鶴竜は相撲界に残れないのか?

志摩の海「井筒」の継承者へ

7月4日に、幕内志摩ノ海の氏名が「浜口」航洋から「福薗」航洋に変更されたことが相撲協会から発表されました。

ネットニュースの片隅にわずかに掲載された記事でしたが、多くの相撲ファン、特に鶴竜ファンにとっては、やはりショックな出来事だったのではないでしょうか?

分かってはいたけど、改めて現実を突きつけられた。。。そんな感じでしょうか?

これまで「井筒」は鶴竜が継承して、将来的には井筒部屋を再興するであろうと多くの相撲ファンが思っていましたが、志摩ノ海と福薗清香さん(元逆鉾の長女)との婚約が発表されたことにより、現在「井筒」名跡を所有している逆鉾夫人の義息になった志摩ノ海が、突如井筒継承の最有力候補となりました。

婚約発表時や披露宴時など、これまで様々な意見や見解が乱れ飛んだ「井筒襲名問題」ですが、今回の改名により志摩ノ海は養子に入ったことになり、志摩ノ海=井筒が強い憶測から、正式に最も近い継承者となったわけです(正統と書いていいかもしれないですが)。

「井筒親方」に関しては、これまでの経緯や詳しいことは以前一度書いています。

 

秋場所終了後に襲名条件は整う

今後について一部では「井筒部屋再興」と「井筒親方襲名」がごっちゃに捉えられている部分もあるようですが、結論から言えば、、、

志摩ノ海は井筒親方は襲名出来ても、井筒部屋の再興は難しいというところでしょう。

以前も書きましたが、親方株を襲名するには下記条件のどれかを満たす必要があります。

1.最高位が小結以上
2.幕内通算在位20場所以上
3.十両以上での通算在位30場所以上

正確に言えば、現在幕内在位18場所の志摩ノ海はまだこの条件を満たしていませんが、あと2場所(秋場所まで)幕内力士として相撲を取ればこの条件をクリアできるので、引退後に井筒親方を襲名する条件は近日中にほぼ確実に揃うことになります。

しかし一方で井筒部屋を再興する(部屋を新規で興す)ためには、下記条件が必要となり、ハードルは一気に上がります。

1.横綱もしくは大関経験者
2.三役(関脇・小結)通算25場所以上
3.幕内通算60場所以上(番付制限なし)

間もなく33歳になる志摩ノ海がこれから三役昇進を果たし、約4年間上位で活躍し続ける可能性がないわけではありませんが、正直難しいと言わざるを得ないでしょう。

細かい話を書きましたが、周囲が「先代の意向問題はどうなるのか?」「井筒部屋再興にふさわしい人物は誰か?」など、どんなに騒ごうが条件を満たすことが出来れば、志摩ノ海の井筒襲名に関しては何の問題もないわけで、文句を言われる筋合いもないのです。※金親の宮城野襲名がそうでした。

鶴竜が協会に残れるかは別問題

先代親方の愛弟子であり、井筒部屋設立以来の最高傑作となった鶴竜なので、長年相撲ファンの中でも「鶴竜=井筒」という公式は成り立ってきました。

そのため井筒名跡の行き先については常に注目されており、今回婿養子に志摩ノ海がなったことで、鶴竜の去就についての書き込みすら見かけるようになりました。

しかしこの問題が鶴竜の去就に直接響くかと言えば、別問題な気もしてきます。井筒襲名の可能性がほぼなくなったからといって、鶴竜が相撲協会に残れないわけではないのです。

感情論になってしまう部分もありますが、力士間で評判の高い、横綱まで昇進した力士が「名跡不足」という理由で角界から去るという愚行は避けなければなりません。

そもそも現在鶴竜は陸奥部屋の所属力士であり、陸奥親方(元霧島)が定年を迎える2年後にはまだ鶴竜親方として在籍出来る期間に該当するので、部屋を継承する資格もあります。

とはいえ、陸奥親方の愛弟子である霧馬山の将来や、そもそも陸奥親方が再雇用制度を利用した場合は、鶴竜が陸奥部屋を継承する可能性は低くなるのですが、、、以前立田山親方の去就について書きましたが、再雇用で残った為、その際に書いた可能性もなくなりました。

結局のところ、行きつく先は前回と同じ「再雇用制度」になってしまうのです。

 

個人的には2年後に陸奥部屋継承問題が起きた際に、霧島が悪く見られるような展開になってほしくないと思っています。

大関陥落後になかなか年寄名跡を取得出来ず、満身創痍で長く平幕で相撲をとっていた霧島が、親方晩年で再び年寄名跡問題で苦悩する姿を見るのは何か忍びないような気もするのです。

元横綱の流出が激しい相撲界。この鶴竜の年寄名跡問題はその人望も手伝い、恐らく時津風一門だけでなく、一門外からも助け船がだされると予想します。

何とか都合をつけて、鶴竜親方が別の名前になれる日を心待ちにしています。

これで本当に鶴竜が残れないのだとしたら、組織としてどうなのか?という大きな問題になると思いますよ。

 

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