大関が3人誕生するかもしれない-令和5年夏場所-

令和5年夏場所折り返しとなる中日が終了しました。

ここまで初日から全勝で走っていた平幕の明生と朝乃山に土が着き、全勝は横綱照ノ富士のみとなりました。ここからいよいよ後半戦に突入します。

今回はちょうど前半戦が終了したということで、ここまで印象に残っている力士の感想を綴っていきたいと思います。

番付の重みを証明できるか?

「中日を終えてトップは全勝の横綱照ノ富士唯一人」

なかなか良い響きだと思います。

ちょうど一年前の夏場所に横綱である照ノ富士が優勝して以降、5場所において賜杯を抱いたのは、初場所の大関貴景勝を除くと全て関脇以下の力士でした(うち平幕優勝3回)。

名古屋場所:前頭2枚目逸ノ城
秋場所:前頭3枚目玉鷲
九州場所:前頭9枚目阿炎
春場所:関脇霧馬山

大相撲の世界において全てを決める重要な「番付」ですが、やはりその重みを証明するためには、横綱大関、特に横綱の存在は絶対です。

今場所は、4 場所連続休場からの復帰場所となっていることもあり、内容は正直圧倒的というものではありませんが、抱え込んでのある意味照ノ富士らしい相撲で白星を並べています。

ここまでは「横綱が全勝で優勝戦線を引っ張る」と言う理想的な形に落ち着いていますので、最後まで場所が締まるように頑張って欲しいです。

心揺さぶるその姿

慢性的な首の怪我に加え、先場所休場の原因にもなった左膝も万全ではない大関貴景勝。

先場所の綱取りから一転、今場所は角番と相撲の非情さを感じますが、その中でここまで6勝2敗。

誰が見ても万全ではない状態の中で、足を引きずっての勝利や、立ち合いでの変化など、勝利に固執する姿に感動すら覚えます。

土俵勘が戻ってきたのか、徐々に内容が良くなり正代戦などは完璧な相撲。

まずは角番脱出!あと2勝。

霧馬山大関昇進はほぼ確実

先場所12勝(優勝)をあげたことにより、今場所が「大関取り」の場所となっている霧馬山ですが、前半戦が終了したここまでの時点で6勝2敗。

結論から言えば、大関昇進はほぼ確実でしょう。

一般的に大関昇進の目安は、3場所合計33勝。霧馬山の直近2場所の成績は。。。

初場所:11勝4敗(小結)⇒春場所:12勝3敗(関脇) ※優勝⇒今場所?

ここ2場所の合計がすでに23勝となっており、数字的には残り10勝で33勝に到達します。つまり今場所のここまでの成績からすればあと4勝。楽勝でしょう。

危うい相撲も何番かありましたが、そもそも霧馬山の相撲は凌いで勝ったり、土俵際での逆転技も毎場所あるので調子が悪かったり、固くなっているわけではないはずです。

たとえ10勝に届いたとしても後半戦負けが込んだりすると、「10勝だと物足りない」という声が出たり、来場所以降に関して危惧する見解が出て来るかもしれません。

しかしラッキーなのは、現在協会が「横綱大関を欲している」ということです。意見が五分五分になった場合、今なら上げるはずです。

とはいえ、絶対に反対意見が出るのが世の常。霧馬山には是非11勝以上を期待!

 

大関昇進に関して詳細を書きました↓

 

 

「実力者」そんな言葉が似合う力士

中日、平戸海に敗れて1敗となってしまいましたが、初日から7つ白星を並べた前頭6枚目の明生。

以前から派手さはないけど実力者と見ておりましたが、この位置で腰の状態も悪くなければ、ここまでの成績も当たり前なのかもしれません。

優勝争いはもちろんなのですが、星次第では上位陣との取組もあり得ます。現在の三役陣に対して実力・経験は遜色ありません。後半戦明生に注目です。

 

 

 

ダブル大関あるか?大栄翔

初日から4連勝、前半戦を終わって6勝2敗の大栄翔。

霧馬山同様、直近2場所の成績を見てみると以下のような戦績。

初場所:10勝5敗(前頭筆頭)⇒春場所12勝3敗(小結) ※優勝同点⇒今場所?

今場所11勝を挙げれば、「直近3場所で33勝」となりますので、数字的に言えば大関昇進の目安をクリアすることになります。

しかし仮に11勝を挙げて33勝としたとしても、大栄翔の場合は初場所が「平幕」という部分を指摘する声が出てくる可能性があります。

平幕を含めた33勝VS新大関が欲しい相撲協会(同時昇進となれば話題的にも倍増)

何も言わせないためにも「12勝」は欲しいところ。優勝経験もあり、照ノ富士キラーでもある大栄翔の実力なら、不可能な数字ではないはずです。

親友貴景勝と番付的に並べるか?

場所ごとに成長平戸海

後輩の影響で最近は平戸海の相撲をいつもチェックしていますが、若者の成長は著しいと感じるこの夏場所です。

左前ミツを引いての相撲が得意の型ですが、今場所はそこに拘らず前に出る相撲や、流れの中で勝機を見出す相撲など、攻めのバリエーションが増えてきました。

初日は拾ったとは言え、宝富士戦・明生戦・隆の勝戦などは内容良かった・・・

とはいえ、前半飛ばして失速からの8勝7敗にならないよう、早々に勝ち越して欲しいですね。

技能賞を取らせてあげたいので、10勝目指して!

 

 

ここまでは順調?朝乃山

注目の再入幕となった元大関の朝乃山。

北青鵬に土を着けられましたが、初日から7連勝で中日終わって7勝1敗。後半戦は間違いなく優勝戦線に顔を出してくるはずです。

勝手な予想になるのですが、「相手が格下過ぎて勝って当たり前」だったこれまでの場所に比べ、戦いの場が幕内に戻った今場所は、精神的に取りやすいのではないでしょうか?

勝った7番のうち、物言いがついた琴恵光戦以外は圧勝。

不十分で出て行った土俵際の逆転さえ気を付ければ、優勝戦線を盛り上げ、復活優勝もあるかもしれません。

 

 

末恐ろしい北青鵬

今場所の北青鵬を見て、相撲を知らない人さえこの力士の底知れぬ力や能力を感じ取ったでしょう。

中日終わって6勝2敗ですが、普通の力士であれば内容的に相手十二分になられ、星が逆転しているはずです。

防御力(要は懐の深さを勝手にこう呼んでます)が、高すぎて相手の攻めが通じません。

「もう少し腰を落としたら」という声が多い中、師匠である宮城野親方(元白鵬)はそこを指摘するよりも「曙のような相撲を取れ」と言っているようです。

曙は長身から繰り出す突き押しが武器の横綱でしたが、ライバル貴乃花と互角に渡り合える四つ相撲も取れました。

この力士にスピードと突き押しが加わったら・・・恐ろしい・・・

現役時代に「地上最強」を目指していた高田川親方(元安芸乃島)が、がっぷり四つになって勝てる幕内力士はいないんでは?という質問に「そうですね」と答えていました。

絶対の型が強い理由を体現若元春

宮城野親方が現役時代、「色々出来る力士よりも一つでも自分の型を持っている力士の方が怖い」と言っていましたが、最近の若元春が正にこれではないでしょうか?

琴ノ若戦や翠富士戦など、左四つになった時の強さは抜群で、こちらも中日まで6勝2敗と好成績をあげています。

これから上位戦が残っていますが、直近2場所が9勝→11勝となっている(共に三役)若元春もまた、数字上では大関の可能性がある力士になります。

現実的には「今場所二桁勝って来場所大関挑戦」と言うのが理想的なのかもしれませんが、後半戦に注目ですね。弟の分も頑張れ!!

落合と豪ノ山の一騎打ちか?

十両の土俵は、やはり今場所も落合の話題が中心ですが、中日まで勝ちっぱなしの8勝。実力も伴っています。

突いても四つでも良い相撲を取っているのですが、何よりも体幹の強さを感じます。崩れない!早く幕内で見たいというファンも多いと思いますが、一つ残念なのは「北青鵬VS落合」がないことです。

どうも話題を落合に持って行かれがちですが、東筆頭の豪ノ山も中日まで全勝。

四股名だけでなく、顔・仕切り姿など、色々と豪栄道に似すぎの武隈部屋の部屋頭ですが、相撲も豪栄道のごとくいい感じでここまで来ています。

来場所の新入幕はほぼ確実だと思いますので、ここからは落合との直接対決だけでなく、来場所の前哨戦ということで幕内力士との取組にも注目したいです。

貴健斗、運よく不戦勝で星を五分にしたものの、そこから連敗で3勝5敗。愚直なまでの押し相撲に心を動かされていますが、止められた後のいなしなどの対処法があればもう少し安定しないのでしょうか?早く新入幕を見たいと思っています。

泣いても笑ってもあと半分。休場力士が出ることなく、あと半分乗り切って下さい。

ああ、現地に行きたい・・・

 

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