相撲の魅力とは?
かつては私も「相撲が好きなんて若いのに珍しいね」とか言われていましたが、気が付けば「最近は若い相撲ファンの子達が多くなってきて、、、」などと、逆に口にする年齢になってきました(笑)
平成初期の若貴ブームから相撲にハマり、「相撲オタク」と呼ばれるようになりはや30年以上がたち、時代も平成から令和に変わりました。
ここ数ヶ月の間、これまで収集した相撲書籍を目にする時間が増えたこともあり、相撲を好きになった昔のことを思い返す時間が多くなりました。
そこで今回は自身が感じている「相撲の魅力」について改めて考えて、ああでもないこうでもないと上げていきたいと思います。
「相撲って何が面白いの?」
最近相撲にハマった人も、何となく興味を持った人も、時間があれば読んでみてください。
日本の伝統が詰まっている
私が相撲を好きになった要素は沢山ありますが、「相撲の魅力は?」と聞かれた時にまず思い浮かぶのが「歴史と伝統」です。
育ってきた家庭環境に少なからず関係があるのではないかと思っているのですが、母の実家が料亭だったので、幼い頃から日本の文化や伝統的な物事に度々触れる機会が多く、知らず知らずのうちに歴史的なものに興味を持つようになりました。
大相撲に登場する髷、着物、履物、相撲部屋の間取り、生活様式も含め、力士を囲む多くの物から、日本の文化や伝統の香りを感じることが出来ます。
大相撲を構成する一つ一つの要素に親近感を感じ、そのうち魅了されたというのが相撲を好きになった第一の要因のような気がします。
以前井筒親方(逆鉾)が、「昭和30年代の相撲雑誌を見ると、その写真に写る風景に懐かしさを感じる」とインタビューで答えているのを見ましたが、まさにそんな感じなのかもしれません。
※一つ自慢話ですが、母は幼い頃座敷に招かれた「若ノ花」と「琴ヶ濱」に抱っこしてもらったそうです。
今も続く一門や部屋の血脈
一門や相撲部屋、四股名などから「歴史」を感じることが出来るのも大相撲の魅力の一つです。
例えば、先日新大関が誕生した佐渡ヶ嶽部屋は、先々代が二所ノ関部屋から独立して興した部屋のため二所ノ関一門であり、佐渡ヶ嶽部屋においては先々代が使用していた「琴」の字が代々四股名で継承されています。
また春日野部屋は、元横綱栃木山が引退後所属していた出羽海部屋から独立して興した部屋のため出羽海一門に属しており、現在も四股名で使用していた「栃」の字は弟子達に脈々と継承されています。
他にも伊勢ノ海部屋のように、代々部屋の力士達に伝わる四股名が存在したり、親方名跡が相撲の歴史と共に継承され第○代○○親方となっているなど、まるで家系のように、その血脈を辿ることが出来、四股名や各部屋には、それぞれの歴史や物語があることも、これまで長く続いてきた大相撲の魅力の一つです。
相撲部屋という存在
力士達が、入門から引退するまで多くの時間を共に過ごす「相撲部屋」という、非常に特殊な空間の存在もまた、私が相撲に魅了される要因の一つです。
野球やサッカーなどのスポーツで言えば「チーム」に例える方もいるかもしれませんが、「相撲部屋」という単位は他に例えることが難しい特殊な存在になります。
「選手がチームに所属し、場合によっては移籍をする」という契約の関係ではなく、相撲部屋では親方を「親」とし、所属する力士達は「子」。寝食を共にする家族になるので、同じ部屋の力士同士の対戦はなく、もちろん力士の部屋移籍もありません。
そこには野球やサッカーのような熾烈なポジション争いのはないので、一見すると「絆」で結ばれた仲の良い家族のように映るかもしれませんが、そこには「番付」という他に類を見ない絶対的な序列があり、兄弟子と弟弟子の関係性が加わってくることで、より部屋の力士達の人間ドラマが彩られることになります。
相撲ファンには、「箱推し」と言われる相撲部屋単位での応援方法がありますが、応援する部屋の力士達の成績はもちろん、それぞれの人間模様など様々な背景を共に感じことが出来るのです(喜怒哀楽全部)。
十両幕下の境界線
相撲界には昔から、「番付が一枚違えば家来同然、一段違えば虫けら同然」という言葉がありますが、先程も「絶対的な序列」と表現したように、力士達の地位は、序ノ口から最高位の横綱まで番付によってはっきりと区別されています。
特に十両と幕下の違いは「世界が変わる」と言われるほどその待遇は変化し、十両十四枚目(十両の最下位)と東幕下筆頭(幕下の最上位)では実質半枚しか番付が変わらないにも関わらず、「給料が月100万円以上もらえ付き人が付く十両と、無給で付き人になる幕下」という雲泥の差が生まれます。
この「十両の地位」を巡る戦いや人間模様は、大相撲最大の魅力と言っても過言ではありません。
「相撲で一番面白いのは幕下上位5番」の意味が分かり始めたら、貴方は既に「相撲沼」に入り込んでいるはずです。
郷土を背負う力士達
力士達が土俵に上がる際、四股名と共に紹介されるのが「出身地」です。
しかも、都道府県だけでなく市区町村レベルまで紹介されます。
「郷土との繋がり」
これも大相撲の大きな魅力の一つでしょう。
郷土に纏わる名称を入れた四股名。郷土に纏わる絵柄をデザインした化粧まわし。郷土の巡業で送られる大声援。
夏の甲子園が盛り上がる大きな要因として、「都道府県の代表」というのがあると思います。
力士はそれ以上に地元を背負って日々土俵に上がっているのです。
推しを作って応援しよう
ここまで「私が思う相撲の魅力」と「相撲が好きな要素」というのを並べてみましたが如何だったでしょうか?
他にも、相撲を好きになった頃最初に応援していた推し力士もいました。
推し力士がいる方は、それも大きな要素の一つでしょう。
もはや相撲観戦は生活の一部となっており、改めて「なぜ相撲が好きになったのか?相撲の魅力はなに?」などと考えることがなかったので、今回改めての発見になりました。
しばらくは、これまで収集した相撲書籍を読む機会が増えそうなので、童心に返って(笑)相撲観戦をしたいなと思っています。