令和2年春場所前以来、約3年半ぶりに復活した相撲列車が話題となっておりますが、26日に番付発表が行われ、いよいよ名古屋場所まで2週間を切りました。
ここ数年の相撲界では、初優勝や平幕優勝が多く誕生しているため、すっかり「荒れる」イメージが薄れた名古屋場所ですが、ジメジメとした陽気に加えて気温も上がり、体の大きな力士にとって体調管理が難しい時期というのは今も昔も変わりません。
そんな名古屋場所の新番付を見ながら、思ったことを書いていきたいと思います。今日は私誕生日なので少し厳しめに書いていきます(なぜ?)!
朝乃山照ノ富士に雪辱なるか?
先場所前頭14枚目で12勝を挙げて幕内上位に復帰した朝乃山。名古屋場所はいよいよ上位陣総当たりとなります。
最後に幕内上位で皆勤したのが令和3年の春場所になるので、約2年半ぶりに連日後半戦の土俵で相撲をとることになり、ここからが復帰の第一章になります。
「元大関ゆえにここでも大勝ち」そう思いたいところではありますが、ここ2場所を見てみると、幕内上位の実力がある力士で正代や明生には勝ってはいるものの、大栄翔や逸ノ城には敗れています。
そして何より天敵照ノ富士には、先場所も一蹴されてしまいました。これで6戦全敗。
今後、朝乃山が上に行くためには「照ノ富士の壁」を超えなければいけません。たとえ優勝したとしても、照ノ富士からの勝利がなければ、恐らくそこを指摘されるはずです。
通常の相手であれば、体型に任せて寄っていくことが出来ていますが、照ノ富士は立ち合い組み止められ、同じ右四つ、まともに自力の差が出てきます。
もういっそのこと、左四つで攻めてみたらどうでしょうか?
序盤戦注目の一番になるかもしれない「照ノ富士VS朝乃山」楽しみですね。
新大関のプレッシャーはない?霧島
霧島、霧島・・・なんだか懐かしい響きですね(笑)
この名古屋場所、番付に「霧島」の名前が復活します!
今場所大きな注目を浴びる力士の一人である、新大関霧馬山改め「霧島」。
その素質や運動神経を考えれば、正直大関昇進はそれほど意外ではなく、むしろ綱取りさえも狙える存在です。
しかし、先場所の相撲内容はそれほど良かったと思いません(特に序盤戦)。下がりながらの勝利ではなく、今場所は前に出ながらの正攻法な攻め・巧い相撲を期待しています。
正代とは違い、見ていて全くプレッシャーを感じていないように見える霧島。優勝争いの激化する終盤戦が楽しみです。
次の大関は?大栄翔、豊昇龍、若元春
関脇大豊作となっている昨今の相撲界ですが、大関取りに成功した霧島が名古屋場所から大関となるものの、まだまだ看板力士の欲しい相撲協会。
霧島を追従する3関脇の大関取りにも注目です!
今年の初場所から、10勝(筆頭)-12勝(小結)-10勝(関脇)と来ている、もはや上位陣の実力者大栄翔。数字上では今場所11勝で大関昇進です。
大栄翔最大の強みは、第一人者である照ノ富士を得意としていることです。3場所合計33勝に多少足りなかったとしても、照ノ富士からの勝利さえあれば。。。
今場所東関脇に位置する豊昇龍の直近3場所の成績は、8勝-10勝-11勝となっており、こちらは名古屋場所12勝で大関昇進となる数字ではありますが、豊昇龍の場合はこれで6場所連続での関脇、9場所連続での三役となっており、安定感といった点では他の二人を凌ぎます。
3人の中では最も早く「大関取り」と言われていた豊昇龍にとって、霧島の大関昇進は悔しい意外の何者でもなかったはず。叔父さんに投げられている場合ではありません、悔しさは是非土俵の上で!
最後の大関候補となるのは若元春。直近3場所の成績をご紹介すると、9勝(小結)-11勝(小結)-10勝(関脇)。新関脇となった先場所も二桁勝っており、名古屋では数字上12勝で33勝に届きます。
当初は、三兄弟で最も出世が早く新関脇でも優勝を果たした弟若隆景の影に隠れた存在でしたが、いつの間にか立場は逆転。左四つの型も持っており、腰も強く、相撲も安定してきました。
怪我のために出場出来ない弟のためにも、兄は名古屋で暴れます。
三大関同時昇進というのは、大相撲の歴史でも例はないはずです。星の潰し合いもあるはずで、それほど甘くはないと思いますが、もしもそうなったら・・・これはその時に考えましょう。
魅力一杯の新入幕
北青鵬と金峰山が新入幕した際も、「新入幕が熱いぜ」と書いた気がしますが、今場所も個性派揃いで楽しみな新入幕力士が並びます。
夏場所十両の優勝決定戦を制し、14勝1敗という高レベルの十両優勝を引っ提げて新入幕を飾る豪ノ山。千秋楽の落合(当時)戦で見せた気迫の相撲は多くの相撲ファンを熱狂させたはずです。
遠目ではその姿が豪栄道に見えて、まるで親子か兄弟か?といったところですが、ぜひ最高位も相撲道も豪栄道に迫って欲しいと思います。
誰とは言いませんが、期待されながらもある程度で伸び悩む力士が最近多い印象ですので、豪ノ山にはぜひこのまま落合と共に駆け上がってほしいと思います。
その豪ノ山との決定戦に敗れながらも、同じく14勝1敗の高レベルの成績を納め、入門4場所目で新入幕を決めた落合改め伯桜鵬。
組んでも離れても取れる相撲ぶりと崩れない体幹、そして何よりふてぶてしいまでの雰囲気や対応が、既に大物ぶりを感じさせます。部屋も関取誕生が続き、稽古相手にも恵まれ・・・この快進撃がどこまで続くでしょうか?
師匠白鵬は新入幕で12勝していますが、伯桜鵬の新入幕はどうでしょうか?まだまだ満開には早いこの桜への期待は膨らみ続けます。
豪ノ山が埼玉栄⇒中大。伯桜鵬が鳥取城北と相撲エリートなのに比べて、もう一人の新入幕力士湘南乃海は最近では珍しい中卒叩き上げ。
幕下上位で長く苦戦しましたが、新十両12勝を皮切りに3場所で十両通過、名古屋は新入幕で迎えます。
190センチを超える恵まれた体型と、組んでも離れても取れる相撲ぶりに期待は高まります。インタビューでも答えていたように、「叩き上げとしての誇り」をぜひ見せつけて下さい。しかし高田川部屋は、スカウト力が高いですね。
横綱と大関の意地
夏場所は、久々に出場した横綱照ノ富士が「番付の重み」を見せつけ優勝を果たしましたが、二桁優勝を目指す横綱にとっては「まだまだ足りない」といったところでしょう。
やはり大相撲は「強い横綱」が存在してこそ成り立つもの。名古屋場所でも「横綱は別格」と思わせるような相撲ぶりが期待されます。膝の状態さえ問題なければいけるはず。
怪我に苦しみながらも気力だけで角番脱出した大関貴景勝。
満身創痍の土俵が続きますが、出場するからには照ノ富士と共に優勝争いを引っ張って欲しいと思っています。その相撲ぶりにはいつも心を動かされています。
待ち遠しいな名古屋場所
名古屋場所は他にも見所は満載です。
十両まで後がなくなってきた遠藤の復活ぶりにも注目したいと思いますし、幕内再挑戦で成長ぶりが気になる武将山。
上位で跳ね返された金峰山のリベンジに、先場所序盤戦土俵を湧かせた北青鵬。
夏場所前半、優勝戦線を引っ張った明生の怪我の具合。
前頭2枚目に並んだ元大関に、そろそろ答えが欲しい王鵬。
ちなみに後輩一押しの平戸海。地道な成長の中、実は世代出世頭ではありますが、流石に今場所は苦しい展開になるはずです。地元で三役を狙うべく、今場所は試練の夏になるか?
そして地元で入幕を狙うためにも、貴健斗にはぜひとも二桁勝利を!
まだまだ書きたいことはありますが、眠くなってきたので今日はこれまで。