平成生まれ初の〇〇
平成4年生まれ世代・・・
昭和VS平成
ここ数年、世代交代という言葉が出たかと思うと、
次の場所では霞むといった状態が続いていたような気がします。
1時代を築いた横綱の力が落ちてくると、
相撲界は次世代の若手が主権争いをする戦国場所が数年続き
(10年周期と言って方もいますが)、
伸びた若手が次の時代を引っ張ってきました。
しかしここ最近は、場所ごとの調子の良し悪しで優勝が決まったり、
上位陣が出場してくると結果的にまだまだ主役までは・・・といった、
戦国というよりも停滞感を強く感じていました。
そんな中で迎えた14日目結び前。
次世代の主役候補が対峙した一番は、
新たな時代の幕開けを感じさせるには十分な一番でした。
「突き押しと四つ」
対極にある二人がそれぞれの良さを発揮した素晴らしい内容。
しかしそれ以上に感動したのは、優勝や昇進などと言ったことではなく、
お互いのプライドを掛けてこの一番にかけたところでしょう。
場所前に四つが最強と言った朝乃山。
普通の力士であれば序盤の突き押しで決まっていたはずです。
絶対に左上手に拘り、一切引かずに正面から受け止めました。
突き押しの強さを証明すると言った貴景勝。
勝てば良いではなく、あくまで押し切って勝つことに拘りました。
倒れる時、最後まで手を付かなかったことに皆気付いているはずです。
最近は力士間での仲の良さを感じますが、
これまで〇〇時代と呼ばれたような両雄は、
日常での交流はないはずです。
一門、世代、学校。全く異なる二人。
今回は勝ちましたが、番付的には格下の朝乃山。
安定したスケールの大きな本格的な四つ相撲は、
最高位を目指すには十分です。
しかしこれまでそう言われて、消えた力士も沢山います。
番付上位の入れ替わりが激しい今こそチャンスです。
喧嘩四つ対策をしてワンランクアップを期待しています。
残念ながら敗れた大関貴景勝。
負けてしまいましたが貴景勝のこれまでの一番の中で最も感動しました。
突き押しに対するプライドは、見ている全員に伝わったはずです。
何より土俵下での表情はずっと忘れません。
優勝を逃したことではなく、朝乃山との一番に負けたこと、
四つ相撲を押し切れなかったことが悔しかったのでしょう。
勝つことに拘れば、土俵際で引き落とすなど方法はあったのでしょうが、
その姿勢とコメントが貴乃花にしか見えなくなってきました・・・。
来場所こそ押し切る相撲を期待しています。
景朝時代
この先そうなるのか分かりませんが、
プライドを掛けた関係はこれからも続くはずです。
平幕同士の優勝争いに絞られた2020年初場所。
14日目の景朝対決は、この先も思い出の一番として残る取り組みになりました。