不安なる船出【上位陣の脆さ露出】

進退含めた稀勢の里の取り組みに、一喜一憂している国技館。

しかし、2日目が終わった段階で、白鵬を除く横綱大関陣に土が付くという、
平成31年の相撲は全体的に締まりのない船出になっております。

前向きに捉えれば、世代交代まったなしの状態ではありますが、
ここで下の世代が一気に突き抜けないと、
何ともバタバタとした年になってしまいそうな気がします。
本来、数年前にこの状態になっていればバランスのよい
世代間争いになっていたと個人的には思うので、
次世代力士達の伸び悩みこそが問題のような気がします。

とはいえ、貴景勝だけでなく御嶽海もいい感じでのスタート。
彼は自分以下の力士への取りこぼしが少ない反面、
上位陣には脆いイメージがあったのですが、新年明けての横綱連覇。
昨年の優勝、大関とり失敗、そして期せずして注目を浴びた
九州場所の高安戦を乗り越えて成長したのでは?
と期待しています。

貴景勝や御嶽海だけでなく、
阿武咲や朝乃山、豊山など彼らの同世代にも
切磋琢磨する力士は沢山います。
誰かが上がると、実力者たちは堰を切ったように
昇進ラッシュモードになるはずです。
そしてそのタイミングこそが、その後主役になるか
脇役になるかの分かれ道のような気がします。

白鵬も内容的には負けの相撲でした。
ただし、あの形で勝ちを拾うからこそ、
ギリギリのところで現役を続けていられるのでしょう。
老獪な横綱を倒してこそ、一番乗りを果たせるはずです。

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