貴景勝は横綱になれるのか?

私は元々貴乃花部屋の後援会だったため、「貴魂」の継承者である貴景勝を応援しています。

そのため、今回のテーマに関しては感情的な部分も多少入ってしまいますが、なるべくフラットな状態で進めていきたいと思いますので最後までよろしくお願いします。

横綱昇進時年齢と大関昇進時年齢

今回のテーマ「貴景勝は横綱になれるのか?」を検証するにあたり、まずは年歴的な観点から考えてみたいと思います。

道具を使うスポーツではない大相撲。やはり肉体的・体力的な面に依存する部分は大きいと思うので、昇進スピード(出世)が速いに越したことはないはずです。

ということで、以下は平成以降に横綱昇進した力士達の、大関昇進時と横綱昇進時の年齢になります。

旭富士:大関昇進-27歳・横綱昇進-30歳
曙:大関昇進-23歳・横綱昇進-23歳
貴乃花:大関昇進-20歳・横綱昇進-22歳
若乃花:大関昇進-23歳・横綱昇進-23歳
武蔵丸:大関昇進-22歳・横綱昇進-28歳
朝青龍:大関昇進-21歳・横綱昇進-22歳
白鵬:大関昇進-21歳・横綱昇進-22歳
日馬富士:大関昇進-24歳・横綱昇進-28歳
鶴竜:大関昇進-26歳・横綱昇進-28歳
稀勢の里:大関昇進-25歳・横綱昇進-30歳
照ノ富士:大関昇進-23歳・横綱昇進-29歳

平成以降に誕生した横綱は全部で11名いますが、旭富士と鶴竜、稀勢の里以外の8名が20代前半の24歳より若い年齢で大関に昇進しています。

「遅咲き」「晩成型」などという言葉もありますが、その多くがやはり20代前半から大関候補と呼ばれ、その後も「候補倒れ」にならず期待通りに昇進を果たしていることが分かります。

最高位大関の力士

では逆に大関昇進は果たしたものの、その後横綱昇進を果たせなかった(果たせていない)力士の年齢を、同じように見てみたいと思います。

霧島:大関昇進-30歳・大関最終場所-33歳
貴ノ浪:大関昇進-22歳・大関最終場所-27歳
千代大海:大関昇進-22歳・大関最終場所-33歳
出島:大関昇進-25歳・大関最終場所-27歳
武双山:大関昇進-28歳・大関最終場所-32歳
雅山:大関昇進-22歳・大関最終場所-24歳
魁皇:大関昇進-28歳・大関最終場所-38歳
栃東:大関昇進-25歳・大関最終場所-30歳
琴欧洲:大関昇進-22歳・大関最終場所-30歳
琴光喜:大関昇進-31歳・大関最終場所-33歳
把瑠都:大関昇進-25歳・大関最終場所-28歳
琴奨菊:大関昇進-27歳・大関最終場所-32歳
豪栄道:大関昇進-28歳・大関最終場所-33歳
高安:大関昇進-27歳・大関最終場所-29歳
栃ノ心:大関昇進-31歳・大関最終場所-32歳

平成以降に大関昇進を果たし、最高位が大関だった力士は、現大関と朝乃山を除き15名いますが、同じく20代前半の24歳以下で大関昇進した力士は4名。

学生相撲出身力士も多いためスタートの年齢が遅く、一概には言えませんが(その時代においてのパワーバランスもありますが)、やはり大関昇進で力を使い切ったような印象も受けます(魁皇や雅山の例もあるので何ともですが)。

非常に抽象的な表現になってしまいますが、後に横綱昇進する力士の大関昇進に関してまとめると、、、

「若い頃から期待されており、(年齢的にも)ある程度伸びしろを残した状態で大早い段階で大関昇進する」

こんなところでしょうか?

貴景勝の現在地

それでは大関貴景勝のケースを改めて確認してみましょう。、

10代で関取に上がり、早い段階から将来を期待されていた貴景勝ですが、大関に昇進したのも22歳7か月と歴代9位の速さで、順調に出世をしてきました。

こうしてみると、出世スピードに関しては全く問題ないように思えます。

 

 

次に優勝についてですが、貴景勝はここまで2度賜杯を抱いています。

前述した大関陣の中で複数回優勝をした力士は15名中4名。

ちなみに「20代前半での昇進」と「複数回優勝」を共に満たしている力士で絞ってみると、千代大海と貴ノ浪の2名、共に大関としての実績は十分で、横綱挑戦の場所もあった名大関でした。

こうして確認して調べてみると、貴景勝は「思い出大関」ではなく、「上を目指せる大関」として実績や可能性が十分ある力士だということが分かります。

名大関と横綱の狭間

しかし一方で、千代大海は大関在位歴代1位の65場所、貴ノ浪も歴代7位の37場所と、土俵人生後半は(貴ノ浪は後半陥落しましたが)、「大関を守る」イメージになっていた感は否めません。

また、昇進年齢が早いと上を目指し複数の優勝や横綱も狙える反面、陥落するほど実力が低下するのも遅いので、横綱昇進を逃すと万年大関という印象が強くなってしまケースもあます(大関というだけで凄いのですが)。

この大関在位が「長い」という期間がどれくらいからなのか?ですが、感覚値や在位ランキングを参考にすると、30場所5年が一つのめどになるような気がするので、現在大関在位17場所になる貴景勝にとって、これから約2年間が横綱を狙うには「旬」な時間になってくるように思えます。(突き押しの場合、琴櫻のように調子が乗って連覇になる可能性もありますが、あくまで数字的な面で)

貴景勝横綱昇進の壁

数字的なところだけを見ければ、貴景勝が横綱を狙うに値する力士であり、正にそのタイミングであることをご理解頂けたかと思いますが、貴景勝の横綱昇進にとって大きな壁は、その体型と相撲のスタイル、そして何より最大の魅力でもある「魂」です。

捕まる前に弾き飛ばせ

身長が低く体型に恵まれない貴景勝にとって、四つ相撲相手に捕まってしまうと一気に勝率は下がってしまうため、捕まる前にいかに弾き飛ばすか?が大きな課題です。

とはいえ、毎回電車道で弾き飛ばすのも限界があるので、勝お兄ちゃんが過去に言っていたように、当たる角度や間合いを変えるというように、突き押しにもパターンを付けていくようなことも必要かもしれません。

また、私は相撲をやったことがないので分かりませんが、貴景勝のスタイルで前みつを取って前に出るようなスタイルの相撲を取るの難しいのでしょうか?

恐らく多くの方が思っているでしょうが、攻めのパターンを増やして欲しいなと感じています。

突き押し相撲の憂鬱

調子が良くても何があるか分からず、成績に波がある突き押し相撲よりも、成績が安定しやすい四つ相撲の方が横綱を狙いやすく、そもそも突き押し一本だけで横綱に昇進した力士は、過去にいないはずです(昔は知りませんが)。

横綱昇進の条件である「2場所連続優勝かそれに準ずる成績」は、イコール安定した成績ということになりますので、突き押し相撲よりも安定感のある四つ相撲の方が向いているスタイルになるということなのでしょう。

実際に貴景勝の星取表を見ても、調子のいい場所であれば優勝に近い勝ち星をあげていますが、やはりムラがあると言えます。

逃げない魂が諸刃の剣

貴景勝最大の魅力は、相撲に対して真摯に向き合う姿勢と、土俵で燃やすその魂なのですが(女性ファンの可愛いという声は置いておき)、正直これがネックになっている部分もあると感じます。

貴景勝は、怪我をしても休むことをせずに土俵に上がり、変わらず真っ向勝負をするだけに、場所中更に痛めて休場ということも多く、逃げない精神が返って怪我の治りを遅くしているようにも思えます。

ここは非常にもどかしい部分なのですが、やはり休む勇気も必要なのかもしれません。

横綱目指して

横綱昇進の壁と称して3つ上げさせて頂きましたが、そのどれもが変えられるものではないので、今持っている貴景勝の武器で横綱を狙っていかなければいけません。

序盤戦がカギか?

最近の「貴景勝の序盤戦」というと、「初日に完勝→二日目か三日目に負け」というパターンがよくあるような印象ですが、 いかに序盤戦で取りこぼさずに終盤まで優勝戦線に残るか?が重要になってきますので、まずは万全の体調でしっかりと足が出る状態で初日を迎えて欲しいと思います。

貴景勝の自力を鑑みて現在の幕内を見回した時、自力が貴景勝よりも高く(もしくは互角)、対戦が頻繁にある力士で完全な四つ相撲力士は、恐らく照ノ富士だけで、以前に比べると少なくなった印象を受けます。

そのため、殆んどの対戦が立ち合いでぶつかった後、突き合いや押し合いで流れる相撲が多くなり、万全であればガチガチの四つ相撲力士に序盤から捕まるようなケースは少なくなるように思えます(捕まえようとしても、自力に勝るのでまずは弾けるはず)。

その照ノ富士戦にしても終盤での対戦になるので、お互いに消耗した状態で当たる可能性も多く、序盤戦の取りこぼしがなければ、チャンスは十分あります(そもそも対戦成績はそれほど大きく離れていません)。

囁かれる体重問題

貴景勝の体重に関しては、ここ数年ずっと囁かれている問題です。

180キロを超えた際に指摘されたのが最初だったように思えますが、その後も事あるごとに「体重問題」を口にする親方や関係者は多く、貴景勝が低迷した際の原因として都合良く使用されている感じもします。

取組後に苦しそうにしていたり、前に落ちて敗れた際は体重に関して気になりますが、そこは体調管理に関しては考えている貴景勝ですので、周りがとやかく言う必要はないのかな?とも思います。(たしかに180キロまで増えた時期は太りすぎと感じましたが)

横綱に向かって

ここまで、データや現状から貴景勝の横綱昇進の可能性を予測してきましたが、気持ちとしては横綱昇進を心から願っております。

押し相撲の場合一発の爆発力があるので、連覇するよりも横綱を維持する方が難しいという意見もあると思いますが、貴景勝の場合、無理に出場しなければ陥落してしまう大関よりも、2-3場所休みコンディションを整えることが出来る立場の方が、今よりも体調管理しやすいような気もします。(本人の気持ちはさておき)

白鵬引退後、次世代の力士が伸びてきていると言われていますが、貴景勝が豊昇龍や琴ノ若の年齢の時は既に大関で、王鵬も間もなく貴景勝大関昇進時の年齢に迫ります。

現在の上位陣の中で、だれよりも早く世代を引っ張り上位陣と戦い続けた漢、貴景勝の横綱への歩みを、これからも応援したいと思っています。

 

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