四つ相撲を伝える【まだまだここから栃ノ心】

貴景勝をテレビで見かける日も多かった、
場所後の新大関誕生フィーバーも落ち着きを取り戻しました。

しかし夏場所番付発表の際には、
再び騒がれ、否が応でも注目される新大関貴景勝。
令和最初の場所、いよいよ期待の日本人新大関が出陣します。

そんな華々しい裏で、約1年前に同じように新大関として
世間の注目を浴びた栃ノ心。
まさか一年後の現在を想像していた人は、多くはいないでしょう。
少し前には、四つで白鵬を寄り切れる実力を持つ力士だった栃ノ心。
救済処置が残っていますが、今場所10勝を上げないと正真正銘大関陥落です。

白鵬と逸ノ城の優勝争いに注目し、
貴景勝の勝敗に一喜一憂した春場所。
特に千秋楽は固唾をのんで見守った方も多かったでしょう。

そんな中、私の中で心を打ったのは栃ノ心の土俵態度でした。
7勝で迎えた千秋楽。勝てばカド番脱出。
しかし相手は大関昇進がかかる貴景勝。
まさに皮肉な入れ替え戦です。

正直、変わるかな?と思いました。
この状況で貴景勝は必ず正面から来るはずなので、
立ち合い色々考えても不思議でない状況だったと思います。
しかし栃ノ心は真正面から受け止め、そして敗れました。

立ち合い小細工をしたところで、勢いのある貴景勝相手なので、
結果は変わらなかったような気もします。
しかし栃ノ心は大関のプライドと誇りを見せました。
感動しました。

かなり勉強したのだろうと思う流暢な日本語。
関脇の親方を慕う態度や言葉。
日本人の心を持った素晴らしい青年だと思います。

周りにいる、年配の相撲ファン達は、
ガチガチの四つ相撲である栃ノ心の相撲を好みます。
そう、昔の相撲は、今のように一瞬で決まることが少なく、
四つの攻防が多かったからです。
だから栃ノ心が繰り広げる、四つ相撲での攻防を好むのです。
双葉山や栃若を見てきた94歳の祖父も絶賛する栃ノ心の四つ相撲。
日本の心を伝承するため、まだまだ下を向いてる時ではありません。

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