コロナ禍の巡業でサインはもらえるのか?

大相撲夏巡業が再開

8月5日東京の立川(アリーナ立川)で、大相撲夏巡業が開催されました。

新型コロナウィルスの影響により、令和元年12月の冬巡業を最後に中止が続いていた大相撲の巡業ですが、2年8か月ぶりに再開されたわけです。

巡業当日は、約3500名収容の会場に2200名ほどの入りだったそうなので、6割ちょっとの入りではありましたが、「本場所と地方巡業」という大相撲一行本来の動きがまた少し再開されたということで、大きな意義のある一日だったと思います。

とりあえず「再開おめでとうございます。」ではあるものの、一方で詳しく詳細を見てみると、前途多難な様子もうかがえます。

参加力士は幕内29名のみ

本来であれば、巡業には幕内と十両の関取衆が参加します(付き人なども)が、今回の巡業は感染対策のために十両力士が不参加で、幕内力士のみが参加。

しかも、自身の感染や濃厚接触者扱いとなった12名の力士が休場したため、参加した力士は、結果的に下記29名の幕内力士のみになりました。

照ノ富士、貴景勝、御嶽海、正代、若隆景、大栄翔、豊昇龍、霧馬山、隆の勝、琴ノ若、逸ノ城、若元春、高安、遠藤、翔猿、北勝富士、栃ノ心、錦木、琴恵光、千代大龍、明生、琴勝峰、翠富士、宝富士、一山本、剣翔、阿武咲、豊山、大奄美 ※次回以降追加参加あり

最終的に、全力士の約3割にあたる174名が休場した名古屋場所でしたが、それに該当するような、欠席者多数という中での開催になってしまいました。

十両に推し力士がいた場合や、推し力士が幕内だったにも関わらず休場だったファンは本当に残念だったはずで、この先のチケットを持っているファンも、今はハラハラドキドキでしょう。

 

触れ合いも禁止で規制も強化

こんな状態なので、参加力士の人数を大幅に減らしての開催だけならまだ理解できますが、巡業最大の魅力である「力士とファンの交流」の場が大幅に減った(ほぼ無くなった)ことは、仕方ないとは言え、大げさに表現すれば巡業そのものの存在に関わってくる可能性のある問題です。

立川巡業で配布された案内には、握手など直接触れることはもちろん、「サインや写真撮影」なども禁止という旨が記載されており、数名の力士が写真撮影会の形式で対応したのみになっていたようです。

また、 稽古する力士も数名が20分ほどで入れ替わる形式をとっていたようで、申し合い独特の力士が土俵を囲む圧巻の光景は見られなかったようです。

参加力士の数も少なく、「力士とファンの交流の場」が著しく減少し、取組も本場所ほどの熱戦ではない巡業。

冷静に見ると、結構なピンチで、この状況でのチケットの売れ行きが気になります。

ちなみに今回の収容人数からすると収益的にどうなのでしょうか?

以前ご紹介したように巡業は買取になるので、相撲協会云々ではなく、勧進元が判断するものになります。もちろん金銭的な部分だけではないと思いますが、交通費や宿泊費がかかる地方での巡業開催となると、勧進元が減り、結果的に今後巡業の開催数が減ってしまう可能性もあります。

 

 

巡業の意義を改めて考える

巡業が減ってしまうのは、相撲界にとって非常に大きなマイナスになります。

「力士とファンの交流」という魅力を書きましたが、巡業には他にも様々な意義が存在します。

普段本場所を開催している会場は4会場。そこになかなか足を運べないファンのためにも地方巡業は必要です。

近くで巡業が開催されることになり、チケットを貰ったのでちょっと出かけた巡業がきっかけで相撲を好きになる可能性もあります。新たな相撲ファンの獲得にも地方巡業は必要不可欠です。

地元の子供達との触れ合いを通じて将来「お相撲さん」になりたいという子供達を一人でも増やすために地方巡業は必要です。

他にも地元との繋がりを強化してスカウト力を上げたり、地元出身の力士が故郷に錦を飾ったり・・・

「本場所の合間に巡業スケジュールが隙間なく入っている」

これまでのスケジュールは力士の身体も度々心配したものですが、相撲人気暗黒期のように巡業が激減するのも将来的には不安です。現在の入門志願者数などを考えると、少なからずマイナス作用はあるはずです。

巡業は相撲界にとって重要なコンテンツです。

現状での最善策を考え、早く再開の目途をたてて欲しいと思います。

 

新しい巡業の姿を求めて

ここから先は私の勝手な意見ですが、巡業の開催方法を少しの間変更することは出来ないのでしょうか?

20年以上前、勧進元の開催から相撲協会開催に変更したことがあった気がするのですが、相撲協会開催の巡業復活は出来ないのでしょうか?

お客さんの入りの問題や、中止になるかもしれないリスクを考えた時、相撲協会にとっても収益は気になるところだと思うのですが、地元との繋がりや今後の相撲人口、ファンの獲得など将来的なリスクを考えた時、もしこの先勧進元がなかなか現れずに開催が減った場合に、一度実施したら面白いような気がします。

境川改革では、相撲協会での開催だけでなく、ちゃんこの廃止やナイター開催bなど色々な取り組みを行いました。

結果的に失敗もあり勧進元の買取に戻ったりなどはしましたが、ちゃんこの廃止など効率性を重視した部分はそのまま残りました。

時代が変わった現在であれば、巡業を有料会員が見れるようにしたり、親方ちゃんねるで巡業の様子を配信、限定グッズの販売など、以前よりも出来ることがあるような気がします。

取り留めのない終わり方になりますが、地方巡業の復活は大相撲の礎を支える大切なミッションだと思います。

「日常に戻ったら」などとのんびりしていないで、若い親方を中心に改革をしていくきっかけになればいいなと思います。

 

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