立ち上がれ稀勢の里!【稀勢の里らしいって何だ?本当にそれでいいのか?】

あと少し足りない稀勢の里

2016年の大相撲も、九州場所で終了しました。今年は5人の優勝力士(白鵬、日馬富士、鶴竜、琴奨菊、豪栄道)や、10年ぶりの日本人力士(面倒だからこう書きます)の優勝と、例年に比べるとバラエティーに富んだ顔ぶれ?になりました。

しかしそんな中、彼の顔がありません。そう稀勢の里です。一番横綱や優勝に近く、しかし最も遠いのが稀勢の里です。

今年は初の年間最多勝を史上初めて優勝なしで獲得しました。一場所で3横綱を撃破した場所もありましたが、残念ながら今回も優勝することは出来ませんでした(前回成し遂げた陸奥親方はしっかり優勝してます)

この九州場所でついに準優勝は12回目を数えたそうで(歴代何位かはわかりませんが)、一部では準優勝コレクターと呼ばれている稀勢の里です。これは裏を返せば一年間ほとんど綱取状態にも関わらず、常にあと一歩足りないということです。

稀勢の里らしいってなんだ?

そんな稀勢の里にファン達はこう言っています。

「そこが稀勢の里らしい」
「そんなところが稀勢の里の魅力」

しかし本当にそうでしょうか??

親方や兄弟子の教えを守り、周りと戯れる事なく孤独に稽古に精進し続け、若くして出世しましたがそこで驕らず期待通りに大関まで昇進。カド番を繰り返す周囲の大関達をよそに、常に大関として安定した成績を継続。

ずっと日本人力士期待の星と言われ続けてきた稀勢の里でしたが、今年に入るとワンチャンスで両大関が優勝。唯一優勝経験のない大関と言われるようになりました。そしてこれは稀勢の里本人のせいではないですが、優勝なしの綱取り継続は甘いと言われ(私もそう思っていますが)、何となく彼に対しての風当たりや失望感、諦めがあるように思います。

緊張しすぎ、笑わない方がいい、そんなどうでもいい事を色々言われています。

横綱に最も近い日本人

ここで稀勢の里ファンの皆さんに聞きたいです、ここまでの事、正直余計なお世話だと思いませんか??

恐らく稀勢の里は全身全霊をかけて相撲を取っているだけで、期待は裏切り続けていますが、気合の入っていない相撲は見せていないと思います。八百長疑惑の問題が沸き起こった時も、一切疑惑さえかからなかったそんな力士です。

左四つの力強い相撲。そして安定した成績。

「ワンチャンスで横綱に!」という声もありますが、それは違います。ワンチャンスというのは、一回だけのチャンスを活かすことをいうのです。その一度しかチャンスを作れないことを言うのです。

稀勢の里は成績的には下手な横綱以上に安定しています。ただ一つ稀勢の里に足りないのは優勝だけなのです。

すでに諦めたり、現状の立ち位置に納得しているファンもいるかもしれません。
しかし、琴櫻や三重の海などは突然変異型昇進でした。年齢的にまだまだ諦める歳ではありません。

日本人で横綱に一番近いのは間違いなく稀勢の里です。

そして、

国技としての意地を随所で見せてきたのも稀勢の里です。

これは忘れてはいけない事実です。

相撲エリートではない少年がわずか17歳で関取になり、貴乃花の再来を夢見たファンはもう一度、もう少しだけ稀勢の里を信じて声援を送ってあげて欲しいと思います。

立ち上がれ稀勢の里
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