照ノ富士生還【でっかい夢にむけて】

今場所最も印象に残った出来事。

「照ノ富士関取復帰!」

素晴らしいことをやったと思います。
怪我を抱え低迷している多くの力士に希望を与える偉業と言えます。

長く関取を務めた力士は幕下陥落で引退。
長く幕内を務めた力士は十両陥落で引退。
関取が引退を決めるタイミングで多いケースです。

大関経験者の大関陥落ケースでは陥落した場所で引退、翌場所10勝届かず引退、
陥落時にまだ若い場合はその後幕内でいる限りは現役。
十両陥落して土俵に上がったケースは2人くらいしか記憶にありません。
そんな中で照ノ富士が上がった序二段の土俵からの挑戦は前代未聞でした。

大関として賜杯を抱き、横綱候補一番手として
綱まであと一歩まで迫った男が全てのプライドをかけての挑戦。
十両を陥落した際、身体は萎み弱々しい相撲をとっていました。
恐らく照ノ富士本人でさえ再び戻れる確信はなく、
想像を絶する迷いがあったと思います。

病み上がりで雅狼と行った決定戦や、
実力者たちと優勝争いをした秋場所、
新顔達との優勝争いをした九州場所。
関取復帰は猛者が集う幕下上位での全勝優勝で華を添えました。
防戦になりながら凌ぐ場面も度々ありましたが、
初顔合わせの多い中、全力で駆け抜けたこの一年間だったと思います。

でっかい夢はまだまだ先にあります。関取復帰は通過点。
かつては横綱大関をはじめ、三役など多くの関取を抱えていた部屋も、
今では関取が宝富士と照強の二人だけ。
ぜひ照ノ富士が再び盛り上げて欲しいと思います。

序二段から幕下まで本割での35番。
幸運にも本来なら当たるはずのない地位の力士が、
元大関と本場所で胸を合わせました。
この経験をどう活かすか?
館内がまだ暗い土俵に照ノ富士が
上がり続けた意味はそこにもあったのかもしれません。

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