一人横綱の意地を見せた
鶴竜の復活優勝で幕を閉じた春場所。
個人的には、十四日目の十両の土俵で
注目の取り組みがありました。
「照ノ富士VS貴ノ岩」
半年前であれば復活を目指す大関と、
新三役を目指す幕内の対戦でした・・・
しかし今は違います。
そう、あの事件に同席した力士が顔を合わせました。
半年の時を経て、
怪我を悪化させ大関から十両に陥落、
そこでも苦戦している照ノ富士。
久々の本場所、かつ稽古も満足に出来ておらず
土俵感がまだ戻っていない貴ノ岩。
ここでは書き切れない、様々な想いが交差する、
そんな取り組みだったのではないでしょうか?
特にこの一番に負けると、
貴ノ岩は負け越しが決まってしまいます。
そして貴ノ岩は高校の先輩。
「やるっきゃない」そんな貴ノ岩に対して、
照ノ富士は吹っ切れていないような気がしました。
そして、その迷いが中途半端な相撲になったような気がします。
ただ、これを攻めるつもりは全くなく、
照ノ富士の人柄を感じたような気がします。
一年前、手負いの稀勢の里を攻め切れなかった彼は、
怪我上がりの貴ノ岩を攻め切れていなかったような気がしました。
取り組み後の貴ノ岩も、歯切れが悪かったそうです。
話が相撲界全体の勢力争いのような形で大きくなり右往左往していますが、
本人達の想いは、まだ前進さえしていないのかもしれません。