「率先垂範」
色々な業界においてよく使われる言葉でその意味を調べてみると、
「人の先頭に立って物事を行い模範を示すこと。」とあります。
さて相撲界において率先垂範をしなければならないのは?
それは言わずもがな番付最高位の横綱です。
特に在位数が長く先輩横綱である白鵬の言動は、
全関取はもちろん全力士のお手本にならなければなりません。
そう考えると宝富士戦のガッツポーズはもちろん、
玉鷲戦での立ち合いは論ずるに値しない内容でした。
それでなくとも近年の白鵬の言動は問題視されることも多く、
朝青龍が圧倒的なヒール役だった頃には想像もできませんでした。
常にストレートに感情を出す朝青龍に比べて
いつもは優等生発言が多い白鵬なので 行動が伴わない際には
優等生発言が鼻につくようになりイメージダウンは顕著です。
昨年の嘉風戦における物言いや、ダメ押しでの井筒親方負傷事件。
すぐに思い出すことだけでなく、通常の立ち合いもそうです。
立ち合い自分のぺースで立ちたいのは分かりますが、
本来”受ける”立ち合いこそが横綱に望まれる立ち合いです。
勿論これは決まりではないのですが、今もなお双葉山が崇拝されるのは、
69連勝よりも、立ち合いを含めたその土俵態度の美しさからではないでしょうか?
1度目の立ち合いで平幕が顔を張って来ようが、早く突っかけて来ようが、
平常心で受け止めてこそ「さすが横綱」と言われるでしょう。
今の白鵬は1度目の立ち合いでは受けないでしょうし、恐らく感情的になるはずです。
10年前連勝街道を歩んでいた時、”木鶏”とという話をしていた記憶があります。
連勝という勝ち続けることだけでなく、横綱としての生きざまを次の世代に見せてほしいと思います。
それこそが度々口にしている「宿命」です。
八百長事件や大麻事件など土俵に活気がなかった冬の時代を超え、
途方もない数字を残しているだけに晩節を汚し続ける現在は残念です。
そして親方衆は力士の先輩として、
注意するところはしっかりとして欲しいと切に願います。