三段目90枚目格って何が変わるのか?

三段目100枚目格→90枚目格へ変更

日本相撲協会は3月31日協会員規則の一部変更を承認し、三段目付け出しについて、これまでの100枚目格から90枚目格に変更しました。

これによって、5月場所に二所ノ関部屋から初土俵を踏む嘉陽快宗が、これまでの三段目100枚目格からではなく、三段目90枚目格から初土俵を踏むこととなりました。

こんな記事がネットニュースで出ておりましたが、この意味はおろか、そもそも三段目付け出って何か?という質問を頂きましたので、今回はこのニュースについてと、三段目付け出しについてご説明したいと思います。

三段目格付け出しとはなにか?

まずこの「三段目格付出」ですが、これは2015年に新設された制度で、入門時の番付を三段目の最下位から始められるという制度になります。

以前のブログで「幕下付け出し」について詳細を説明させて頂いたかと思いますが、その「三段目バージョン」が、この三段目格の付け出しになります。

 

 

厳格化された幕下付け出し制度により、以前に比べて幕下付け出しの対象者が減少。入門すれば出世する可能性の高い選手も「付け出し資格がないから」と、プロを選択しないケースが出て来てしまい、入門者が減る角界にとってマイナスになっていました。

また、幕下付け出し資格を取得することが出来ずに入門する場合は、アマチュア相撲の強豪が序ノ口からスタートすることになってしまい、未経験で入門してくる新弟子が1勝分損してしまうことにもなりました。

そんな中で生まれたのがこの「三段目格付出制度」です。

定められた4大会の優勝者に幕下付け出しの資格が与えられるのに対して、この4大会でベスト8に入った者には三段目格付け出しの資格が与えられます。

幕下の最下位だと結局改定する前とあまり変わらない、かといって序ノ口や序二段だと強すぎるし、序二段は定員が決まっていないので○○枚目と決めづらい、じゃあ三段目の一番下からスタートにしよう。。。簡単に言ってしまうとそんな感じの制度です。(適当)

取得の条件は幕下付け出しと同様で、中学の卒業見込みを含む義務教育を終了、申請日時点で25歳未満の男子であることです。

これまでの三段目格入門力士

これまで「三段目格付け出し」の資格を使って初土俵を踏んだ力士は、2016年春場所の朝乃山と豊山からのべ14名。

最高位は朝乃山の大関、先場所初賜杯を抱いた若隆景など約半分が関取に昇進していますが、まだ設立して日が浅い制度ですので、これからの顔ぶれが並んでいます。

朝乃山(高砂部屋)、豊山(時津風部屋)、朝志雄(高砂部屋)、若隆景(荒汐部屋)、木崎海(木瀬部屋)、東白龍(玉ノ井部屋)、深井(高砂部屋)、菅野(春日野部屋)、西川(武隈部屋)、石崎(高砂部屋)、勝呂(藤島部屋)、金峰山(木瀬部屋)、神崎(武隈部屋)、羽出山(玉ノ井部屋)

90枚目格で何が変わる?

ここまで三段目格付け出しについてご説明をさせて頂きましたが、この「三段目格付け出し」が、これまでの「三段目の100枚目スタート」から「三段目90枚目スタート」に変わりますので、来場所この資格を使用して初土俵を踏む嘉陽快宗は、三段目90枚目からスタートになります。

冒頭で今一つ分からなかった方も、三段目格付け出し格制度についてご理解して頂いた後であれば、「なるほど」となったはずです。

ではこれによって何か変わるのでしょうか?

結論から言えば、それほど変わることはないはずです。

幕下付け出しで、幕下15枚目からスタートするのと、幕下10枚目からスタートする5枚の差はかなり変わってきますが、三段目の100枚目と90枚目の10枚はそれほど変わらないはずで、むしろ三段目の最下位が90枚となったことの方が問題です。

大相撲で幕下と三段目は定員が決まっていますが、それ以下の序二段と序ノ口は定員が決まっていません。三段目で10枚減らすということは、東西合わせて20人の力士が序二段以下の番付に追加されることになります。

これは大相撲全体で力士の数が減少しているということに繋がってきます。

あまりにも大きすぎる問題なので今回は多く語りませんが、三段目格の枚数云々以前に相撲界は強く受け止めなければなりません。

ということで問題が大きくなりそうですので、今回はここまでとします!

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