貴闘力の焼肉屋さん
分厚い肉を食べようと「焼肉ドラゴ横綱通り店」に行って来ました。
かつて「大鵬部屋」「北の湖部屋」という二人の一代年寄が創った部屋が存在し、現在も「錣山部屋」「高田川部屋」「大嶽部屋(かつての大鵬部屋)」と3つの相撲部屋がある「清澄白河駅」。
その清澄白河駅から徒歩約5分、清洲橋通り沿いに店を構えている「焼肉ドラゴ横綱通り店」は、元関脇貴闘力さんが相撲協会退職後の2010年に始めた焼肉屋さんで、豪快に分厚い肉を提供するお店として知られ、現役時代からの交友関係の広さを物語るように、芸能関係のお客さんも数多く訪れているお店です。
一方でyoutube「貴闘力部屋」の影響もあってか、表立って相撲関係者の来店はあまりないようですが(笑)、店内には貴闘力時代所縁の品々がさりげなく飾られております。
若貴時代の名関脇貴闘力
若貴時代の名関脇として知られている貴闘力ですが、その成績や実力だけでなくエピソードにも事欠かない人気力士でした。
花田家影の長男貴闘力
貴闘力は小学校の頃、一度当時の藤島部屋にやって来ましたが年齢の関係で入門が出来ず、そのまま花田家にしばらく居候していました(3年後中学校卒業して正式入門)。なかなか豪快な話です。
その当時花田家には小学生の勝少年と光司少年がおり、貴闘力は彼らと兄弟同様に扱ってもらえていたようなので、親方・おかみさん・若貴に対しての感情や想いは、他の力士に比べると特別な物があったことと推測されます。
小学校6年の鎌苅少年(貴闘力)に対して、3年生の勝少年に1年生の光司少年という年齢関係からすると、後に貴乃花が貴闘力に頼ったり、一見無礼な態度を貴闘力が笑って許したのも納得出来るような気がします(貴闘力の性格もあると思いますが)。
史上最多の敢闘賞10回
幕内に67場所在位し、関脇には合計15場所在位(三役合計26場所)、三賞受賞合計14回。
約11年間在位して、その3分の1以上が三役という実力者だったことがわかります。
弟弟子だった横綱若乃花が引退した平成12年春場所には、花道を飾るように幕内最高優勝も果たしました。
そんな実力者貴闘力ですが、史上最多10回の敢闘賞受賞という大相撲界の記録があります。
敢闘賞の受賞対象は、「敢闘精神溢れる相撲を展開した力士に与えられる賞」ですので、常に闘志あふれる相撲を取っていた貴闘力には、三賞の中で最も似合う賞だと思います。(四股名に「闘」と入っていますし(笑))
三賞について詳しくはこちらを↓↓
奪った金星は7個曙キラー貴闘力
貴闘力と言えば、敢闘賞の受賞だけでなく「曙キラー」としても有名で、生涯成績では15勝(28敗)を挙げ、そのうち金星が7つという内容でした。
ちなみに同一横綱から7つの金星というのは、高見山が輪島から挙げた数と並んで史上最多タイの記録になっています。
当時全盛を誇った藤島勢に立ちふさがった横綱曙でしたが、貴闘力の存在によって優勝戦線から蹴落とされる事が何度もあり、一方で貴乃花は援護射撃を受け優勝に近づくことも度々ありました。
大鵬親方の婿養子になる際、部屋の移籍を願い出て叶わなかった貴闘力でしたが、もしも部屋の移籍があった場合、幕内上位の割に変化が出たはずで、90年代の相撲史は少し変わっていたかもしれません。
そして曙キラーの反面、苦手としていた武蔵丸にもう少し相性が良ければ、大関に大きく近づいたかもしれません。
味もボリュームも文句なし
焼肉ドラゴの名物は、分厚く切られた状態で提供されるブ厚いシリーズとが盛り合わされた名物「ガリタ盛り」が有名です。
タン、ハラミ、カイノミ、ヒレ、カルビを自らハサミで切りながら焼いていく肉は、楽しくて美味しいこと間違いなしです。
個人的には、ドデカイカルビがおススメです。

一見大衆焼肉店のような内装ですが清潔感もあり、店内は多くのお客さんで賑わっています。家族連れが多いのも、地元の人に愛されている証拠でしょう。

新鮮な肉を軽くあぶった肉寿司も看板メニューの一つです。

相撲ファンには嬉しい貴闘力時代の品々もさりげなく。。。


そしてこの店を守る「貴闘力親方」ですが、お店にはほぼ顔を出してくれるようで、写真撮影などにも快く応じてくれます。
貴闘力ファンだった人、相撲ファン、焼肉が好きな方など幅広い方に一度は足を運んで欲しいお店です。
近くに相撲部屋が幾つかあるので、散歩がてら向かうと良いかもしれません。
