豊ノ島はなぜこのタイミングで退職したのか?

豊ノ島突然の退職

新年早々相撲ファンには驚きのニュースが飛び込んできました。

1月4日、日本相撲協会から、時津風部屋に所属している井筒親方(元関脇豊ノ島)が退職届を提出したと発表がありました。

また同日には、豊ノ島本人からも自身のSNS上で「今後はオフィス豊ノ島を立ち上げてタレントとして活動していく」と発表がありました。

コロナウィルスの影響による活動制限がある中、2020年名古屋場所以降の短い期間ではありましたがその圧倒的な知名度を生かし、テレビ番組やYoutube、ファン感謝祭などで相撲ファンの拡大に多大な功績を残した井筒親方。

現役時代を含めれば「豊ノ島」という力士がいたことで、どれだけ「相撲に興味のない層」へアプローチが出来たことでしょうか??

今回のこの退職劇は、間違いなく多くの相撲ファン達が残念な想いで受け止め、新年早々悲しいニュースとなってしまいました。

 

 

相次ぐ個性派力士の退職

それにしても、昨年夏場所後に引退した松鳳山、九州場所中と場所後にそれぞれ引退を表明した千代大龍・豊山と、本来であれば「引退して今後長く相撲協会のために活躍すべき力士(若手親方)」の引退即退職というケースが続いています。

松鳳山は「飲食店(食でサポートしたい)」、千代大龍は「焼肉屋さん」、豊山は「パーソナルトレーナー」と、それぞれ次の目標があるということですので、相撲協会に残ることに未練がないのかもしれませんが、年寄名跡に空きがあれば結果はどうだったでしょうか?それでも一時でも協会に残らずに「夢」に向かってチャレンジしたでしょうか?

 

 

今回の退職劇で多くの方も口にしていますが、再雇用制度における年寄名跡の不足は、相撲界に多大な損害を与えているはずです。

あと数年後には現在参与として残留している親方が退職しますが、その名跡で残れたはずの力士達はもう相撲界に戻ってくることはありません。

再雇用制度について、「なぜ年寄名跡のまま残る必要があるのか?」という理由について、残念ながら現在まで納得した説明を聞いた記憶はありません。

この話になると、話しが逸れていくのでまた別の機会に皆で話し合いましょう。

なぜこのタイミングで退職?

話を再び本題の「豊ノ島退職」に戻しますが、今回の引退により「井筒」名跡が空いたことになります。

殆んどの方が青天の霹靂だったように、今回の豊ノ島退職はなぜこのタイミングだったのでしょうか?

「井筒」名跡については志摩ノ海が福薗姓を継いでからというものの、井筒親方の襲名や取得だけでなく、井筒部屋の再興と建て替え、鶴竜の継承問題や、はたまた陸奥部屋の継承なども巻き込んで、これまで様々な憶測を呼んでいますが、今回の豊ノ島退職はどういったメッセージになるのでしょうか?

 

 

以前、「年寄名跡の交換」のようなことを書きましたが、今回の場合、時津風一門で引退が近い、もしくは引退するであろう力士は見渡したところいません。

もし存在していたとしても、豊ノ島の実績や人気に比べると、それを凌ぐ力士はそうそういると思えません(年寄名跡の場合そこが関係ないケースもありますが)。

そうなると、今回はところてん式退職ではなかったようにも思えます。

 

 

次に鶴竜の話が出て来ていますが、四股名のまま協会に残れる期限から考えると、まだ3年以上期間は残っているので、やはり義理の母が井筒所有者という最有力者の志摩ノ海が影響してきているのでしょうか?

怪我の影響もあるのか?昨年後半から不調の志摩ノ海。

昨年秋場所には、3年以上務めた幕内から十両に陥落しましたが、ここでも4勝11敗。十両8枚目で迎えた先場所でも負け越してしまいました。

年齢的に今年で34歳の志摩ノ海、大怪我をしている過去も含めてそろそろ引退がチラついてもおかしくはないかもしれません。

力士が年寄名跡を襲名するためには、ただ名跡を持っているだけでは襲名出来ず、3つの条件のうち1つをクリアしなければいけません。

1つ目の条件が「最高位が小結以上であること」。志摩ノ海の最高位は前頭3枚目。まだこれはクリア出来ていません。

次に2つ目の条件ですが、「幕内通算20場所以上在位していること」とあり、こちらは何とも皮肉なことに志摩ノ海の通算幕内在位数は「19場所」あと1場所不足しています。

そして最後の条件ですが、こちらは「十両以上で通算30場所以上在位していること」となっており、この初場所(令和5年初場所)でめでたく通算30場所に到達する志摩ノ海は、晴れて「井筒名跡」を襲名する権利を得たわけです。

勝手な憶測ですが、現所有者はこれまで志摩ノ海に年寄名跡襲名権利が無かったため貸し出しをしており、今回正式に襲名権利を得たことで、本人に譲渡したのかもしれません。あくまで憶測ですが。。。

 

これからの豊ノ島

この憶測が正解だろうが間違っていようが、豊ノ島が退職することは既に決まってしまいました。

これまでは、「お相撲さん(親方)にも関わらず、モノマネが出来てトークも出来る存在」でしたが、今後は 「お相撲さん(親方)にも関わらず」という冠が外れてしまいますので、ここからの豊ノ島には今以上に頑張ってもらいたいと思っています。

豊ノ島がバラエティーで活躍する姿を想像している方も多いと思いますが、ぜひその実績だけでなく、第二検査から合格した経験など含めて、角界の外にいる元力士達と相撲界を盛り上げる存在となり、 出来れば相撲中継のレギュラーにもなってください。

そして個人的には、今回の名跡問題(株があれば残りたかった)に関して、知名度のある豊ノ島からはもっと発信して欲しいと思っています。

このおかしな年寄名跡問題がマスコミで取り上げられることで、少しでも良い方向になるきっかけを作れるのは、現在のところ豊ノ島退職という出来事しかありません。

力士が本当に親方になるのは、断髪式が終わった後とよく耳にします。そう考えると、豊ノ島が真の井筒親方として活動したのは1年にも満たない期間でしたが、さすが希代のエンターテナー様々な爪痕を残しました。

本当に残念な退職ですが、第二の人生応援しています。お疲れ様でした。

追伸
豊ノ島が出羽一門だったら誰か株の手配してくれたんでしょうか・・・

 

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