荒汐部屋が輝く理由-蒼国来断髪式-

静かに迎える蒼国来断髪式

少し遅くなりましたが、10月2日(日)元幕内蒼国来荒汐親方の引退披露大相撲に行ってきました。

前日10月1日に行われた、元大関琴奨菊の秀ノ山親方の引退相撲を始め、最近では豊ノ島の井筒親方の引退相撲など、SNS上で比較的前から、積極的に宣伝をするケースも多くなってきた断髪式の告知なのですが、今回の蒼国来の場合はどちらかと言うと、それほど大きく告知活動をするでもなく、一部を除けば、比較的静かに当日を迎えた感じもした断髪式の印象でした。

しかし、当日の内容は華やかさがありつつも、「荒汐部屋の想いや良さ」を感じることが出来る、非常に良い断髪式だったと思いますので、今回は蒼国来断髪式の感想を個人的な気持ちを込めて綴っていきたいと思います。

相撲協会と戦い勝利した力士

まず蒼国来についてですが、断髪式でも苦難の土俵人生については紹介されたものの、何となくオブラートに包み優しい表現をしていたので、ここでその「苦難」について簡単に説明すると・・・

「八百長をしていると相撲協会に認定され、引退に追いやられそうになったもののこれに異議を唱え、裁判の末に勝利して土俵に復帰したこと」です。

この時、他にも裁判を起こした力士はいたのですが、勝利を収めたのは蒼国来だけなので、「勝利した唯一の力士」ということにもなります。

一言で言うと簡単そうですが、これは相撲史上においても凄いことで、そもそも協会員が相撲協会に対して異議を唱えるというのは想像できません。

2年間のブランクを経て土俵に復帰を果たし、その間気持ちを切らさずにトレーニングを続ける。

優しい顔をした青年がそこまで出来ると当時の私は思っておらず、たとえ裁判に勝利したとしても「名誉回復」程度が限界であり、裁判への勝利が結末だと思っていました。

しかしまさかの現役復帰、、、その後の活躍は周知のとおり。

まさに奇跡の力士が蒼国来でした。

昔蒼国来について簡単に書いた記事がこちらです↓

 

 

ここが良かった蒼国来断髪式

蒼国来の凄さが分かったところで改めてになりますが・・・

元幕内蒼国来の荒汐親方の引退相撲が、10月2日に国技館で行われ、断髪式では約250名の関係者が鋏を入れ、最後は入門時の親方であり令和2年3月に蒼国来に部屋を譲った、先代荒汐親方(元小結大豊)が止めばさみを入れました。

華やかだった会場

蒼国来自身の人気もさることながら、大波三兄弟も在籍する荒汐部屋なだけに、比較的若い女性ファンが多く(あくまで当社比)、華やか印象を受けました。

やっぱり荒汐部屋は人気ありますね。

ダラダラしない進行

これも個人的な感覚値ではありますが、断髪式全体の進行がスムーズで間延びしていなかった印象があります。

断髪を行う人数が250名と、最近の断髪式の中では比較的少なく、断髪式そのものが短かったせいなのもしれませんが、よくある「断髪時の間延び間」をあまり感じませんでした。

荒汐部屋を感じる手作り感

先代荒汐親方の息子さんが運営するお店がオリジナルグッズを販売、そのグッズ類も蒼国来個人よりも「荒汐部屋」を意識させるものであったり(親方ということもあると思いますが)、取組に部屋の元力士だった福轟力が懸賞を掛けたり、地元の消防団?によるパフォーマンスや、整髪後の親方を中心に若い衆が土俵周りに集まるフィナーレ、など。

今回は、通常の引退披露大相撲以上に、「荒汐部屋をあげての断髪式」というアットホームな(語彙力なくてすみません)雰囲気を感じることが出来ました。

地下広間に飾られていたパネル

マナーが良い

最近相撲観戦で話題になることが多い「指笛」。

秋場所だけでなく、前日の琴奨菊の断髪式では藤井アナからも注意があったそうですが、当日は鳴ることもなく、最近のお客さんからするとマナーは良かったのではないでしょうか?

アスレチック状態

一点だけ残念だったのが、地元の方を招待したであろう2階席。

子連れが多かったのですが野放し状態だったこともあり、折角カメラを用意してきたお客さんの前を横切ったりなど結構走り回っており、危なかったです。

国技館の2階席は通路も直線、段差も急で手すりもあり、アスレチックとしてはいいんですけどね(笑)

まあ、これは蒼国来や荒汐部屋の責任ではないんですが。

 

 

荒汐部屋=大波三兄弟

夢の兄弟対決

やはり現在の荒汐部屋といえば、秋場所で11勝を挙げて大関候補に名乗り出そうな若隆景と、新入幕後人気実力共に急上昇中の若元春。

今回の目玉の一つが、この二人による「兄弟決戦」。本場所では優勝決定戦以外では、決して見る事の出来ないこの取り組みを目当てに、当日足を運んだファンもいたことでしょう。※71本の懸賞が付いたと館内放送ではありました。

結果は、幕内の先輩として格を見せた若隆景が若元春を下しましたが、勝敗に関係なく、館内は止めばさみに負けぬほどの大歓声に包まれました。

この二人の人気は相変わらず凄いのですが、この二人の活躍も、ほぼ無名で閉鎖寸前だった荒汐部屋初の関取として部屋を引っ張り、胸を出してくれた兄弟子であり師匠の蒼国来あってのことでしょう。

奮起せよ若隆元

兄弟対決だけでなく、当日は相撲甚句も披露され、荒汐親方の土俵人生を表現した「蒼き空より海を越えて」に続き、三兄弟にちなんだ「土俵に輝く三つの矢」が披露され、大波三兄弟が化粧まわしを付け揃って土俵に上がりました。

三男若隆景、次男若元春が幕内で活躍する一方で、兄弟子であり大波三兄弟の長男である若隆元は、幕下中位~上位で苦戦を続けているので、三兄弟での化粧まわしは当然始めての機会でした。

大いに沸く館内、「折角なのでそれぞれ四方を向いて写真を」このようなアナウンスも流れ、更に激しく切られるシャッター音。

この日しか出来ない素晴らしいファンサービスだったと思いますが、若隆元はこの状況で何を考えていたでしょうか?

改めてファン達がシャッターを切れる日が必ず来ると信じています。

以前、若隆景だけでなく、荒汐部屋についてのことも書きました。

 ↓ ↓

 

潔し先代親方(大豊)

全体的に荒汐部屋の「想い」が伝わってくる良い断髪式だったのですが、やはり一番良かったのは先代師匠の止ばさみでしょう。

最近は再雇用制度を利用して角界に残留するケースが増え(再雇用制度自体が悪いわけではないのですが)、益々後進のための環境づくりよりも功労者への気遣いを優先させている相撲界ですが、荒汐部屋の継承はスパッとしており気持ちの良いものでした。

 

 

もしかすると、我々には見えない様々な要因があるのかもしれませんが、これまでほとんどなかったこの継承劇に清涼感を感じた相撲ファンも多かったのではないでしょうか?

断髪前、後援会の方から蒼国来の土俵人生が紹介されました。

その際、「苦難を乗り越え土俵に復帰」という下りで、会場中のファン達から万来の拍手が送られました。

しかしそれ以上に凄いのは、弟子の潔白を信じ、長年在籍していた相撲協会と争い、師匠として弟子を支持し続けた先代親方の行為なのです。

そしてその「魂」は蒼国来が確実に引継いでいきます。

先代親方、蒼国来関お疲れ様でした。

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