夏場所中止を前向きに考える

夏場所中止の正式発表がありました。
これまでどんな時も奇数月には必ず大相撲があった生活だったので、高田川部屋でのコロナウィルス感染もあり仕方ないとは思うものの複雑な気持ちです。
先日夏場所の番付表を手にして沢山いることでしょう。
ここ数ヶ月なんだか残念なニュースが続いています。
当たり前の日常は本当に幸せだったんだなと・・・。ということで、今回はあえて前向きに夏場所中止を考えていきたいと思います。

夏場所中止における最大のメリットは

怪我の治療に専念できることでしょう。

一年6場所90日。その合間を縫って行われる地方巡業。
場所後の休み以外身体を休める暇のないお相撲さん。
例外なく力士の殆どがどこかしら怪我を負っています。
そんな中、春場所後の巡業・夏場所・夏巡業と全て中止が決まっています。
昨今、力士がこれほど身体をケアする時間を作れたことがあったでしょうか?

白鵬を見てもわかるように地力がある力士が体調を整えれば、それなりに成績を残せます。しかし番付が落ちない横綱以外の力士はどうしても騙し騙しの出場を余儀なくされます(横綱も引退と背中合わせではありますが)。陥落していった際の照ノ富士や、先場所の貴景勝などはその最たるところ。
おそらくこの事例は上げたらきりがないはずです。
そんな完治しない怪我と常に向き合う力士にとって、本場所はおろか巡業もない今回は比較的休養を取ることができます。
もちろん長年戦い続けてきた身体を、わずか数ヶ月で完治させることはできないかもしれません。しかしいつもより余裕を持っての調整はできるはずです。
少しでも身体を休めて望む初の7月東京場所を楽しみにしています。

そしてもう一つのメリット

大関昇進関連の行事がない

これは朝乃山に限定して言えることなのですが、通常大関昇進が確定した後から本場所にかけての期間、つまり大関昇進の番付編成会議〜新大関場所にかけての間は新大関誕生を祝うパーティーやらイベントやらに引っ張りだこになりますが(いつもそっとして上げてと思うのですが)、今回はコロナウィルスの影響で諸々の行事がありません。したがって無駄な疲れがなく相撲に集中できるはずです。
ちなみにこれまでの新大関場所の成績を見てみると・・・

白鵬ー14勝 日馬富士ー8勝 鶴竜ー8勝 稀勢の里ー11勝 
若乃花(3代目)ー9勝 曙ー休場 貴乃花ー11勝 武蔵丸ー9勝 栃東ー13勝
琴欧洲ー10勝 把瑠都ー10勝 朝青龍ー10勝 千代大海ー3勝

大関とりの勢いをそのままに優勝!というのはなかなか難しいようです。
新大関優勝はこの中では白鵬と栃東のみ。
その前は清国までさか登らなければなりません。。。
これが大関昇進後のイベント疲れかは正直わかりませんが、要因の一つではないかと個人的には思ったりもします(初優勝した力士がイベント引っ張りだこになり翌場所調整不十分になるようなイメージ)。
通常であれば、昇進ラッシュのイベントに引っ張りだこになるはずだった朝乃山、十分に調整して名古屋に臨んでほしいです。
もはや勢いだけの力士ではないはず。

何でもないようなことが幸せだったと思う。

これは非常に感じています。
自分自身の環境や事情、年齢により見ている深さや時間などは異なってきますが、あの時以外は必ず相撲中継や大相撲ダイジェストや今日の取組がありました。後に振り返ると「そういえばそんな場所もあった」と一瞬になってしまうものの、その場所には賜杯を抱く力士はもちろん、場所の旋風になる力士、話題になる力士、土俵を去る力士がおり、 瞬間の積み重ねが相撲の歴史を作ってきたのだと、当り前がない今実感します。

数か月後、再び初日を告げる触れ太鼓が鳴り、初日の放送が始まり、いつものように15日間が過ぎていくでしょう。
何も変わらない初日を迎えた時、今度は少しだけそんな日常に感謝したいと思います。

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