横綱はどこの県から一番出ているか?

関西出身横綱は100年出ていない

春場所最大の注目は「大関貴景勝の綱取り」。

初日の大相撲放送で言っていましたが、「関西出身の横綱」(大阪や兵庫ではなく関西の括り)ということになると、第26代横綱の大錦卯一郎(佐渡の怪童ではない)以来となるそうで、この大錦が引退したのが大正12年1923年の春場所なので、ちょうど100年ぶりということになります。

そんなに出ていないか?と一瞬思ったのですが、2000年以降の20年ほどをさっと考えてみても、朝青龍・白鵬・日馬富士・鶴竜・照ノ富士、、、、稀勢の里以外は「モンゴル」になるので、茨城県だけです。

では、その前の時代ではどうだったか?と考えてみると、貴乃花と若乃花は東京出身で、残りの横綱曙と武蔵丸はハワイ出身。

平成以降の横綱の出身地で考えると、旭富士の青森を加えたとしても、青森県が1人、東京が2人、茨城県が1人。

たしかに関西はおろか、中部地方、北陸地方、中国地方、四国地方、九州地方と殆んどのエリアから横綱の輩出はありません(ハワイが2人、モンゴル5人)。

今回この放送を聞いて気になったのが、47都道府県の中で最も横綱を輩出をしている県はどこなのか?ということです。

ぱっと頭に浮かんだ何となくのイメージですが、北海道や青森県など、相撲が比較的盛んなエリアのような気がします。

歴代横綱の出身地ということで、少し調べてみたいと思います。

昭和の大横綱全員を輩出

横綱輩出第1位の県は、予想通り北海道です。

今回対象となる歴代横綱の中で、日本出身の横綱は66名いますが、そのうち8名を北海道が輩出しています。

その顔ぶれは、、、

千代の山雅信、吉葉山潤之輔、大鵬幸喜、北の富士勝昭、北の湖敏満、千代の富士貢、北勝海信芳、大乃国康

人数もさることながら、大鵬・北の湖・千代の富士といった昭和を代表する横綱の名前が並びます。

面白そうなので優勝回数を合計してみると、実に「114回」。年6場所で19年分です(笑)

調べると、北海道はかつて子沢山の家庭が多かったので、相撲部屋に入門させて口減らしの傾向もあったようですね。

それにしても予想していたものの、流石の北海道。平成以降下火になってきましたが、北青鵬が北海道を復活させるか?見ものですね。

土俵の鬼は青森県出身

第2位は、こちらも予想通りの青森県です。

こちらは66名中6名なので、約1割弱の横綱を輩出している県ということになります。

出身横綱の顔ぶれを見ると、、、

鏡里喜代治、若乃花幹士(初代)、栃ノ海晃嘉、若乃花幹士(2代目)、隆の里俊英、旭富士正也

北海道に比べると、人数だけでなくインパクトの薄さも否めません。青森県は相撲が盛んな土地ではありますが、やはり初代若乃花がシンボルとなり、目標として力士を志す若者が増えたような印象も受けます。

6名に自分が入っており、かつ2人を横綱に育て上げているので、実質若乃花が青森県の半分に貢献しているという事実・・・そして弟が入門して甥っ子達が横綱に・・・恐るべし花田家。

納得の県から意外な県まで第3位

横綱輩出の都道府県、第3位には5つの都道府県が並び、その輩出人数は各県4名ずつ。

東京都

まずは東京都です。4人の顔ぶれを見てみると、、、

東富士欽壹 、栃錦清隆、貴乃花光司、若乃花勝(3代目)

40代横綱の東富士が、初の江戸っ子横綱に昇進したのが昭和24年なので、昔は東京=相撲が強いイメージはあまりなかったように思えます。

やはり平成に入り、若貴が揃って横綱昇進を果たしたことが大きいでしょう。

次の江戸っ子横綱はいつ誕生するでしょうか?

千葉県

千葉県出身の歴代横綱は、以下の4名。

境川浪右エ門、小錦八十吉(初代)、若嶌權四郎 、鳳五郎

最後に現役だったのが鳳で引退が大正8年。冒頭で名前の挙がった大錦よりもさらに前の出来事。そのため失礼ながら、あまり馴染みのない四股名が並ぶ千葉県出身の横綱となりました。

しかしながら、琴ノ若や隆の勝など幕内で活躍する現役力士もおりますので、その背中を追って、相撲が盛り上がることを願っています。

鹿児島県

鹿児島県出身の横綱も4名。西ノ海嘉治郎(初代)、西ノ海 嘉治郎(2代目)、西ノ海 嘉治郎(3代目) 、朝潮太郎(3代目)の名前が並びます。

相撲の盛んな土地として知られる鹿児島県なので、このランキングに名前が出てくることに対してはあまり違和感がないかもしれませんが、出身横綱の顔ぶれをみると同じ名前が続き「おや?」という感じになります。

初代西ノ海の弟子だった2代目、その四股名を襲名し、2代目の弟子だった3代目が再び四股名を襲名したという、相撲部屋の在るべき四股名襲名のような流れが「西ノ海」です。

ちなみに、この流れは「井筒部屋」の源流になっているので、かつての井筒部屋に鹿児島系が多いのはこうした伝統からです。

宮城県

宮城県と聞いてもあまり相撲のイメージはなく、横綱はおろか全国区の力士というレベルにしても、恐らく青葉城まで遡る必要があるかもしれません。

これまで宮城県が輩出した4名の横綱を見てみると、、、

大砲万右エ門、丸山権太左衛門、谷風梶之助、秀ノ山雷五郎

皆が江戸時代より前の力士になるので、宮城県に相撲の印象がなくても仕方がありません。

白鵬の連勝記録が続いていた頃、伝説の横綱谷風の63連勝が同時にクローズアップされたのが、直近での出来事でしょうか??

茨城県

茨城県も4名の横綱を輩出しておりますが、こちらは稀勢の里という最も最近の横綱を輩出しており、かつ高安も活躍中のため、相撲の印象が強い都道府県になると思います。

誕生している4名の横綱の顔ぶれを見てみると、、、

稲妻雷五郎、常陸山谷右エ衛門、男女ノ川登三、稀勢の里寛

茨城県は元々相撲が盛んで、少し前の時代にも、武双山(藤島親方)や雅山(二子山親方)がいましたが、常陸山を生んだ土地というのもあるのでしょうか?

これからも茨城県には期待出来そうだと感じるのは、私だけでしょうか?

際立つモンゴル出身横綱

ここまでのランキングをまとめると・・・

都道府県別横綱輩出数は、第1位北海道8名、第2位青森県6名、第3位が5県同率で4名という数字になりました。

何となく全体の数字が掴めたところで、これに対してモンゴル出身の横綱の数を改めて確認してみると、なんと5名の横綱が誕生しています(朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士)。

昇進年が記録で残っている、3代目横綱丸山権太左衛門の1749年以降の270年くらいの横綱昇進の歴史で、モンゴル力士が相撲界に所属していたのは、わずか30年ほどの年月です。

そこから考えると、この5名という数字がいかに高い数字かおわかりになって頂けると思います。

今やモンゴルこそが最も横綱を輩出する都道府県(国ですが)となっており、相撲ファンの中で「日本出身横綱」を望む声が常に上がるのも頷けます。

日本出身の力士達にも頑張って欲しいですね。

横綱未輩出の都道府県

最後に、まだ横綱を輩出していない都道府県をご紹介したいと思います。

全部で16県あります。

福島県、群馬県、埼玉県、福井県、山梨県、長野県、静岡県、京都府、奈良県、和歌山県、山口県、徳島県、香川県、佐賀県、宮崎県、沖縄県

古くから相撲が盛んにおこなわれているか?人口はどれくらいいるか?そもそも出身地をどこに設定するか?など様々な要因があると思いますが、これらの県からは、大相撲史上まだ横綱を輩出することが出来ていません。

最近で言えば、若隆景ら大波三兄弟で沸く福島県や、阿炎を筆頭とした埼玉県、翠富士や熱海富士を擁する静岡県などは、相撲強豪県の印象もあるのですが、横綱を誕生させたことはありません。

都道府県別横綱輩出数、1位と2位は比較的イメージ通りでしたが、なかなかに面白い結果が出たような気がします。

今回のランキングは、総合力を表わすものではなく、一人強い力士が現れることが重要ですので、逸材の登場や現役力士の活躍や奮起が期待されるところです。

 

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