次の横綱は誰になるのか?

求められる新横綱

季節が経つのは早いもので、昨年の名古屋場所後に新横綱照ノ富士が誕生して、間もなく1年が経とうとしています。

横綱として出場したこの1年6場所の成績を振り返ると、13勝、全勝、11勝、3勝(途中休場)、12勝、11勝。6場所合計65勝で優勝が3回(うち全勝1回)。昨年末には年間最多勝も獲得。

横綱としては、まずまずの責任を果たした数字かと思いますが、この11月に31歳になる照ノ富士は膝の怪我の心配もあり、この先一人横綱として毎場所皆勤を求めるのは多少酷になってくるはずです。

照ノ富士の現役生活が少しでも長く続けるため・今後の相撲人気を盛り上げるため、その双方において一刻も早い「次の横綱」誕生が望まれています(相撲協会としても望んでいるはずです)。

数字以上の空白感

ここ最近の相撲界を見ていると、たしかに「初優勝」は数多く誕生していますが、随分と長く「新たな主役が誕生していない」、「顔ぶれが変わらない」印象があります。

平成以降、1990年秋場所の旭富士から、2021年秋場所の照ノ富士まで合計11人の横綱が誕生しています。

その中で新横綱誕生のスパンを見てみると、だいたい2年~4年弱くらいが平均で(かなりおおざっぱですが)、期間が最も空いたのが2007年名古屋場所の白鵬から、2012年九州場所の日馬富士の5年4ヶ月です。

こうしてみると、数字においては新横綱照ノ富士誕生からまだ1年しか経っておらず、それほど「新横綱誕生は急務」という印象はありません。

ではなぜ 「新たな主役が誕生していない」 「顔ぶれが変わらない」印象を受けるのでしょうか?

照ノ富士が一人だけ

私も長くこの 「新たな主役が誕生していない」・「顔ぶれが変わらない」という印象を持っている一人なのですが、これは恐らく「世代」という見方が原因となっているのではないでしょうか?

勝手でややこしい解釈にはなるのですが、「同じ時代に相撲を取った力士達」の中で、数名が横綱昇進を果たしたとしても、それは「新たな顔ぶれ」ではなく「その世代の中で新たに横綱が誕生した」ということであり、新たな世代という印象は受けません。

「曙、貴乃花、若乃花、武蔵丸」この4横綱のうち、1993年3月に最も早く横綱昇進をした曙と、1999年7月に最も遅く横綱昇進をした武蔵丸は、それぞれの昇進期間が6年近く空いていますが、個人的には同世代という認識です。

横綱昇進の早かった白鵬と、早熟晩成型の稀勢の里との昇進期間は、なんと10年近く空いていますが、やはり「白鵬・稀勢の里・日馬富士・鶴竜」は同世代の印象は否めません。

本来であればその下の世代からの突き上げがあるはずなのですが、唯一スピード出世で期待された照ノ富士が怪我で失速、逆に白鵬が2世代分横綱を勤めるということになったため、「いつまでも顔ぶれが変わらない」という印象がさらに強くなったのです。

同世代での出世頭であり、横綱として十分な活躍をしている照ノ富士ではありますが、そもそも出世が早かった為、相撲ファンにとっては「新しい顔」という認識ではありません。そしてここまで付いてきた同世代の力士もいません。

そう言った様々な要素が複合して、全体的に閉塞感が漂っているような気がします。

次の横綱は誰だ?

大関陣は奮起するのか?

長々とネガティブな話をしてきましたが、ここからは前向きに、今回のタイトルにもした「次に横綱になる力士」を探っていきましょう!

まずは横綱に最も近い「大関陣」から!!

総合的に見るとやはり最も期待されるのは貴景勝ではないでしょうか?

以前の記事にも書きましたが、これまで横綱昇進した力士の年齢や、出世スピードを考慮すると貴景勝が最も当てはまるはずです。

相撲に対する姿勢や考え方も十分、年齢もこの8月に26歳なのでまだ若いですが、大きな課題としては怪我と突き押しオンリーという相撲スタイルがでしょう。。。

 

 

続いて、これまで幕内最高優勝を3回も果たしており、照ノ富士に続き現役ナンバー2の数字を誇る御嶽海

大関昇進時には、故郷をはじめ大変な盛り上がりを見せていましたが、「名門再興のために力を貸してほしい 」という親方の言葉で入門を決めた御嶽海にとって、横綱昇進こそが「名門出羽海部屋復活」という本来の目標のはずです。

かつての御嶽海には非常に安定性を感じており、永遠に勝ち越しを継続出来るのでは?とさえ思っていました。そして度々起こる爆発。

ポテンシャルから考えると、大関昇進に関してはそれほど驚くような印象ではなく、大関昇進後の春場所あたりでは次の優勝で綱取りの声が出てくるか?とさえ思っていました。

年齢もまもなく30歳、夏場所の怪我がどの程度なのかわかりませんが、ワンチャンが得意そうな力士ではありますので、もしかすると・・・。

最期に正代ですが、彼の場合はむしろ伸び伸び取った方が良いと思いますので、横綱云々の議論にはあえて乗せません。

先場所はまさかの10勝をあげ、上位陣と互角に戦える実力を見せましたが、やはり横綱のプレッシャーは大関のそれとは次元が違うはずです。

 

あの力士も候補に入れておこう

今は三段目にいる力士ではありますが、元大関ということで朝乃山も候補として挙げたいと思います。

彼の最大の強みは何と言ってもその「相撲スタイル」です。

大関時代「本格派の相撲をとる」と言われていましたが、やはり四つ相撲は突き押しに比べて取りこぼしが少なく、横綱として確実に勝つことはもちろん、取りこぼし一つが命取りになる綱取りにおいても、その確実性は大きなメリットになります。

かつて栃ノ心のようなガチガチの四つ相撲には非常に期待したのですが、やはり綱取りには四つ相撲が有利だということは否めません。

とはいえ、現在の朝乃山における最大の課題は、まずは一刻も早く番付を戻すことです。

 

 

25歳以下の次世代力士達-幕内-

ここから先は年齢的な観点で見ていきたいと思います。

最近は少し活躍をする力士が現れると、すぐに「期待の若手」といったフレーズを乱発しますので、ここでの若手の定義は「25歳以下で期待出来そうな力士」ということにします。

まずは23歳を迎えた豊昇龍。技のキレや勝負にかける執念は抜群です。叔父さんの姿も重なり、期待値は場所ごとに上昇中。

朝青龍が上がって来た頃の勢いと比べると少し物足りない感じもしますが、あと少し体重が増えれば、ここから2年くらいには大いに期待出来そうです。

次に豊昇龍と同じ学年の王鵬。こちらも血統は抜群です。海外勢に負けないくらいの良い体型をしていますが、名古屋場所でようやく幕内初勝ち越しと、周囲の期待が大きいためこちらも物足りなさが否めません。

しかしこれまでの力士からも言えますが、昇る時は一瞬です。勝ち越しのプレッシャーを超えた秋場所から、一気に豊昇龍に追いつけ追い越せです。

次にこの二人よりも年上になりますが、王鵬と同じく横綱の血統を継ぐ琴ノ若

デビュー当時の話題に比べると、新入幕後は大人しく目立った印象がありませんでしたが、ここ1年間で一気に自力を付けてきました。

先場所は、不運にも勝ち越し目前での休場となってしまいましたが、もはや三役の実力が十分にある力士です。

往年の相撲ファン達の多くは、 父はあくまで通過点、二代目琴櫻襲名に想いを馳せていると思います。

25歳以下の次世代力士達-十両以下-

続いて十両以下の力士です。

まずは以前本場所の総括でも何度か取り上げた北青鵬。スケールが大きく、相撲のセオリーが通じないあの規格外の取り口は最大の武器です。

しかし毎場所見ていると、あまり変わり映えのない相撲をとっており、相撲に素早さもなく、体型だけで勝利している印象も強いです。

北青鵬は、つい最近まで角界で頂点にいた力士から最も近くで指導を受けることが出来る立場です。この体型に磨いた「技」が加われば、、、

ギリギリ25歳ということで今回候補に入れるのが、来場所新十両の金峰山です。日大相撲部を経て大相撲に入門をしてきているので、相撲も出来上がっており、まだまだスピードが衰える気がしません。

個人的には昨年から今年にかけては「怪物=北青鵬」でしたが、最近では「怪物=金峰山」になりつつあります。それくらい新十両の秋場所は期待しています。

そして最後は皆大好き熱海富士です。

SNSなどでは、熱海富士の可愛らしさがフィーチャーされていますが、彼は以前紹介したように10代で関取になっている期待度の高い力士です。

 

 

少しメンタルの弱さを感じますが素質は十分なはずなので、可愛いあたみんは10代で卒業して、二十からは強いあたみんを期待しています。

今回は「次の横綱は誰になるのか?」ということで、だいぶ長くなりました。最後まで読んで頂いた方はありがとうございます。

皆さん賛否両論あると思います。

幕下以下には、吉井や大辻など期待の日本人力士達も、次の出番に備えて力を蓄えています。

観客制限もなくなった本場所、新世代と現世代のガチンコを楽しみにしています。

 

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