白鵬親方誕生か?-白鵬の功績を検証-

秋場所の熱戦から一夜明けた9月27日。早朝から相撲関連の大きなニュースが飛び込んでまいりました。以下ネットニュースより抜粋。

大相撲の第69代横綱白鵬(36)が引退の意向を固めたことが27日、分かった。史上最多45回の優勝、史上1位、通算1187勝など数々の大記録を打ち立て、14年以上も横綱に君臨。右膝を手術し6場所連続休場から進退を懸けた先場所、全勝Vで復活を飾ったが、心身とも限界に達した。

元々協会には話をしていたそうで、本場所の開催に支障が出ぬよう場所終了を待っての発表だったとは思うものの、あっけない幕切れのような気もします。

今回は14年間横綱に在位し幾多の記録を築いた白鵬について、私が勝手に評価をしていきたいと思います。白鵬ファンの方もアンチの方もご一読頂ければ幸いです。

白鵬が最強横綱という証明にはならない

以下白鵬の強さにまつわる数字です。

幕内最高優勝:45回
全勝優勝:16回
年間最多勝:10回
幕内勝利数: 1093勝
連勝:63連勝
連覇:7連覇(2回)
横綱勝率:.875
幕内勝率:.846

少し書き出しただけでも圧倒的な数字が並び、 途方もない記録の数々です。
ニュースによっては”最強横綱”と称しているものもありますが「数字=最強」という見解はどうでしょうか?単純すぎる気がします。

最強横綱論はいつの世でもありますが、時代によっての力の差やトレンド(突き押しが多い、四つが多い、仕切りで手を着かない、大型化)があり、それに対しての得意不得意が存在するので、例えば優勝回数が多いので北の湖より強いか?というとそれもまた違ってくるのかな?と思います。

とはいえ実力がなければこれだけの数字は着いてこないはずなので、立派な数字だと思います。

柔らかさと判断能力

白鵬の相撲を見る中で最も優れていると思うのは「柔らかさと対応能力(反射神経)」ではないでしょうか?

相手力士の当たりや攻撃が吸収されてしまう柔らかい筋肉は、かつて大鵬と対戦した力士が口にしていたものと同じ「柔らかさ」であり、土俵際で後ろに回られかけてもすぐに体勢を立て直すことが出来る「反射神経」や、相手の反応によって取り口を変えることが出来る「対応能力」はまさに万能型力士と言えるものでしょう。

万歳三唱・三本締めと白鵬の言い分

これだけの能力を持ち土俵上で記録を残した横綱白鵬ですが、特に現役生活の後半は土俵態度をはじめとする言動が問題となるケースが多くなりました。

万歳三唱や三本締めなど、神事である相撲を体現しなければならない横綱としては、あってはならないものでしょうし、その他パフォーマンスに似たような言動もあり、往年の「横綱は黙して語らず」を理想とした好角家達をはじめ、アンチが増えたこともまた事実です。

「勝利」に徹する姿勢に関しては、正直私もどうかと思う所がありますが、パフォーマンス的な言動に関しては「力士白鵬」が育った時代という見方も一方で出来るのかもしれません。

白鵬が幕内で活躍し始めたのはちょうど相撲人気が落ちてきた頃。その後も、横綱朝青龍が巻き起こすトラブル、大麻、暴力事件、野球賭博、八百長など、白鵬の横綱昇進後は相撲界がトラブル続きで、相撲人気どころか大相撲の存続機危機とまで言われる状態でした。

今から10年ほど前のあの時代は、若貴フィーバーやウルフフィーバーと言われて人々が注目している中で土俵の充実を目指した時代と異なり、まず「相撲界に注目してもらう」ことが重要でした。そしてそれが、横綱白鵬の育った時代だった気がします。相撲界がどん底だった時に起きた東日本大震災、白鵬は自分が動き・言葉を発することで多くの人が喜び、相撲界に注目が集まり見方が変わっていくことを学んだのでしょう。

そしてその時の行動こそが横綱の使命と思い突き進み続けた頃、相撲人気は回復し、人々の目が土俵の充実や力士や横綱の言動に移っていったようにも思えます。

白鵬の悲劇

明確なバトンを渡せなかったことを残念がる声もあるようですが、朝青龍の電撃引退が白鵬にとっては悲劇だったように思います。振り返ってみると、結果的に最も白熱した対戦相手は朝青龍であり、彼の引退時に流した涙がそれを物語っています。もし朝青龍がもう少し長く現役でいたら、記録は落ちたかもしれませんが、数字だけを求めた土俵がもう少し彩られたようにも思えます。個人的には、豊昇龍との一番を見てみたかったです。

今後はどうする?白鵬親方?

引退会見も行っておらず、そもそも年寄名跡を取得しているのか?宮城野部屋に残るのか?など詳細が分かりませんが、まずはお疲れ様でした。

会見で質問があると思いますが、思い出の一番をぜひ聞いてほしいです。

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