稀勢の里は皆勤せよ【進退?冗談じゃないぞ】

これで3連敗・・・
ファンの溜め息がもれる中、
土俵下で思いつめた稀勢の里の表情が印象的でした。

「しっかり治した方がいい」
「もう元には戻らない」
「土俵感が戻っていない」
「休んで来場所進退をかけるべき」

日馬富士問題がひと段落し、
白鵬が休場した今、
次なる話題とばかりに
様々な意見が飛び交っています。
休場か?強行出場か?
来場所進退をかけるか?

しかし周りの心配以上に、稀勢の里本人は
もっと深刻に考えていそうな気がしてなりません。
限界かと感じている自分、
もう勝てないのかという不安、
まだできると思う自分、
己の中で必死に戦っている。
そんな気がしてならないです。

ここまでストイックに相撲道を歩んできたからこそ、
自身の力や限界に対しても、周り以上に
深刻に考えているような気がします。

私は以前から
「横綱の進退は周りがとやかく言う権利はない」
と書いていますが、今回はあえて言います。

「稀勢の里よ皆勤せよ」と・・・。

今場所、明らかに下半身に粘りがありません。
いつもの腰高に不安定な下半身、
これでは勝てないはずです。
そして何より「不安」があるのでしょう。
今場所、もし休んでも来場所はまた同じ状況から
スタートになります。
むしろ今場所負けようが、不細工な相撲をとろうが、
本場所の土俵を踏むことこそが、
不安を払拭する唯一の方法のような気がします。
負け越すかもしれませんし、
綱の権威を汚すとか言われるかもしれません。

でも、そんなの関係ないんじゃないですか?

15日制で、皆勤負け越しした横綱。
大乃国は次回の選挙で理事の声も上がっていますし、
若乃花も未だに技巧派らしいコメントでテレビに出ています。
二人とも小さくなんてなってませんし、
誰も汚名なんて思ってないはずです。
平成の大横綱貴乃花だって、7場所連続休んでるんです。
それを恥と言ってる人はいませんし、
騒ぎ立てた連中も、もう忘れているはずです。

ネット上では、
「大関のままでいれば名大関だったのに」
「横綱昇進が甘かった」
「史上最弱の横綱」
「ゲタを履かせた執行部の責任」
こんなコメントも見かけます。

が、どれも違います、

稀勢の里は、
「まだまだ活躍しなければいけない横綱」なのです。

こんな尻切れとんぼの結末は誰も望んでません。
慕っている若手もいるはずです。
まだまだ壁であり続け、下を引っ張りあげなくては行けません。

沢山のファンの期待や応援に応えた一年前。
今度は、ファンの声援や応援に甘える時です。
そもそもかっこいい稀勢の里じゃなく、
不器用だけど悩みながら歩んでいる稀勢の里を
ファンは応援してきたはずなんです。

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