横綱白鵬を育てたちゃんこ鍋
「白鵬のちゃんこ屋さんが銀座にあるらしい」
相撲に詳しい方でなくとも、「白鵬」「ちゃんこ屋さん」「銀座」等のキーワードを、何となく耳にしたことがあるかもしれません。
これまでちゃんこ屋さんを中心に、相撲関連の(相撲関係者が運営する)お店を幾つかご紹介させて頂きましたが、今回ご紹介するのはこちらのお店です。
銀座「鵬」
人によっては「白鵬は銀座のちゃんこ屋に相撲部屋を作ろうとしているらしい」などという、とんでもなく発展した誤解を持っている方もいるようですが、「銀座と白鵬」という繋がりは、恐らくこちらのお店から来ているのではないでしょうか?
銀座「鵬」、こちらのお店は「横綱白鵬が育った宮城野部屋のちゃんこ鍋を食べることが出来るお店」になります。
なぜなのか?その秘密は「鵬」の店主にあります。
こちらのお店「鵬」の店主を勤めるのは、白鵬が所属していた宮城野部屋で「岩海」の四股名で幕下まで昇った岩﨑悟さん。
初土俵は昭和59年、引退した場所は平成10年5月場所となるため、白鵬と現役時代は被っていないのですが、引退後長く宮城野部屋のマネージャーを勤められ、新弟子の頃から白鵬が食べて育った宮城野部屋のちゃんこを作っていた方なのです。
そんな宮城野部屋の歴史と共に歩んできた岩崎さん。その彼が厨房に立って作る「鵬」のちゃんこ鍋は、宮城野部屋直伝どころか、白鵬をはじめとした宮城野部屋の力士達が実際に食した「宮城野部屋のちゃんこ鍋」そのものなのです。
入門時の白鵬が62キロだったことは有名な話ですが、岩崎さん自身も現役時代は体重が増えない体質だったこともあり、軽量の白鵬を何かと気にかけていたようで、「食」の面から白鵬をサポートしていました。現に白鵬本人も、このちゃんこが「横綱白鵬」を育てたと言っています。
そんな「白鵬を育てたちゃんこ鍋」をお店に行けば体験できるというのは、何とも感慨深いものがあるのではないでしょうか?
おススメは絶品の塩バターちゃんこ
宮城野部屋のちゃんこ鍋は、力士達が飽きないよう「醤油」「味噌」「ソップ」「カレー」「キムチ」「トマト」など10種類以上の味があるそうですが、その中でも横綱白鵬イチオシなのが「塩バターちゃんこ」で、たしか以前ジャンクスポーツの中でも、「さっぱりした味」だと本人から紹介されていたと思います。
「バターちゃんこ」と聞くと、何だか少しこってりしていそうな印象があるので、「さっぱり」が想像できないかもしれませんが、食べてみると全然こってりしていません。
写真を見て頂くと分かるように、たっぷりの野菜とつくね、キノコなど具沢山の鍋でヘルシーさ満点です。
ちゃんこ屋さんなどで、塩ちゃんこを食べた経験がある方は多くいらっしゃると思いますが、鵬の塩バターちゃんこは「塩ちゃんこ」独特のさっぱり感に、バターのコクがプラスされる深みのある味です。
鍋を食べ終わった後は、その深みのあるスープを使っての〆。個人的には雑炊にして召し上がると良いと思います。
取り寄せも人気があるようですが、確かに鍋だけでなく、家庭でも色々使える出汁ではないかと思います。
これまでちゃんこと言えば「醤油派」や「味噌派」だった方はもちろん、「塩ちゃんこ」を経験したことがある方もぜひ一度塩バターちゃんこを食べてみてください。
リーズナブルな高級感
さて続いては、これまでのちゃんこ関連記事でも度々書いてきた、「お店を訪れるシチュエーション」について触れてみたいと思います。
こちらの銀座「鵬」を使用する際にベストだなと感じるシチュエーションですが・・・
「少人数、大人の会食、しっとりと洒落た気分」
こんな感じのキーワードになるのではないでしょうか?
もちろんデートとかで使用しても良いと思いますが、「銀座という場所の立地やお洒落感」に加え、「そこまで高くない金額感」「落ち着いた個室のある店内」「白鵬というブランド」これらの要素があるので、仕事で知り合った方や、複数名の仲間と落ち着いて食事をしたい時には持ってこいのように思います。
お店自体が綺麗かつクオリティーが高いので、「白鵬」という名前(ブランド)はアクセント程度で考えて下さい(元誰々がいる的な要素がなくとも十分満足できる)。
ちなみにキンボシ西田さんは「両親を連れて行きたいお店」と表現していました。
料理はアラカルトで注文してもいいですが、コースで頼んだ方が全体の流れも楽しめます。
白鵬関連の展示物も楽しめる
前段では、「白鵬」という名前(ブランド)はあくまでアクセント程度とは言ったものの、そこはやっぱり白鵬プロデュースのお店だけあり、店内には白鵬関連の化粧まわしなども勿論展示されています。
白鵬クラスの力士になれば、優勝関連で得た品や化粧まわしなど、多くの関連品を展示することが出来るのでしょうが、あえてポツポツなところが上品な雰囲気があって個人的には良いと思います(人によっては結構飾ってある印象かもしれませんが)。
一緒に行くメンバーの中に相撲好きがいたら、ぜひそれらの展示品と共に「鵬」のちゃんこを楽しんでみてはどうでしょうか?お店の方に聞いたところ、白鵬本人も時々来店するそうです。
冒頭でご紹介した店主の岩崎さんですが、「白鵬」という四股名を先代の宮城野親方と共に案した主であることは有名で、宮城野部屋のマネージャーとして、若かりし頃の白鵬を(先代宮城野親方の書籍によれば)「竹刀が割れるほど」鍛えていたそうです。
後に大横綱と言われる白鵬にもそんな修行時代があったのかと感慨深い気持ちになると同時に、白鵬と岩﨑さんの現在の様子から、昨今問題視される相撲界の稽古や指導方法や世論に関しても、色々と考えさせられることがあります。。。
令和5年もまもなく終わりますが、来るべき令和6年の新年会に「鵬」は如何でしょうか?