「感染者が一人でも出たら即中止」
そんな十字架を背負い、注目を浴びる中でスタートした
令和最初の大相撲春場所。
場所途中、千代丸の蜂窩織炎や、序二段力士の高熱発生でヒヤヒヤする場面も
何度かありましたが結果的に感染者を一人も出さず、
何とか無事に千秋楽を迎えることが出来ました。
(千代丸が陰性で本当に良かったです。
もし陽性だった時の心中を察すると・・・本当に良かった。)
視聴率も通常に比べると低く、特に収益など商業的な面を考えると
手放しで喜べる結果ではなかったかもしれませんが、
15日間やり切れたことにまずは安堵しています。
千秋楽の協会挨拶の際、八角理事長が感極まった様子からも、
現場は相当緊迫した状況だったと推測できました。
万が一途中で中止ということになっていたら、
それこそ世論からのバッシングは激しかったと予測されるので、
力士はじめ関係者は肩の荷が下りたのではないでしょうか?
しかし、相撲ファンとして非常に良かったと思う反面、
今回「感染者を出さずに15日間やり切った」ことが
自粛列島となっている日本や他のスポーツにも希望を与えたかというと、
それは別問題だったようにも思えます。
力士が相撲感を鈍らすことなく稽古の成果を発揮できて良かったという気持ち。
力士や関係者に感染者が出なくて良かったという気持ち。
他のイベントが自粛する中で決行した春場所が、
とりあえず千秋楽というゴールに無事たどり着いたと安堵する気持ち。
全てが相撲ファンとしての観点です。
理事長が初日や千秋楽に口にした
相撲が世の中の平安を祈願するために行われること
力士の体が健康な体の象徴とされること
など、
相撲を通して日本に元気や勇気を届けるまでには行かなかったと感じました。
とはいえ、感染者が増加している大阪で良くやったと思います。
今回の春場所を通し、大型イベントはここまでやらないと開催は難しいことを
相撲協会は証明したと思います。
そして、最初に「視聴率が低い」と書きましたが、
年齢別にみると若い層での視聴率は上がっていたそうです。
ずっとそこにあった映像や音が無くなったことに中高年は違和感を感じ、
SNSでの応援メッセージが読まれたり、本来デフォルトである相撲のみが
存在する普段と異なる映像に、若者は興味を持ったのかもしれません。
(youtubeの生配信も良かったです)
技能審査場所で行ったネット配信をすぐにやめてしまったことを反省として、
今回はこれを前向きな要素として受け取って欲しいと思います。
大相撲春場所、無観客での開催によりコロナウィルスの感染者が出ずに
15日間開催出来ましたが、夏場所もすぐ後に控えています。
今回は上手くいきましたが、むしろ成功体験を活かすだけでなく、
その時々で適切な判断をしてほしいと切に願っています。
15日間本当にお疲れさまでした。
個人的には歴史に残る素晴らしい場所だったと思っています。