「腹タッチ会」は成功したのか?

史上初「腹タッチ会」開催

6月11日、大相撲九州場所のPRイベントとして、福岡市天神にあるソラリアプラザで「人気力士が集結!みんなで触ろう!腹タッチ会!」が開催されました。

史上初の試みとして行われたこのイベント、イベント名そのままに「力士のお腹にタッチする」会。

参加した力士は九州出身の幕内力士を中心とした、正代(熊本)、佐田の海(熊本) 、平戸海(長崎)、宇良、一山本の5力士。

イベント当日は、「腹タッチ会」に参加出来る400名を超える人が集まり、入場整理券を求め早朝5時半過ぎから行列ができ、 腹タッチはもちろん、関取による歌披露と大いに盛り上がったようです。

(セットリスト)
正代:離したくはない(T-BOLAN)
平戸海:最愛(福山雅治)
一山本:夏の日の1993(class)
宇良:さよなら(かりゆし58)
佐田の海:明日晴れるかな(桑田佳祐)

今回のイベントが、ハイタッチや握手会ではなく「腹タッチ」となった経緯としては、力士だからこそが持っている「オンリーワンのおなか」というのがポイントだったようですが、「腹タッチ会」開催が決まった当初から「お相撲さんを身近に感じられる」「お相撲さんのお腹に触れるなんて面白そう」という好意的な見方もある一方で、「お腹に触らせるのはセクハラ問題にならないか?」「無防備な状態でお腹に触らせるのは危険」「力士の品格が落ちる」など、批判的な意見も多くありました。

しかしながら、当日は大きな混乱もなく、終わってみれば400名を超えるお客さんが集まり、SNSを見る限りでは、来場された方々からは好意的な意見が多いようですので、表面的な状況やコメントを見る限りでは、まずまず成功だったのではと言えるのではないでしょうか?

とはいえ今回の「腹タッチ会」、本当に開催して良かったのか?それともやるべきでなかったのか?

今回は(いつもですが)個人的な見解のみで、書かせて頂きたいと思っています。

相撲の裾野を広げるために

結論から書かせて頂ければ、今回の「腹タッチ会」私個人の意見としては「賛成」でした。

多くの相撲有識者の方や、私なんかよりもずっと前から相撲を見ているような、相撲ファンの諸先輩方の中には反対意見を持っていた方も多くいらっしゃったと 思います。

力士をキャラクターのように扱うことは、力士の品格が下がるのではないか?、直接お腹に触るというのは安全面で本当に大丈夫なことなのか(当初は浴衣越しではなく、直接触れるというイメージもあったようなので)?、そもそも体に触るということはセクハラ的な問題にならないのか?、このような意見を多く見かけました。

たしかにおっしゃりたいことはよく分かります。

力士の本分は「相撲を取る」ことで、土俵の充実こそが相撲界を盛り上げること。私もそう思っています。

しかし、それは相撲に興味のある方が思うことで、まずはその土俵自体に注目してもらわなければ何も始まりません。

以前から私が相撲界が抱える大きな2つの課題として思っているのは、「相撲人口の裾野を広げること」と「相撲ファンの裾野を広げること」です。

「相撲に触れ合う」が趣旨だった 今回のイベントは、九州という相撲が盛んなエリアにおいて、話題性も含め「相撲ファンの裾野を広げること」という対象者に対して、大きなアプローチになったのではないでしょうか?

今回、このイベントに参加した人たちの中から、何人かでも相撲に興味を持ってくれる人が出て来てくれれば成功なのだと思います。

相撲界における伝統や文化というのは、好きになった人には独特で味わい深いものですが、急速に物事が変わりゆく近代においては理解しにくい部分も、諸刃の剣として存在しています。

SNSの使用が禁止になった中で、youtubeでの親方達の活躍や、新たな商品の開発が成功し、若いファン達を取り込んでいると思います。

相撲人気が低迷していた頃、元横綱の3代目若乃花が「若貴フィーバーに頼り切って何もしなかったことが低迷の原因、人気のある時に手を打って一人でも多くのファンを残せなかったことが悪い」と言っていたのが、非常に印象的で記憶に残っています。

世間がコロナを気にしなくなり、本場所チケットの売れ行きも良い現在(夏場所も満員御礼が続きました)、今回のイベントがどれだけ九州場所のチケット売上に貢献するかは正直試算するのは難しいでしょう。

しかしこのイベントで、始めて「お相撲さん」に出逢った子供が相撲を始めたり、相撲に全く興味のなかった人たちにとって興味を持つきっかけになった一日であったなら、三保ヶ関親方(小野川親方や不知火親方も)はじめ、相撲協会としては実施して良かったイベントなのだと思います。

挑戦と失敗でもっと盛り上がれ相撲界

「腹タッチ会」

正直イチ相撲ファンとしてのだけの感想であれば、「力士のお腹に何でタッチするの?」です。

「多くを語らず黙って土俵で結果を残す」。これが力士としてカッコいい姿だと思っています。

しかし相撲は興行です。ファンが来なければ暗黒時代に再び突入します。

かつては「お姫様抱っこ企画」なるものも存在しました。

セクハラの問題となるのであれば、今回の腹タッチ会と正直あまり変わらないような気もしますが、当時は相撲界も人気復活や新しいファン獲得のために必死なんだなと、逆に感心したことを覚えています。

本場所中、親方達が館内において生中継を行っていた「どすこいFM」。今では姿を変えてyoutubeで生実況していますが、当時は相撲人気低迷の時期だったため、殆んど話題にさえなっていません。

そう考えると、今回は賛否両論飛び交っただけでも成功なのかもしれませんね(笑)

相撲協会次はどんな一手を打つのでしょうか??

 

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