御嶽海は大関に戻れるのか?

大関完全陥落の危機

前回の記事で、九州場所の新番付においての注目力士を、何人かピックアップして思う事を書かせて頂いたのですが、上位陣であえて外したのが今回色々言いたい御嶽海です。

ここ数場所は、正代の連敗や危機一髪が何度かあったため、その陰に隠れていましたが、綱渡りで何とか大関を死守している正代に対して、あっという間に関脇陥落をしてしまった大関御嶽海。

今年初場所で三度目の優勝を飾り華々しく大関昇進、新大関も11勝とまずまずのスタートを切っていただけにまさかの展開です。

大関二場所目となった夏場所から、6勝→2勝(コロナ休場)→4勝と星が上らず、九州場所を昨年同様関脇で迎えることになってしまいました。

九州場所は「救済処置がある関脇」になるので、二桁10勝すれば大関復帰をすることが出来ます。

逆に今場所9勝以下であれば、大関昇進への道は再びゼロからスタートとなりますので、6敗目を期した段階で、完全なる陥落となってしまう九州場所は、関脇御嶽海にとって重要な場所になります。

御嶽海に大関の実力はあるのか?

大関と言えば、ここ数場所は正代の方が話題になることが多く、それも「大関としての実力があるのか?」「大関昇進させて良かったのか?」などという、ありがたくない内容が殆んどでした(正代の試練は九州場所も続くのですが)。

この「大関としての実力」という点で言えば、恐らく御嶽海は十分に満たしているはずの力士です。

この一年間5場所(初場所~秋場所)の成績を3大関並べてみると。。。

御嶽海:13勝・11勝・6勝・2勝※途中休場・4勝→36勝(8休)
貴景勝:1勝※途中休場・8勝・8勝・11勝・10勝→38勝(11休)
正代:6勝・9勝・5勝 ・10勝・4勝 →34勝

色々言われながらも5場所皆勤している正代に少し感心しますが、乱高下と連敗のある正代に比べて、御嶽海と貴景勝は怪我で苦戦している印象は否めませんが、この結果を見ても、怪我さえなければ二桁を連続出来る実力を持っており(御嶽海は昨年九州も11勝)、大関としての実力は兼ね備えているはずの力士です。

安定したエリート力士

ここから先はかなり主観が入りますが、そもそも御嶽海は以前から安定した成績を出せる力士でした。

史上3人目となる幕下10枚目格付け出しスタートから順調に番付を上げ、総髪の関取デビューとなり、新十両優勝。

十両を二場所通過して入幕、その後17場所連続で三役を守り、その間2回の幕内最高優勝。三役で8勝~9勝して勝ち越し、度々優勝する。簡単に書くとこんな感じでしょうか?

改めて振り返っても順調さを感じますが、良く言えば「三役力士として安定した実力」悪く言えば「三役に安住してしまっている力士」、多くの相撲ファンの抱く御嶽海の印象かもしれません。

そんな御嶽海が少し本気を出したっぽいな、、、というのが昨年の九州からの3場所。やはりこれまでの状態にプラスαすれば簡単に二桁勝てる力士なのです。

でなければ、最高位関脇の力士が3回も幕内最高優勝できません。

多分一生懸命

御嶽海というと「マイペース」というイメージを持っている相撲ファンも多く、それが「安住」の印象をより強くしているだと思いますが、恐らく本人は手を抜いているつもりはないはずです。

稽古場で力を出すタイプというよりも、本場所の本土俵にピークを持っていく調整を本人はしているのでしょう。

相撲界におけるマスコミの報道や周囲の評価は、「稽古場」に注目することが多いので、本場所での勝敗が絶対的な存在である番付に影響するにも関わらず、昔から「稽古場で何番相撲を取った」という方が、相撲ファンの心を響かせる要素になっています。

そんな中、時として稽古場での相撲に重きを置かない、本場所に一番ピークを持っていくための自分流調整を行う御嶽海の姿は、もしかすると成績と併せてよりマイペースに見えるのかもしれません。

名門出羽海部屋の継承者として

最高位:大関
三役在位:28場所 (関脇18場所、小結10場所)
幕内在位:41場所
幕内最高優勝:3回
三賞受賞:9回(敢闘1回、殊勲6回、技能3回)

これまでの御嶽海の実績です。

デビューから5場所目には幕内の土俵に上がっており、名門出羽海部屋から久々の大関・優勝を果たしています。現親方に託された「名門出羽海部屋再興 」の目的はかなり果たすことが出来ているのではないでしょうか?

将来的に出羽海部屋を継承するとしても、現段階でも十分な実績です。

しかし、デビューからの土俵やその安定感からすると、もうひと暴れを期待する郷里のファンも多いはずです。

世代の旗頭

御嶽海達の周辺世代は白鵬の存在によって、なかなか主役の座に就くことが出来ない世代でした。

そしてようやく主役になろうかというタイミングで、はや三十路を迎えます。熱海富士の新入幕が話題になるように、下の世代も着実に上がってきています。朝乃山も現在急ピッチで番付を戻してきていますが、来年いっぱいは掛かるでしょう。

主役級の力士を輩出した「花のロクイチ組」に比べ、いまいち脇役に徹している感の否めない「花のヨン組」ですが、ここが意地の見せどころでしょう。

御嶽海、昨年九州場所は11勝しています。本来の力が出せれば、令和5年を再び大関として迎えられる確率は高くなるはずです。

重要なのは恐らく序盤戦でしょう、、、

長野県のファンは皆注目しているはずです。

 

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