久々の出稽古解禁!
豊ノ島や安美錦の断髪式で盛り上がった5月を過ぎ6月に入ると、相撲界では久々の光景が話題となりました。
2020年3月の大相撲春場所前を最後に禁止になっていた出稽古が、2年3カ月ぶりに解禁され、高安や貴景勝、霧馬山ら幕内力士達が精力的に出稽古を行い、追手風部屋や荒汐部屋を中心ににぎわう様子がSNS上でも話題になっていました。
以前は当たり前に行われていた出稽古ですが、コロナ禍の元禁止となり、関取が複数在籍している部屋と、一人しかいない部屋での稽古の質が問われたりなど早い復活が望まれていましたが、教習所での合同稽古を経て今回の期間限定での解禁となりました。
今後は段階を経て期間限定ではない全面的な解禁→連合稽古復活などもしていくのではないでしょうか?
出稽古解禁で力士の調子は?
先程ご紹介したように、今回の出稽古解禁で精力的に動いている力士がいる一方、この期間内も自身のペースを保ち調整を行っている力士もいます。
細かく誰々というのは分かりませんが、照ノ富士などは膝の状態も考慮し、自身のペースで仕上げてきています(自前で横綱5人掛かりが出来る部屋ですので、出稽古しなくても十分稽古相手がいるという環境もありますが)。
「出稽古解禁」という話題が盛り上がって報道されているため、積極的に動いていた高安などは好調さを感じさせるような印象を受けましたが、静かに調整をしている力士は反面あまり話題になっていません。
果たして実際に場所が始まった際の仕上がりはどうでしょうか?
荒れる名古屋場所マジックなるか?
復活した出稽古の話題が一段落し、いよいよ番付発表を迎え灼熱の名古屋場所が今年も幕を開けます。
ここ数年間は「平幕優勝」や「初優勝」が多く誕生し「荒れる○○」という言葉も少し忘れ去られがちになり、最近の相撲ファンにとっては初場所の方が「荒れる」印象が強いかもしれませんが、そもそも以前はこの名古屋場所こそが「荒れる場所」と言われていました。
理由は様々ですが昔からよく言われるのが、暑い時期のため体調維持が難しく、コンディションを落とす力士が多く、しばしばノーマークの力士が優勝すると言われていました(その昔2年連続平幕優勝ということもありました)。
力士は大きいので、そもそも暑さを苦手にする力士も多いのでしょう。
このように、最近の「荒れなさ」を抜きにしても、名古屋場所が元々調整しにくい場所というのは確かなようです。
調整遅れが吉兆か?
調整の難しいと言われる名古屋場所の前、解禁になった出稽古の影響ははたして出るのでしょうか?
今回の争点はそこになって来るのですが、出稽古での疲労具合が残るという点などではなくて、ここ数年行われていなかった出稽古が復活したことによって、場所までの仕上げの方法を元に戻した力士と、ここ2年間のやり方を守った力士など多様化したのではないか?と考えてしまいます。
プロ野球においても、今年は例年通りでのキャンプイン→通常開幕と、元に戻ったにも関わらず、かえって調整が難しかった選手もいるようです。
個人的には精力的に動いた力士達にも頑張って欲しいのですが、意外にペースを変えなかった力士の方がかえって気負わずに本場所に入っていけるような気もします。
照ノ富士と御嶽海
そうなると、上位陣の中で照ノ富士と御嶽海の両力士の仕上がりに注目してしまいます。
まず照ノ富士ですが、こちらは膝の状態を考えながらの稽古であり、調整をする稽古であれば部屋で十分出来てしまう環境があります(錦富士も新入幕)ので、変わらぬペースで調整してきており、冬に比べて暑い場所の方が膝の状態は良いはずです。
そして夏場所全く精彩を欠いた御嶽海ですが、こちらは5月場所で怪我をしていたらしく、計画していた正代や貴景勝との出稽古も回避したようで、ぶっつけ本番で名古屋場所を迎えるそうです。
カド番で迎える場所のため、本来であれば「大ピンチ」のはずですが、御嶽海の場合休み明けの方がかえって力を出し、強い場所は気付いたら先頭を走っている印象もあります。
あくまで勝手に妄想を膨らませているだけではありますが、序盤戦の力士達の身体のキレに注目したいと思います。
名古屋場所開幕まであと2週間!
三段目力士が注目されるかつてない場所が始まります。。。