年寄株の交換はなぜ起きるの?

琴勇輝が北陣親方に

今月に入って年寄株交換のニュースが流れました。

日本相撲協会は、昨年4月に現役引退して佐渡ヶ嶽部屋の部屋付親方として後進の指導に当たっていた、元関脇琴勇輝の君ケ浜親方が、同日付けで年寄「北陣」を襲名したと発表しました。

「年寄株」の移動は相撲界ではよくあることですが、今回のケースは一人の親方の名前が変わっただけという襲名であり、「誰かが引退したわけでもないのに、何でわざわざ親方名を変える必要があるのか?」

そんな風に感じた方もいたのではないでしょうか?

今回は、 君ケ浜親方の例も含めた「名跡襲名」の様々なケースについてご紹介していきたいと思います!文中では個人的なニュアンスも含まれると思いますので、そこはご勘弁ください。

力士が現役引退して親方になる

多くの方がイメージされる親方株襲名のケースは、恐らく力士が現役を引退して親方になるケースだと思います(当たり前ですが)。

直近の例で言えば、元関脇魁聖の友綱親方、元幕内旭日松の桐山親方、元小結千代鳳の佐ノ山親方の襲名ケースなどがあります。

ここでのケースは、引退時に襲名した親方株を他の誰かが名乗っていたのではなく、既に空いている年寄株を引退した力士が襲名したということでイメージされてください。

その他の例では、豊ノ島の井筒襲名や、勢の春日山襲名、大物だと白鵬の間垣襲名などもこれに当たります。

とにもかくにもこれが一番シンプルなケースになります。

相撲部屋継承に伴う年寄名跡の変更

年寄名の変更には、相撲部屋の継承が絡んだ年寄名跡の変更もあり、最近の例でご紹介すると白鵬の宮城野部屋や、稀勢の里の二所ノ関部屋などがこの例に当てはまります。

ただし、こちらは再雇用制度が出来たことにより以前に比べると少し形が変わってきたように思えます。

親方の定年退職に伴う年寄名跡交換

相撲界に再雇用制度がまだなかった頃は、部屋の親方が65歳の定年退職に伴い、部屋付親方や弟子に部屋と共に、親方名も引き継がせるケースが殆んどでした。

名門出羽海部屋や(鷲羽山→小城乃花)、少し前になると佐渡ヶ嶽部屋(琴櫻→琴の若)などがその例でしょう。

親方が定年の少し前のタイミングで譲ったケースにはなりますが、最近何かと話題になることが多い荒汐部屋(大豊→蒼国来)もこのケースです。

再雇用制度による年寄名跡の交換

同じ相撲部屋継承に絡む親方名変更でも、再雇用制度が出来た後のケースでは若干内容が異なってきており、最近では圧倒的にこちらのケースが多くなりました。

再雇用制度が設立された相撲協会では、65歳定年後も協会に残れるようになったのですが、それ以降は部屋の運営には携わることが出来ないので、定年を迎えたタイミングで、部屋を継承する親方・力士と年寄株の交換を行います。

最近最も有名な所でいうと、白鵬と元宮城野親方の年寄名跡交換でしょう。

最近の相撲部屋継承は、殆んどがこのケースになるので、元親方は別の親方名を名乗り部屋付親方として在籍していることが多いです。

ちなみに稀勢の里の二所ノ関襲名に関しては、本来自身には直接関わりのない親方の定年だったのですが、「年寄株名跡の格」「一門内での未来を見据え継承」という少し複雑な年寄名跡の交換になりました。

吸収合併による年寄名跡の交換

ここまでの2つと外から見ると似たような形になるのですが、「吸収合併」される時の名跡交換というのもあります。

最近の例はすぐには思いつきませんが、昔の二子山部屋や現在の高砂部屋などがこれにあたります。

二子山親方(初代若乃花)定年に伴い、藤島部屋が二子山部屋を吸収する形になりましたが、藤島親方(初代貴ノ花)が二子山名跡を名乗り部屋名も二子山部屋と改められました。

高砂部屋のケースも、高砂親方(富士錦)定年に伴い、当時の若松部屋が吸収する形になりましたが、若松親方(朝潮)が高砂を名乗り、看板が高砂部屋になりました。

こうした合併のケースでは、定年退職して閉鎖する側の部屋が大きい(格が高い)場合部屋名を遺すために、表向きの合併とは別に親方株の交換という形がとられることが多いようです。

年寄名跡の交換

こうして「年寄名跡の交換」という観点で見るだけでも分類を分けることが出来たり、背景があって面白いですね。

最後に冒頭で出てきた、元関脇琴勇輝の君ケ浜親方が北陣親方になったケースをご紹介させて頂きます。

今回のような「空いている年寄株に移る襲名ケース」は、誰かが引退の準備をしていることが多いです。

あくまで憶測ですが今回の例で言うと、、、

先日まで琴勇輝が名乗っていた「君ヶ浜」の名跡は、持ち主が隠岐の海です。

ここ2場所連続で負け越している隠岐の海は、恐らく来場所の番付けは負け越せば十両という位置になるはずで、長く幕内で取っている力士の場合、十両陥落→引退というケースもありますので、 万が一隠岐の海が引退をするようなことになると、当然君ヶ浜を襲名することになります。

そのために君ヶ浜は空けておく必要があるのです。

と、こんな風に考えます。

理事選などではなく突然不思議なタイミングでの年寄名跡は、「誰かが万が一の引退に備えている」ということが案外多いです。(隠岐の海ファンの人たちには申し訳ないですが)

現在、現役力士で年寄名跡の取得を正式に発表しているのは、遠藤の「北陣」・阿武咲の「音羽山」です。

こういった所に注目するのもまた、大相撲の楽しみの一つかもしれません(推し力士が絡む方は気を悪くされるかもしれませんが)。

ちなみに文中で出てきた、賛否両論(否の方が多いですが)の多い再雇用制度については、言いたいことをこちらにまとめています↓

 

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