦労の末に十両昇進を果たした荒篤山。
現在の親方はまだ髷を結った「蒼国来」が勤めていますが、現役時代の紆余曲折を経ての部屋継承という背景もぜひ知って下さい。
再雇用制度で残る親方が多い中、スパッと譲られた先代。
既に亡くなってしまいましたが、一時はネコが親方で所属していたという話題性。私自身が後援会に入っているわけではないですが、何だかほっこりする部屋です。
部屋も親方もSNSをしているので、これを機会にぜひフォローしてみると良いかもしれません。
結婚していて子供もいる
私も始めて知ったのですが、若隆景って結婚して子供もいるのですね。
今回の優勝で一気に全国区になった若隆景ですが、もし「彼女募集中」だったらもっと騒がれたんでしょうねきっと。
26歳の時点で四児の父だったそうですが、大学時代から付き合っていた方と、十両昇進と共に結婚して長女も誕生していたって。。。結構ギリギリの所で十両昇進されたのですね(笑)
でもまあ結果オーライということで。
若隆景は大関になれるか?
今回の優勝で、世間では「大関」の声もチラホラ出て来ています。
個人的には無理に大関に昇進するよりも名関脇でいた方が、現在の相撲ぶりを存分に発揮できるような気もします(大関昇進で相撲が小さくなったと言われている北天佑をいつも思い出してしまう)。
体も小さく「挑戦を受ける立場」になった場合、怪我も増えるのではないかとも心配してしまいます。
しかし、上を目指せないか?と聞かれればそんなことはないと思います。
若隆景の相撲は二人の力士に似ており、進化すると二代目栃東になり、更に進化すると三代目若乃花になるような気がします。
栃木山以来、小さな力士であってもおっつけを極めることで上に行った力士は存在します。
若隆景はじめ大波三兄弟には来場所以降も大期待です!
そして今回祖父から続く「相撲一家」として日本中で話題になった「大波三兄弟」ですが、祖父が大横綱、父が名関脇という類まれなるサラブレッド三兄弟も角界には存在します。
ぜひ三兄弟対決にも注目したいものです。