北勝富士初優勝するか?-秋場所前半戦振り返り-

前回令和4年秋場所初日の観戦記を書かせて頂きましたが、早いものであれから1週間が経ち前半戦が終了しました。

幕内の優勝争いは全勝が平幕の北勝富士一人、それを一敗で同じく平幕の玉鷲が追う展開となっています。

上位陣は照ノ富士次第

もはや珍しいものではなくなってきた、 前半戦から上位陣の星が伸びず、早い段階から平幕(下位)力士が優勝戦線を引っ張る今回の様なケース。

最近の大相撲の傾向としては、照ノ富士の調子が良ければ結果的に照ノ富士が優勝をする、逆に照ノ富士の調子が悪ければ、最後まで荒れた場所になるか別の力士が優勝する(誰にでも優勝のチャンスがある)。まあ当らずとも遠からずと言った所でしょうか?

そしてどうやら今場所は後者の可能性が高くなってきた印象を受けます。

どうやら膝の調子が芳しくない様子の照ノ富士。日々横綱相撲で受けて立っていますが、 相変わらずの強引相撲が目立ちます。ここまで3敗ですが、後半戦に入っての上位陣との対戦や優勝争いに関わる一番を控えているので、夏場所のような「終わってみれば照ノ富士」という展開も十分考えられます。

上位陣で唯一二敗をキープしている貴景勝ですが、何となくリズムが悪い相撲が多い印象を受けます。後半戦は、明生戦で見せたような「貴景勝のリズム」の取組を一番でも増やすことが重要になってくるでしょう。

まだ怪我の状態が悪いのでしょうか? 今場所も前半戦苦戦している御嶽海。秋場所も角番で迎えているだけに、後半戦は落とせない取組が続きます。しかし物は考えようで、黒星先行からコロナ休場で賛否両論だった先場所の汚名を、今場所は勝ち越し出来たと証明して、跳ね返してやりましょうではないでしょうか。

初日白星スタートと、今場所こそは前半戦から白星先行か?と思わせてくれた正代でしたがそこからまさかの7連敗。場所後の大関昇進パーティーに向けて「角番にはならない」と掲げた目標が風前の灯となりました。ここから勝ち越せば北の富士さんがスポーツ新聞のコラムを降板すると発表しました。これを奮起と出来るか?

全勝北勝富士と1横綱2大関撃破玉鷲

秋場所優勝戦線を引っ張るのは、八日目まで平幕でただ一人勝ちっぱなしの北勝富士。足場をならしてからの立ち合いはさながら猛牛のようです。猛烈な押し相撲で金星や三賞を手にしてきた実力者ですが、ムラのある成績でなかなか上位に定着出来ていません。

押し相撲という性質も含め、後半戦もこのまま好調を維持することができるのか?そこが焦点になってくると思いますが、北勝富士は大学時代に二度幕下15枚目付け出しの資格を獲得しつつ、卒業を優先して序ノ口からとった力士です。一発の爆発力を持っているだけに、一気に駆け抜ける可能性も。。。

全勝の北勝富士を1敗で追いかけるのが、歳を増すごとに存在感も増してきた玉鷲。照ノ富士キラーぶりはもちろんですが、上位陣にとってその押し相撲は厄介な存在となっています。

前回のように後半失速の可能性もありますが、既に優勝経験者のため変なプレッシャーはないはずです。後半戦も益々フレッシュな相撲を期待しています。ここまでの活躍だけでも既に三賞!

いよいよ覚醒か?サラブレッド王鵬

今年の初場所、圧倒的な期待を集めて入幕したものの、何となく伸び悩んでいた感のあった王鵬ですが、秋場所は初日から5連勝と飛ばし「いよいよ覚醒の時か?」と思った方も多かったのではないでしょうか?

連敗を2でストップさせ、中日を終えて6勝2敗としましたが、後半戦はいよいよ真価が問われます。ここから一気に星を伸ばしていくのか?それとも失速・息切れするのか?幅広い年代の多くの相撲ファンが、王鵬の後半戦に注目と期待をしています。

心の中で皆期待をしている高安

序盤戦、多くの相撲ファンが思っていたはずです「高安調子いいな」と。

これまで「あと半歩」が続いた高安ですが、「いつも前半飛ばしては追いつかれる」パターンでしたので、今場所くらいが丁度良いのかもしれません。

もう一人のサラブレッド琴ノ若

上位陣の渋滞による番付維持とコロナ休場により、今年に入ってからの好調に邪魔が入った感じのある琴ノ若。

今場所も上位陣相手の前半戦を白星先行で乗り切り、充分な実力を付けていることを証明しています。

ここ数場所の貴景勝との取組では、感情的な一面を見せたりしていますが、いよいよ「期待の若手」から「幕内の顔」の一人に躍り出てきそうな予感です。

場所ごとに評価を上げる平戸海

新入幕の今場所、初日から3連勝といいスタートを切った平戸海。千代翔馬お得意の注文相撲以降何となくリズムを狂わせているようですが、場所ごとに多くの解説者の中での評価は上がっているようです。正々堂々とした相撲や土俵態度など、まさに「力士らしい力士」です。

地元に幕内力士で凱旋出来るかが掛かった後半戦、昭和を思わせる幕内最年少力士の土俵に期待です。

稽古相手のいない相撲部屋で、たった一人稽古をしている、こちらも今場所新入幕の水戸龍。元々は日大相撲部で主将を務め、学生横綱にもなった逸材だけに、稽古不足を指摘されつつも、幕内土俵で互角な相撲が取れているのをみると、 非常に複雑な心境になります。

多くの相撲ファンが知っているように、同じように稽古相手に恵まれない環境から、稽古相手が豊富な部屋に移った結果横綱昇進を果たしたのが、同じ飛行機で日本に来た照ノ富士です。何とも。。。

 

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