※今回は「東京での本場所」に限っての話になります。
大相撲観戦するなら何日目?
『東京で相撲をやるのは何月?』『チケットはどうやって取るの?』
「相撲観戦」について質問をされる機会も度々あるのですが、中にはこう言った基本的な質問だけでなく『何日目に行くのがいいのか?』といった類の、なかなかに興味深い(答えがいのある笑)質問をもらうこともあります。
この質問には「何日目か」というキーワードが入っているので、質問者は本場所が一定期間開催していることを認識しているはずで(恐らく)、少しは相撲への興味度が高い方と勝手に認識しています笑。
ということで、今回は『大相撲観戦に行くなら何日目に行くのが一番良いか?』『大相撲のチケットを取るなら、何日目がおススメか?』についてご案内していきます。
ちなみにこの質問、多くの相撲ファンの結論を言ってしまえば、『いつでも楽しい』『行けるならいつでも』と言うのが回答なのかもしれませんが、今回はそう言わずに、少し考えていきたいと思っています
真っ新な初日
『相撲何日目に行きたいか?』『チケット取るけど何日目がいい?』
皆さん好みがあると思いますが、私がこう聞かれたら真っ先に答えるのが『初日』です。
なぜ初日なのか?というと。。
東京場所の初日だけの風景
初日の土俵では、幕内土俵入りそして横綱土俵入りが行われた後に、初日だけしか行われない賜盃返還と優勝額の除幕式があります。
国技館2階席の上には、四方に渡り各場所ごとの優勝力士の優勝額合計32枚が飾られているのですが、東京場所の度に直前2場所分の額が追加され、その除幕が初日に行われます(合わせて古い物は2枚外されます)。
※先場所の優勝力士から賜杯の返還→優勝額の除幕、次に先々場所の優勝力士の優勝額除幕の順番。
賜杯返還は本場所の初日に行われますが、優勝額の除幕式は東京場所の初日だけに行われるイベントです。
ちなみに優勝賜杯は優勝力士の部屋に置いてあるのではなく、国技館エントランス正面に鎮座しているのですが、このタイミングだけ出して使います。運が良ければ?ルパンが去った後のようなエントランスのショーケースを見る事ができます。
理事長による協会挨拶
初日の幕内土俵入りの前には、 現在の理事長と横綱・三役の力士が土俵に上がり理事長による協会挨拶が行われます。
「初日にあたり~」で始まるお馴染みの協会挨拶ですが、コロナ直後の八角理事長の挨拶は、歴史に残るなかなかの挨拶だったと思います。
土俵に上がる全員が、正面を向いてしばらくの間静止するので、正面のお客さんはシャッターチャンスです。
休場力士が少ない
コロナ禍になったことで、場所前にコロナが発覚して「部屋全員が休場」というパターンが最近ではありますが、基本的に序盤戦は休場力士が少ないことが多いです。
終盤になるにつれ、怪我をして休場する力士も出てくるため、折角チケットを取ったのに推しが休場!なんて可能性も初日では低くなります。
そして何より、横綱・大関は途中休場はあっても、途中出場はありません。出場するのであれば初日は必ずおり、休場の場合は全休します。
初日観戦のデメリット
相撲観戦にデメリットなんてないですが、強いて言えば、「まだ場所が温まっていない」ということでしょうか?
初日の観戦後はまだ力士の勝敗も1勝か1敗で、今場所の調子やそれぞれの仕上がりも分からない状態です。
やっぱり相撲は千秋楽でしょ
毎場所チケットの売れ行きを見ていくと、やはり千秋楽の人気は高いなと感じます。
優勝争いと場所全体の雰囲気
日曜日に当たり、初日同様にイベントが多いこともありますが、何より「優勝が決まる」という会場全体の高揚感が初日とは最も異なる部分です。
どんなに激しい優勝争いが行われていようが、千秋楽には必ず決着が付きますので、結びの一番まで手に汗握る攻防の一番を見る機会も多く、場合によっては「優勝決定戦」や、運次第では「巴戦」も見ることが出来るかもしれません。
そしてこの光景は十両の土俵においても同じで、特に実力が拮抗しやすい十両では、千秋楽に優勝が決まることが多いです。
未来の人気力士の攻防戦
千秋楽に優勝が決定するのは、何も幕内や十両だけではありません。
幕下以下の各段においても、本場所中の取組で優勝力士が決まらなかった場合は、千秋楽に優勝決定戦が行われます。
幕下以下の優勝決定戦は、原則幕内土俵入りの前に行われる為、普段観客がまばらな館内で相撲を取っている力士が、満員の国技館で相撲をとります。まだ髷の結えていない力士がスポットライトを浴びる姿は、関取とはまた違った意味で手に汗握る攻防です。
テレビでお馴染みのあの風景
千秋楽ならではのイベントと言えば、お馴染みの「優勝賜杯の授与」や「優勝力士インタビュー」などが行われます。
優勝賜杯だけでなく、様々な商品が贈られる表彰式も見ものですがいつの頃からか始まった、あの優勝インタビューは必見。
饒舌な力士、寡黙な力士と様々ですが、本場所中に力士の生の声を聞く機会はあまりないので、千秋楽のインタビューを聞くと「ああ今場所も終わったのだな」と感じます。
千秋楽のデメリット
取組の進行が早く、幕下以下の相撲も楽しみにしているファンにとっては、番数が少ないです。
また、部屋の後援会に入っていたり、千秋楽パーティーに参加する予定の人にとって千秋楽の相撲観戦はドタバタするかもしれません。
「勝ち越しが掛かるので淡泊な相撲が増える」という意見もたまに見かけますが、個人的にそれはあまり感じません。
日曜日の中でも取りやすい中日
バランスが良い中日
現役世代にとって朝から18時までという、行けない時間に設定されているかのような大相撲。土日に行こう、、、と思われるかもしれませんが、候補は5日間(初日・7日目・8日目・14日目・千秋楽)だけ。
その中でも、千秋楽などに比べてると比較的チケットを取りやすいと感じるのが、中日8日目です。
中日になるとある程度力士達の状態も分かり、かつ勝敗に差が生まれて来ますので、徐々に高揚感が高まってくる頃で、初日の慣例(横綱VS小結)がない中日は、若手のホープを上位と対戦させることも多いです。
中日のイベント
中日には、入門して番付に載ることを許された新弟子たちを披露する、 「新序出世披露 」が行われるので、その中から出世した力士が誕生すれば、何年後かに話のネタになるかもしれません。※ただし時間は13時くらいです。
また、テレビで時々見かける「天覧相撲」ですが、こちらは初場所の中日に行われるケースが多く、その際は幕内土俵入りが特別な形式で行われます。
序盤の平日に行くか?
「序盤戦の平日」
平日の昼間に時間の取れる方は、ぜひこのタイミングで観戦に出かけて下さい。一番チケットが取りやすいのは、恐らく2日目~6日目辺りだと思います。
相撲協会もそれを分かっているからこそ、平日にはお出迎え系のイベントや、プレゼント企画などを実施していることも多いようです。
ちなみに私も学生時代は「まず序盤戦に行っておく」ことをしていました。
まだ相撲勘の戻っていない序盤戦は、結びで波乱が起こる可能性もあるので、驚きの光景を目に出来るかもしれません。
結論いつでも楽しい相撲観戦
ということで、今回は「大相撲観戦に行くなら何日目に行くのが一番良いか?」というお話をしてきましたが、結論は「いつでも楽しい」です。
一日一日の土俵にドラマがあり、観戦する人たちにも想いがあります。
一度15日間通しで観戦したい気もしますが。。。