歓声がないという異例の状態での15日間を戦い、オリンピックの延期という報道が日本中を駆け巡る中、
朝乃山が大関昇進を果たしました。
通常であればもっとマスコミが騒いだはずなのですが、今回はコロナ問題の方を、マスコミが優先した印象を受けました。こんな時だからこそ、めでたいニュースをもっと取り上げて欲しかった。
今の日本には「おめでとう」と言えるニュースが必要です。
だから私が言います。
朝乃山関大関昇進おめでとうございました!
富山県出身の大関としては、大正時代の超強豪横綱
太刀山峯右エ門
彼依頼111年ぶりとか・・・?こちらはかなり昔の話になってしまいますが、最近の富山出身の有名力士で言っても、
琴ヶ梅
までさか昇ると思うので、結構間が空いています。お隣の相撲どころ石川県は、
人気者遠藤や、炎鵬、輝、かっては唯一の学生横綱輪島など多くの力士を輩出しているので、富山県としては溜飲が下がったかもしれないですね。ということで、今回は朝乃山の大関昇進について語りたいと思います。今回の昇進について、私もどう思うのか何回か聞かれました。いきなり結論ですが、私個人の意見では
もう一場所待つべきだったと思っています。
3場所で32勝という成績に関しては、
正直あまり気にはしていません。そもそも33勝という目安の数字や、
「大関昇進までマジック〇〇」
という記載自体始まったのはここ10数年くらいの印象です。参考までに最近5人の昇進例を見ても結構バラツキがあります。
豪栄道 32勝(12勝-8勝-12勝)
照ノ富士 33勝(8勝-13勝-12勝)
高安 34勝(11勝-12勝-11勝)
栃ノ心 37勝(14勝-10勝-13勝)
貴景勝 34勝(13勝-11勝-10勝)
そして・・・
朝乃山 32勝(11勝-10勝-11勝)
正確に言えば、朝乃山の32勝には
2勝分不戦勝が入っていると思うので、30勝。
やや少ない気がしますが、3場所ともに二桁勝っていることを加味すれば、目をつぶりましょう。ちなみに大乃国、琴風、増位山などは31勝、柏戸、佐田の山、玉乃島は30勝で昇進しています。今回の昇進で待って欲しかった理由の一つが、
横綱戦で勝ってないこと。
横綱が休みがちだったので、白鵬2戦、鶴竜1戦だけでしたが、どこかで勝っておきたかったです。1勝の価値が変わってきます。そして一番の理由が、
この成績で上げることで、私のように
文句言う輩が出て来ることです。
朝乃山の相撲は勢いでなく、安定的な成績が出せる相撲ですので、文句ない成績で昇進させた方が良かったように思えます。上げてもらった大関のような声が出てくると朝乃山が可哀そうです。とはいえ、朝乃山には可能性を感じずにはいられません。白鵬が後継者と言ったようですが、朝乃山には2つ期待していることがあります。
完成に近づきつつある右四つ。
盤石になった時の相撲は素晴らしいですね。荒磯親方もyoutubeで言ってましたが、かつて魁皇が右上手を取った時の期待感を、朝乃山の左上手には感じるそうです。
あとは横綱と相四つで渡り合える右四つの完成と、喧嘩四つへの対策ですね。そして朝乃山に期待する2つ目は、
持っている
稽古では得ることが出来ない部分です。随分前に、遠藤が持つ「華やかさ」でこの表現を使いしましたが、朝乃山は持ってる力士だと思っています。アメリカ大統領自ら土俵上で表彰を行った、今後二度とない
令和最初の場所において初優勝。
38年ぶりの横綱大関の番付、協会が大関が欲しい場所での大関とり。突然の部屋移籍や昇進後の相次ぐ怪我など、どちらかと言えば、逆境の多い貴景勝に比べると、運の良さを持っています。先程の上げた大関昇進時の星取りを見ても、昇進時の星数はあまり関係ありません。大関が代名詞にならぬよう、このまま突き抜けて欲しいと思います。
愛と正義の朝乃山
臥薪嘗胆の貴景勝
楽しみな景朝時代のスタートです。