大相撲の巡業がなかなか再開されない理由

大相撲久々の巡業が決まる

コロナの影響により、2019年の冬巡業を最後にずっと中止が続いていた大相撲の地方巡業ですが、 8月14日に「令和4年 夏巡業 大相撲春日部場所」がウイング・ハット春日部(春日部市谷原新田)で開催されるのが決まったようです。

本場所とはまた違った雰囲気が楽しめる地方巡業の再開は、なかなか本場所観戦に行けない地方の相撲ファンはもちろんですが、多くの相撲ファン達が待ち望んでいたはずです。

とはいえコロナ前には、力士の体調管理が心配になってしまうほど日程が詰まっていた地方巡業も、本格的に再開となるのはまだ少し先のようです。

国技館開催で行っていた地方場所も本来の開催地に戻し、いよいよ本格的な通常開催に向かっている大相撲ですが、地方巡業だけは中々本来の形に戻りません。

今回は、なぜ地方巡業の開催がなかなか進まないということを考えていきたいと思います。

巡業がなかなか再開されない理由

開催によるリスク

新型コロナウィルスの影響が出てきた令和2年春場所以降、まず本場所を再開させた会場は相撲協会のホームグラウンドである「国技館」です。

これは恐らく、勝手知ったる本場所開催の本拠地であり、様々な感染対策も行いやすいという理由が大きいからだと思います。

そのため、日ごろは別の目的としても使用されている(会場側の規制もあるかもしれませんが)会場で行われる地方場所は、後回しになったはずです。

毎年本場所を行っている地方場所の会場でさえその状態の中、巡業を実施する会場の中には始めて使用する会場もあるはずです。

そんな中で開催してクラスター発生などを起こし、本場所が中止になった場合の損害を考えるとリスクの方が大きくなるはずです。

相撲協会が主催ではない地方巡業

その他の理由として、「地方巡業は相撲協会の主催行事ではないから」という理由もあると思います。

以前のブログで巡業の仕組みについて少し触れましたが、巡業は「売り興行」という形式をとっていますので、主催しているのは相撲協会ではなく、巡業を行う権利を買い取った「勧進元」である企業や自治体になります。

 

勧進元は巡業を行う会場を抑えるだけでなく、宿泊施設なども準備して取り仕切る必要があり、感染対策もその中に入ってくるはずです。

そう考えると、今後どうなるか分からない世論の中、興行権を売る相撲協会側も、購入する勧進元側も、これまでのような感覚で巡業を打つわけにはいかないのではないでしょうか?

毎年恒例で巡業をしてくれていた勧進元も数多く存在します。そういったご贔屓さんに下手を打たせることは協会としてもデメリットであり、地域活性などの目的で巡業を行っている勧進元にとっても、巡業でのトラブルは避けたいはずです。

移動距離の長さ

長距離・長時間・大人数移動によるリスクを考慮しての、「地方場所国技館開催」でしたが、一定期間同じ場所に滞在する地方場所に対して、巡業はさらに移動距離も長くなり各地を転々と回ります。

そういったリスクを考え、ここまで地方巡業再開が遅くなったのでしょう。

今回日程が決まった巡業がたまたま関東だった可能性もありますが(関東で実施してもおかしくはない時期ですが)、地方はもう少し先になるのかもしれません。

これからの巡業で心配なこと

先日8月5日の立川巡業開催も発表されたように、徐々にですが巡業も復活の兆しが見えてきています。

(立川巡業の情報はこちら)
https://www.tachihi.co.jp/wp-content/uploads/2022/04/chirashi.pdf

大相撲ファンとしては非常に喜ばしいことなのですが、そうなった時に心配になってくるのが、巡業最大の醍醐味である「力士との触れ合い」の部分です。

現在、本場所はもちろんですが「断髪式」においても、直接の触れ合いはもちろん、力士との距離を十分に取ることがもはや暗黙の了解になっています。

このまま巡業を行ったとすると、正直巡業の醍醐味が半分以上失われてしまう気がするのです。

どこまで巡業本来の形で実施できるのか?

夏場所と、その後に控えた断髪式での制限も参考になるかもしれませんが、この部分には大いに注目したいと思っています。

 

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