相撲のチケットはなぜ高いのか?

大相撲のチケットは高いのか?

コロナ騒動も下火になり一気に客足の戻ってきた国技館、初場所でも満員御礼の垂れ幕が何日か掲げられていました。

人数制限も解除され、歓声が復活したのと同時に、再びチケット入手を巡っての戦いも再開されたようです(笑)

現地観戦派の相撲ファンの多くは、チケットの購入方法やその金額の目安を分かっていると思いますが、一般の人々にとって「大相撲のチケット」というのは「高価で手の出しにくい存在」という印象が強いのはないでしょうか?

本当に相撲のチケットは高いのか?

結論から言えば、この「大相撲のチケットが高い」というのは、半分本当で半分は世間の勝手な印象ではないかと思っています。

今回は、「大相撲のチケットがなぜ高いのか?」というカラクリと、その他相撲のチケットに関するアレコレをご紹介したいと思います。※多少間違っている内容もあるかもしれませんが、「大枠の説明」の感覚で読んで下さい(笑)

大相撲の席は全部で3種類

チケットの話をする前にまずは大相撲観戦の「席」について知っておきましょう。※国技館をベースでお話をしています。

溜席(たまりせき)

溜席というよりも、「砂かぶり」と言った方が馴染みがあるかもしれません。

土俵周りに座布団のひかれた席を見たことがあると思いますが、その場所が「溜」と呼ばれる席です。

いつ力士が降ってくるか分からない恐怖感があり、観戦中常に怪我と隣り合わせの席ですが(大げさ)、力士のぶつかり合う音や息遣いなど、どの席よりも間近で相撲を体感しながら観戦できる、いわゆる「特等席」です。

飲食やタオルでの応援は禁止の席となっています。

ちなみにここ数年は、度々妖精が現れていたようです。。。

枡席(ますせき)

溜席の後ろ側に位置し、柵で区切られているのが枡席と呼ばれている席で、恐らく相撲観戦において最もポピュラーな席です。

枡席は土俵からの距離によって「 マスS席 」「 マスA席 」「 マスB席 」「 マスC席 」とランクが分かれており、席の大きさも4人枡(4人用)がメインとなりますが、他にも1人・2人・5人・6人用と異なる大きさの席があります。※相撲協会では「マス」とカタカナ表記です。

だいたい座布団1枚が一人分の席になるので、4人枡は座布団4枚分の大きさとなり、現代人にとっては非常に狭いと言わざるを得ない広さです。冬はコートなどあるので荷物が多くて特に狭く感じます。

ちなみにマスC席よりもマスS席は土俵に近いものの、大きさの基準は一緒です。

椅子席

最後に椅子席ですが、こちらは2階にある全ての席を指します。

椅子席も枡席同様、土俵からの距離によって「椅子S席」「椅子A席」「椅子B席」「椅子C席」 とランク分けされています。距離というよりは、どんどん高くなっていくと言ったほうが、しっくりくるかもしれません。

ちなみに「椅子S席 」「椅子A席」 は、サイドテーブルが付いています。

長時間座っていると腰が痛くなる方などは、椅子席の方が良いのではないか?と個人的には思います。

ということで、相撲観戦には以上3つの種類の席が存在します。他にもボックスや自由席なるものもありますが、そちらは割愛します。

 

 

相撲チケットの購入方法

座席の種類が分かったところで、次はチケットの購入方法についてご紹介したいと思います。

インターネット販売

相撲に限らず、今や何かを購入する際の最も一般的な方法です。大相撲のチケットも、インターネットでの購入が今や一般的な手法になり、大きく下記2つのサイトで購入できます。

チケット大相撲」 相撲協会公式のチケット販売サイト

チケットぴあ」「ローチケ」 外部チケット販売サイト

公式サイト・外部のチケット販売サイトの中で、先行販売から一般販売まで行われており、受け取り方法も郵送やコンビニ受け取りなど選ぶことが出来ます。

電話予約

何ごともインターネット中心の世界になったとはいえ、電話でのチケット販売もまだまだ行っています。

販売の時期になるとチケット販売サイトにも電話番号が記載されますが、これまでライブやスポーツ観戦のチケットを購入したことがある方は、同じような感覚だと思って頂ければ問題ないです。

繋がるまで何度も電話をかけ続けた記憶が懐かしい方もいることでしょう。

ちなみに「当日券の販売」も行っておりますが(コロナ中は中止)、序盤戦の平日は可能だったとしても、人気のある終盤戦は購入できるか危険ですので、何日目に行くにしても、観戦前にチケットは購入はしておくことをおススメします。

相撲案内所

相撲案内所というよりも、「お茶屋さん」と言った方が一般的なのかもしれません。

ここまでご紹介した購入方法は、何かしらのチケットを購入する際に使ったことがある方も多いと思いますが、全く馴染みのないのがこの「相撲案内所を通しての購入」ということになるのではないでしょうか?

そもそも「お茶屋さんってなに?」という説明ですが、一言で言えば「チケット購入の代行業者」です。

お茶屋さんがチケットの購入を代行して行ってくれるだけでなく、お土産を付けて販売してくれるので、お茶屋さんに購入をお願いするだけで、当日の観戦を全てサポートしてくれるという心強い存在なのです。

相撲チケットは意外に安い?

ここまでは、大相撲の座席の種類や購入方法など、「大相撲のチケットを購入するためにはどうすればいいか?」というような内容になってしまいましたが、長い前置きはここまでにして、いよいよ今回の本題に入っていきたいと思います。

相撲のチケットが高いのか?という話ですが、まずはここまでご紹介した席の金額をざっとご紹介します。

溜り席:一人20,000円

枡席:S席15000円(平日は少し下がります)~C席11,000円
※枡席はその人数分を掛けた金額になるので、4人枡だとS席で60,000円、C席で44,000円になります。

椅子席:9,500円~3,500円

地方場所や平日だと若干異なることなるかもしれませんが、大体この辺りの金額に落ち着くと思われます。

いかがでしょうか?

ここまで聞いて頂き「高い」と感じた方もいらっしゃると思いますが、少し考え方を変えてみてください。

相撲は朝9時から夕方18時まで開催しています。つまり9時間も観戦することが出来るのです!これは時間当たりの料金で考えると、それほど高くはない観戦チケットではないでしょうか?

例えばS席9500円で朝から国技館を楽しんだ場合、1時間当たり約1000円で遊べるわけです(笑)

決して驚くような金額ではないはずです。

相撲チケットが高いと感じる理由

ではなぜ冒頭で書いたように、「相撲のチケットは高い」という印象があるのでしょうか?

それは、購入方法の段でご紹介した「お茶屋さん」の制度が関係しています。

もの凄くざっくりした説明をすると、ここまでご紹介した主に溜席や枡席には、それぞれの縄張りのようなものが存在しており、そのエリアのチケット(購入の権利?)をお茶屋さんが有しています。

相撲協会からお茶屋さんはそのエリアのチケットをまとめて購入し、それを一般のお客さんに販売します。

その際にお土産も付けて販売するので(テレビで枡席のお客さんが大きな紙袋を席に置いているのを見たことありますか?)、15,000円の席がお土産代込で20,000円~25,000円になるので、4人分で120,000円と金額が跳ねあがります。また、当日チップを払うのが「粋」だという古い習慣もまだ残っており、少しですがその分も追加で掛かります。

この金額はあくまで一例であり、相撲人気によって時価で動いているようですので、はっきりとした金額は不透明な部分もあります。

観戦の間口を狭め今の時代にそぐわない不思議な制度ですが、「相撲案内所」という制度は、年寄株同様様々な利権や背景が絡んでいるので、相撲協会のブラックボックスとして継承されてきている習慣です。

この「相撲案内所」を通じて購入している金額が世間で広まることにより、「相撲のチケットは高い」という印象が付いているような気がします。

また、溜席や枡席の多くをお茶屋さんが有しているため、手に入りにくいこともあり、「高価」という印象があるのかもしれません。

ということで、相撲のチケットに関するお話でしたが、一般的な購入方法であっても充分チケットは購入できるはずですので、ぜひ一度は生で観戦して見て下さい!

相撲を見るのは、テレビの方がしっかり観戦出来ますが、国技館独特の雰囲気は現地でしか味わうことが出来ません。

国技館でお会いしましょう(笑)

 

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